Nation Alchemist Murder 第一話














「きっ貴様っ・・・・このオレが誰だか分からないのか!?」
「・・・・漆喰の錬金術師・・・・でしょう?」
男の悲鳴のような声に、目の前に立つ少女は笑みを浮かべたまま問い掛けた。
「しっ知ってるんだな、俺をっ!!!なっなら、オレの怖さも知ってい────グッ!?」
男が命乞いをしたような表情で少女にそう語りかけた瞬間だった。
男の顔が青ざめ、口から泡を吐き始めた。
その様子を少女は1人静かに見つめていた。
「・・・うるさいわよ。いい加減・・・・黙って頂戴。」
そう言うと、少女はクルリと男に背を向けた。
男は白目をむくと、バタンとその場に倒れこんだ。
少女の名は











「なっ何だとっ!?」
「どうしたんだよ、大佐ー?」
リゼンブールにある東方司令部の一室にて。
大佐という地位に若くして上り詰めたロイ・マスタング。
そしてあちこちで二つ名が有名となったエドワード・エルリック。
周りにはエドワードの弟のアルフォンス。
そしてロイの部下であるリザ・ホークアイ中尉、ジャン・ハボック少尉が居た。
大佐室から聞こえてきたロイの叫び声。
それに気が付きエドワードは大佐室をノックしドアを開けた。
「はっ鋼の・・・」
「どうしたんだよ、大佐。んなでっかい声出して。」
呆れた顔でエドワードはロイに問い掛けた。
「・・・・また国家錬金術師が殺されたのだよ。鋼のも知っているだろう?漆喰の錬金術師の事を。」
「〜〜〜っ!!!あ・・・あぁ。」
ロイの言葉から出た『国家錬金術師が殺された』の言葉にエドワードはビクッと身体を振るわせた。
エドワード自身も国家錬金術師だという事もあるが、国家錬金術師が殺されたと聞くと、ある事件を思い出すのだ。
・・・・タッカー氏の事件・・・・そしてスカーの事件を。
そしてすぐにロイの問い掛けてきた漆喰の錬金術師の事を思い出し、急いで頷き返す。
「その漆喰の錬金術師が・・・・昨日の夜に殺された。」
「なっ───」
「場所は、イーストシティだ。」
「!!」
ロイの言葉に驚きの声を上げようとしたエドワード。
だが、その後にロイの口から出された場所に驚きの表情をする。
イーストシティの裏路地にて、漆喰の錬金術師は殺されたという事だった。
そしてロイはこうも言っていた。
『妙な殺され方をしていた。』と・・・・
「大佐・・・・妙な殺され方って・・・?」
エドワードは気になった事を直接ロイに訪ねてみた。
一瞬眉間にシワを寄せたロイだったが、フゥッと溜息を付くとリザにアルフォンスとハボックもつれて来いと告げていた。
アルフォンスとハボックが大佐室に入り、ドアが閉まった事を確認すると、ゆっくりと口を開いた。
「窒息死・・・・だ。」
「窒息死?絞め殺されたのか?」
ロイの言葉を鸚鵡返しで問い返し、その結果導き出された内容を口に出した。
しかし、エドワードの言葉を聞くと、ロイは首を左右に振った。
「?」
どういう意味なのか分からず、エドワードは首をかしげた。
「締め付けられた痕も無く、ただ窒息死をしていただけだったのだよ、鋼の。」
「締め付けられた痕も無く???それじゃ・・・どうやった窒息したんだ?」
「それが分かれば良いんだけどね・・・エドワード君。締め付けられた痕も無いのに窒息死している理由がまだ分からないのよ。」
ロイの言葉を聞き、また疑問の嵐に襲われるエドワード。
また頭の中を横切った疑問を口に出し問い掛けてみた。
すると、今度はロイではなくリザが優しく答えた。
「錬金術師の仕業じゃないんっすか?」
「スカーの時の様にか?」
ハボックの問いかけに、ロイが静かに問い返した。
「そうっす。一連の国家錬金術師殺害の時も錬金術を使った殺しだったじゃないっすか。」
「私もそう考えたのだけど・・・・大佐がそれじゃ矛盾が出てくると・・・・」
ハボックはタバコを持ち運びように持っていた灰皿を取り出した。
リザもハァッと大きく溜息を付きながら呟いた。
「矛盾?あー・・・錬成するのに必要な錬成陣が描かれてなかったとか・・・おかしな点がある、ってことか・・・」
「まぁ・・・そういう事だ。」
「じゃぁ・・・・奇怪殺人って事ですか?」
リザの言葉を聞き、理解したエドワードはポリポリと頬を掻きながら呟いた。
するとロイが大きな溜息を付きながら返事を返した。
つまり、錬金術師ではない人物が何らかの形で窒息死させた。という事にたどり着きアルフォンスは問い掛けた。
「そうね・・・水に濡れた様子もなかったわけだし・・・」
「大佐。その現場に連れてってもらえないか?」
リザの言葉を最後まで聞き終えると、エドワードはロイに視線を移すと問い掛けた。
「殺人現場に・・・か?」
「あぁ。」
「犯人がまだいたらどうするつもりだ?」
「そんなのいかなきゃわからねぇ。それに・・・犯人がまだ居るんなら、捕まえられるかもしれねぇだろ?」
「しょうがないな・・・・ハボック少尉!」
エドワードの言葉を聞き、一瞬驚いた表情を浮かべたロイ。
だが、すぐにいつもの表情に戻しエドワードに問い返した。
そしてロイの言葉にエドワードは静かに答え、ニッと笑みを浮かべた。
ロイは何を言っても無駄だと察知すると、笑みを浮かべたまま下を向き立ち上がると、ハボックに声をかけた。
「なっなんっすか!?」
「表に車を回せ。」
「お、オレが運転するんっすか!?」
「当たり前だ!」
そう言われ、しぶしぶハボックは車のキーを持ち外へ出て行った。
そしてロイはエドワードと連れ、車の来る場所へと向かった。
勿論リザとハボックも連れて────














「今までに・・・たくさんの国家錬金術師を殺してきた・・・が・・・まだ居るのか・・・・国家錬金術師は。」
ウンザリそうには呟いた。
場所は殺人現場の近く。
見ようと思えば殺人現場を見ることが出来る場所には居た。
場所は・・・・そう、家の屋根の上。
そこから少し身を乗り出せば、真下に殺人現場が。
先ほどまで軍の者達が死体を運んでいたため、は場所を此処に移動したのだ。
「・・・私はいつまで国家錬金術師を殺し続けるのだろう・・・・」
は自らの手をジッと見つめ、ポツリとつぶやいた。
グッと手を握り締め、鋭い瞳を今以上に鋭くする。
そしては心の中で呟いた。
答えは簡単・・・国家錬金術師の存在がなくなるまで・・・
「大佐っ・・・ここか!?」
「あぁ・・・そう慌てるな鋼の。」
そうこう考えている所に聞き覚えの無い声が2つ聞こえてきた。
・・・誰か来たのか?
「大佐。お待ち下さい。まだ殺人犯が居るかもしれないのですよ!?」
「兄さんもっ!!中尉と少尉には迷惑掛けられないでしょ!?」
「私には迷惑かけてもいいと言うのかね?」
「えっ・・・あっ・・・そうじゃなくて・・・」
「はっはっは。冗談だ、アルフォンス。」
の意識が2人の声に集中していた時だった。
また聞き覚えの無い3つの声が聞こえてきた。
・・・軍の者か?
は息を潜め、そして気配を消し5人の様子を伺っていた。
その時、は眉を潜め5人を見つめた。
・・・金髪の少年に鎧。それにイーストシティの大佐・・・・っ!!!!
はある事に気が付いた。
そう、目の前に居る人物2人が国家錬金術師だという事だった。
「エドワード君。はしゃぐのは分かるわ。でも、少し落ち着いて頂戴。」
「あ・・あぁ、中尉。」
「ハボック少尉もボーっとしてないで大佐をどうにかして!」
フゥッと溜息を付きリザがエドワードに声をかけた。
その声を聞き、やっとエドワードは落ち着きを見せた。
そして人事のように見ているハボックに叱咤を入れた。
はその事で分かった。
此処にいる5人の名前が。
1人は東方司令部大佐のロイ・マスタング。
の狙っていた国家錬金術師の1人、焔の錬金術師だった。
そして金髪の少年のエドワード・エルリック。
傍に居た鎧の少年のアルフォンス・エルリックとセットという事では気付く事が出来た。
そしてその部下であるリザ・ホークアイ中尉にジャン・ハボック少尉。
この時、の狙いはロイとエドワードの2人に絞られた。
・・・どうする?今此処で命を狙う事は容易い・・・だが、此処で出て行って私の得になる事はあるのか?
はひたすら思考を回転させ、にとって有利となる道を探していた。
・・・ここは殺人鬼として出て行かないのが1番だな・・・
そう心の中で呟いた瞬間だった。
「そこに居るのは誰だ!?」
「っ!?」
ロイの声が響き渡った。
──っしまったっ!!!考え事に意識が集中してて気配を消し忘れたっ!?
はハッとした顔をし、急いで気配を消した。
だが、既に遅かった。
そこに居る5人全員にの気配を探られてしまっていた。
意識は既にの居る屋根の上に集中していた。
ロイは発火布を手に付け、エドワードは錬成準備。
アルフォンスも足につけてあるポーチからチョークを取り出し戦闘準備。
リザとハボックは腰につけていた銃を取り出し銃口をに向けていた。
・・・・ちっ・・・
心の中で舌打ちをすると、はバッと屋根から飛び降りた。
勿論“エドワード達の居ない”家の向こう側の裏路地に。
「なっ!?」
いきなり取った行動に驚きの声を上げるハボック。
「あっあんな高い場所からっ!?」
「事前に用意してあれば簡単に飛び降りれる高さだっ!それより追うぞ、ハボック!」
呆気に取られているハボックに声をかけるロイ。
既にこの時、エドワードとアルフォンスとリザの3人は駆け出していた。
「へっ・・・あ、はいっ!!!」
ハボックはすぐに我に返り、既に走り出しているロイの後を追って駆け出した。
ドンッ!!!!
「きゃぁっ・・・」
大きな音と同時に少女の声が響き渡った。
「あったたた・・・・あー・・・大丈夫か?」
「兄さん、よそ見してるから〜」
エドワードは打ったお尻を摩りながら目の前に倒れている少女に手を差し伸べた。
その少女こそだったのだが・・・・
が殺人鬼だと知らないエドワードは普通の女の子だと思っていた。
「あ・・・大丈夫です・・・・今日私・・・・ついていなかったみたいで・・・・」
打った場所を摩りながら笑みを浮かべて立ち上がる
「ついていないって?」
の呟いた言葉にふと疑問を持ったのか、アルフォンスは問い掛けた。
「え・・・さっき屋根の上から飛び降りてきた人とぶつかって・・・」
「!!!何処に行った、そいつはっ!!!」
「きゃ・・・」
アルフォンスの言葉に静かに答える
その言葉を聞き、声を荒げて叫んだエドワード。
その声に驚き肩を竦めた
「何処って・・・分からないわ・・・大通りの方に走っていったのは分かったけれど・・・」
ビクビクとしながらはエドワードの問いかけに答える。
「大通りだなっ・・・サンキュウ!!っと・・・ぶつかったの、悪かったな。ドレス汚したみたいだっ!!」
そう言うと、エドワードはアルフォンスを連れて急いで大通りに向かって駆け出していた。
・・・・・エドワード・・・なんで貴方が国家錬金術師なんて・・・・?
今まで『国家錬金術師は悪い奴ばかり』と思っていた
今まで殺してきた国家錬金術師も悪い奴ばかりだった。
だけど、今の目に映ったエドワードという鋼の錬金術師はそれとは違った感じだった。
・・・・今、殺そうと思えば殺せる・・・・今は2人しか居ない・・・軍人の3人はまだ来ていない・・・なのに殺そうと思うと躊躇してしまう・・・
はそう思いながらもエドワードに背を向け、急いでその場から離れようとした。












打って変わって場所は裏路地の奥。
そこにの住みか・・・と言うか、隠れ家があった。
勿論今は使用されていない、誰も住んでいない家だった。
つまりは、勝手に使わせてもらっているという事。
軍の者に見つかればただではすまない。
だからはいつもこの隠れ家に戻ってくる時は夜中だった。
そして今日もエドワード達に背を向けあの場所から離れた後、夜中を何処かの家の屋根の上で待ち、今こうして帰ってきた。
ガチャ・・・・
「!!!」
家のドアを空けると、は驚きの表情を浮かべていた。
部屋の中は、一見いつもと変わらないように見える。
だが、いつも使っているには違和感を覚えさせる部屋だった。
そう・・・モノの置き場所などが少しずれているのだ。
あまり使用していない元々置かれていた家具。
掃除もしていないため埃が溜まっている。
しかし、家具をどかしたりしたためか家具の下の埃の付いていない部分の床が多少あらわになっていた。
───誰かこの家に立ち入った!?
はハッとした。
そして急いで家のドアを空けた。
そしてキョロキョロと辺りを見渡す。
「良かった・・・国家錬金術師の資料はなくなっていない・・・」
家の天井の一部を力いっぱい上に押すと、ガコッと小さな音を立て天井が外れた。
その天井裏に隠していた資料を取り出し、中身を確認するとはホッと安堵の息をついた。
─さて・・・これからどうするか・・・・イーストシティには後“鋼の錬金術師”と“焔の錬金術師”の2人がいる・・・・か。まぁ、ゆっくりしていてもあの2人がすぐに立ち去る事はないだろう・・・
はそう考え、ベッドに腰を下ろした。
ボスッと音がした瞬間、ベッドに溜まっていた埃が宙に舞う。
しかしはそれを気にする様子もなく、ベッドに腰を下ろしていた。
「さてと・・・」
そう呟くと、まず焔の錬金術師であるロイ・マスタングの資料には目を通した。
・・・エドワードを国家錬金術師にしたのもこいつか・・・焔の錬成をするため“炎の錬金術師”か・・なるほど。
そこまで呟くと2枚目の資料に目を通した。
──未婚で既に29歳か・・・女癖が悪く、仕事を良くサボる・・・フムフム。ろくな男じゃないな・・・
2枚目の資料を見て率直に思った感想がこれだった。
3枚目の資料にはロイの住所と勤務先が書かれていた。
が、勤務先は気にする事はなかった。
既には知っていたから。
重要なのはロイの住んでいる住所だった。
それ全てに目を通すとは資料をベッドの上に置き、エドワードの資料の方に目を移した。
1枚目の資料にはエドワードが12歳という最年少で国家資格を得たという事。右手、左足が機械鎧と言う事。弟にアルフォンスという鎧の少年が居るという事が描かれていた。
2枚目の資料にはエドワードの実績が載せられていた。性格に多少問題ありと描かれていたが、錬金術及び体術に関してはバッチリ褒めまくりだった。
3枚目の資料には“住所なし。勤務先なし。”と描かれていた。
・・・住所なし、勤務先なし?・・・・旅人という事か?
3枚目の表記に多少首をかしげた
───っ!!旅人だとしたら・・・・即刻始末しないと足が付かなくなる!!!
ハッとした表情を浮かべ、は立ち上がった。
旅人=根無し草。
それはも分かっていた。
「おーや?忙しそうだねぇ〜」
「!!!」
いきなり掛かった声に驚き、は急いで後ろに振り向いた。
そこには見知った人物が立っていた。
「・・・・エンヴィー・・・」
「久し振りだね、。」
「私はあまり・・・会いたくなかったけれどね。」
「そんなこと言うなよ、折角のお仲間だろ?」
「一緒にしないで。」
エンヴィーの名をが小さく呟く。
すると、エンヴィーは苦笑しながらなれなれしい言葉を投げかけてきた。
しかし、その言葉が気にくわなかったのかはエンヴィーをギッと睨みつけると冷たく一言呟いた。
「そう言うなよ。僕たちと一緒だろ?」
「・・・・ホムンクルスだから・・・と言いたいの?」
苦笑しながら呟いたエンヴィーの言葉に、はピクンと肩を揺らした。
そして静かに、キッとエンヴィーを睨みつけたまま問い掛けた。
「そういうこと・・・だって僕たちは同じお父様から生み出されたんだから・・・兄弟同然だろ?」
「私はあの人に頼んで抜けさせてもらったわ。」
「そう思っているのはだけって事だよ。」
エンヴィーのお父様・・・つまりウロボロス組を生み出した父親と言う事だ。
も同様にエンヴィーたちを生み出したお父様から生み出されたようだ。
しかし、曰くお父様に頼んでウロボロス組から抜け出させてもらったようだ。
だが、そうだと思っているのはだけだと、エンヴィーは短く告げた。
「例えそうでも・・・私はとっくの昔に抜けたわっ!!!」
「・・・・まぁ、それはどうでもいいよ、この際。」
が珍しく怒鳴り声を上げた。
その様子を見て、おかしくなったのかエンヴィーは笑いを堪えていた。
そして、間を空けてエンヴィーは呟くとをジッと見つめた。
「ウロボロス組から抜けてから・・・国家錬金術師を殺しまわっているようだね?」
「それが?」
・・・僕らの計画を邪魔するつもり?」
エンヴィーからその言葉が出てくるとは・・・と内心は呟いていた。
しかし、表面上では平然を装い問い返した。
「邪魔?別にするつもりなんて無いわ。」
「でも、のしている事は計画の邪魔をしているんだけど?」
「エンヴィー・・・何が言いたいの?」
エンヴィーの言葉を聞き、はキッと睨みつけたまま問い返した。
話の内容からにはエンヴィーが何を言いたいのかある程度は理解していた。
しかし、あえて聞いてみることにした・・・暇つぶしに。
「分からないかなぁ?国家錬金術師の中に“人柱候補”が居るんだよ。に国家錬金術師を殺されまわると何かと困るんだ。」
「そんなの、私の知ったことじゃないわ。」
エンヴィーの言葉に耳を傾けず、プイッと視線を反らすと、は冷たい言葉を浴びせた。
「私は国家錬金術師殺しをやめるつもりは無いわ。国家錬金術師なんて・・・生きている資格なんてない・・・」
瞳の奥に恨み、悲しみを含ませ瞳の色をより一層深くさせていた。
「まぁ・・・お父様からも言われているから・・・のやる事に口出しはしないけど・・・お父様から指示が出たら容赦なくを殺しちゃうからね?」
「そうやすやす殺されると思う?」
エンヴィーは“お父様”という言葉、人物に縛られ行動が規制されているようだった。
しかし、その“お父様”から指示が出たら容赦なくを殺す、とエンヴィーは宣言してきた。
はエンヴィーの言葉を聞き、クスリと笑うと首をかしげて見せた。
その言葉と仕草にカッとなったエンヴィーは、勢い良くの両手首を掴み、壁に押し当てた。
「ちょっ・・・離しっ・・・!!!」
がそう叫ぼうとした時だった。
エンヴィーの唇がの唇に重なりあった。
いきなりの出来事には目を丸くし、エンヴィーを見つめた。
「っ・・・んん・・・・ぷぁ・・・・」
唇が離された瞬間、は一気に息を吸い込んだ。
そしてギッと赤く染まる頬のままエンヴィーをにらみつけた。
は僕の物だ。」
エンヴィーがそう呟いた瞬間だった。
パシンっ!!!!!
「・・・っ・・・・」
「いい加減にしてっ!!!」
「・・・・逃げられると思うなよ?ウロボロスから離れたとしても・・・お父様から生まれたことは変わりないんだ!」
そう言うとエンヴィーはドアを開け、外に飛び出していった。
・・・・何なのよ・・・
エンヴィーの走り去っていった方向を見つめながら心の中で呟く
てゆーか・・・いきなり『僕のもの』呼ばわりっ!?
今気付いたは心の中で今さっきツッコミを入れられなかった言葉を呟いた。
そしてゆっくりとは自らの唇を触れた。
まだ微かに残る感触、温もり・・・・でも、実際はエンヴィーの唇は冷たかった。
何が何でも・・・・国家錬金術師殺しを辞める事は・・・出来ないのよ・・・・もう。
はドアをキィィィと閉めながら小さく心の中で呟いていた。
決してもう辞める事の出来ないところまできてしまっている
瞳を閉じると、国家錬金術師殺しになろうと決心した頃を思い出してしまう。











「なっ・・・・何で無傷っ!?」
それは些細な出来事だった。
列車の横転事故。
全ての人間が即死だった程悲惨な事故だった。
列車は線路から外れ、崖の渕を走っていたため、何百mも下の崖下に転落していた。
その中でだけが無傷で助かったのだ。
今までホムンクルスだと隠して生きてきた
ホムンクルス・・・つまり人造人間。
胸に埋め込まれた赤い石のおかげで何度殺されても、何度死んでも生き返る。
それがだった。
列車のガレキを退け、死体を運び、その中で何故か生きていた
軍の者がを見つけた瞬間真っ先に言ったのが「何故無事なのか」だった。
そして、全ての人間が即死した事故で死ななかった。
つまり「化け物だ」と軍の狗と呼ばれる“国家錬金術師”達に言われ続けた。
酷い時には錬金術で本当に死なないのか、とを殺してみようと・・・実験してみようと試みる輩もいた。
それからは国家錬金術師に対し、恨みや憎しみ、そして悲しみを持つようになった。
それがきっかけでは国家錬金術師殺しとなったのだ。













「エンヴィー。何処に行っていたの?」
「ラストのおばはんか。別に・・・」
「おばっ・・・・どうせの所辺りでしょ?」
戻ってきたエンヴィーに声をかけたのは黒い身体にフィットした服に身を包んだ女性、ラストだった。
告げる必要はないと思ったエンヴィーは上手く話題を変えようと試みた。
が、ラストには全てお見通しのようだった。
「なっ・・・・」
「あんたのやる事くらい想像つくわよ。が此処に居た頃からぞっこんだったものねー」
「・・・ラストのばばぁ・・・何が言いたい・・・」
「ばばぁとは何よ、エンヴィー。」
「・・・ふんっ・・・」
長い間のエンヴィーとラストのにらみ合い。
そして先に視線を反らしたのはエンヴィーだった。
頬を膨らませ、不機嫌な様子でラストの横を通り過ぎていく。
その様子を見ながらラストは不適な笑みを浮かべていた。













「あーもぅ・・・エンヴィーの所為で眠れなかった!」
そう叫びながらはイーストシティを歩いていた。
目的地は東方司令部付近。
この辺りをうろついていればエドワードにもロイにも会えると踏んだからだ。
勿論服装はこの間あったときと同じ白い膝丈のワンピース。
「おや?そこのお嬢さん。」
「え?」
いきなり声を掛けられ、振り返る
しかし、声を聞きすぐにロイだとは確信していた。
そして振り返った先にあった姿はの予想通りロイだった。
「貴方は・・・・?」
「ここの司令官のロイ・マスタングと申します。地位は大佐です、どうぞお見知りおきを。」
「貴方が噂に名高きマスタング大佐殿ですか。」
全て知っておきながらワザと演技をし、名前を聞き出す
ロイはニッコリ微笑むとに向かって会釈をし、手を差し出した。
口元に手を持って行き、「まぁ」というような動きを見せニッコリ微笑み返すとはロイの手を握り返した。
ロイの手に伝わるひんやりとしたの手の温度。
「私は───、と申します。・ラザイト。」
ニッコリ微笑みながら名前を述べる。
名前は本名だが、苗字に当たる部分は偽名。
それでもフルネームで名乗る方が疑われにくいだろう、と考えた末だった。
「こんな形でマスタング大佐殿にお会いできるなんて・・・光栄です。」
「私もこんな美しい女性に出会えるなんて光栄ですよ。」
嬉しそうな表情をして呟くに、ロイもニッコリと微笑み呟き返す。
あの事件場で見たロイの表情なんて、今のロイからは想像出来なかった。
「たーいーさー!!」
その時の後ろから掛かってきた声。
それはエルリック兄弟の兄、エドワードのものだった。
しかし、からはエドワードの姿は見えず、ロイの事しか見えなかった。
しかし、ロイを見ているとハァと溜息を付く様子が伺えた。
そしてエドワードに構わずに話し掛けて来た。
はロイの話題に笑みを浮かべながら耳を傾け、時には相槌を打ち、話題に加わる、そんなことの繰り返しだった。
「おーい、大佐〜〜〜!!!」
「あ・・・あの。」
「なんだね?」
また後ろから聞こえてくるエドワードの声。
は申し訳なさそうにロイの話題の腰を折り、話し掛けた。
すると笑顔での言葉に耳を傾けた。
・・・資料に書いてあった通りの男・・・でも、今まで殺してきた国家錬金術師とは・・・なんか違う気がする・・・そう、あの時あったエドワードと同様に・・・
「マスタング大佐殿の事をお呼びの方がいらっしゃるようですが・・・?」
「マスタング大佐殿じゃなくて、ロイ・・・と呼んでくださって結構ですよ。」
「え・・・あ、はい。じゃぁ・・・ロイ・・・さん。私の事も・・・呼び捨てで結構ですよ。」
「はははは。新鮮で良いですね。では・・・、と呼ばせて頂きますね。」
上手くロイに話をそらされた
ニッコリ微笑みを浮かべるロイに隙はなかった。
「たいっさ!!!」
その声が聞こえた瞬間、ロイの顔面に向かって伸びる拳には気が付いた。
その拳を伸ばした相手はエドワードだった。
の横からヒョコっと顔を出したエドワード。
しかし、エドワードの拳はやすやすとロイに受け止められていた。
「昨日ぶりだな・・・鋼の。」
「あっれ?」
「あ・・・どうも、こんにちは。」
少し不服そうにエドワードに挨拶をするロイ。
そんなロイの挨拶を気にせず、の顔をジッと見つめるエドワード。
少し額に汗をかきながらニッコリと笑みを浮かべて挨拶をする。
「あーーーー!!!誰かに似てると思ったら、中尉に似てるんだ、この雰囲気!!!昨日からずっと思ってたんだよ。えーっと・・昨日はごめんな、激突しちゃって。」
いきなり上げられた声に何かと驚く
一瞬自分の事がばれたのかと考えただったが、すぐに続いた言葉に安堵の息をつく。
「あ・・・大丈夫・・・でしたから。」
少し焦りながらも返事を返す
「2人は知り合いだったのかね?」
「「え?」」
ロイから掛かった問い掛けにとエドワードの声が重なり合った。
「まぁいい。2人とも・・・いや、3人とも中に入るがいい。」
「私も・・・良いんですか?」
ロイはエドワードとアルフォンス、そしてを見つめ、東方司令部の中へと言葉を続けた。
その言葉を聞きは驚きの声を上げる。
こんなに簡単に東方司令部にもぐりこめるとは・・・良いチャンスね。
驚きの声を上げつつも、内心は全く逆の事を考えていた
「ああ、構わないとも。」
そう言うとロイは真っ先に東方司令部の中に入っていった。














「えっ!?エドワードさん、ここを今日の夕方に発つんですか!?」
いきなり上がった声はのものだった。
「あぁ。」
「あの・・・いきなりであつかましいかもしれないんですけど・・・」
そこまで言うとは言葉を切った。
もじもじと言うのをためらう素振りを見せる
「何だよ。」
「一緒に・・・旅をさせては頂けませんか?」
「「えぇ!?」」
のいきなりの申し出にエドワードとアルフォンスの両者の声が重なり合った。
そしてロイといえばコップを手にしたままのいきなりの発言に身体を硬直させていた。
「私・・・昔から旅に憧れていたんです。」
そう言うと、ジッとエドワードとアルフォンスの目をジッと見つめた。
マスタング大佐は住所も、そして勤務先も分かっている。なら根無し草のエドワードから始末するべき。
そう判断した結果、今の発言に至っていた。
「でっでも・・・ボク達の旅は危険が伴ってるんだよ?」
「大丈夫です。自分の身を守る術は・・・身に着けていますから。」
「でも、いきなり戦闘になったらどうするんだ?」
アルフォンスの問い掛けにニッコリ微笑み言葉を続けた
そして今度はエドワードから問い掛けられた。
すると腰につけていた一振りの小さなナイフを取り出し、テーブルの上に置いた。
「勿論・・・・足を引っ張らない程度に応戦します。」
のいきなりの言葉にアルフォンス、エドワード、ロイの3人は声を失っていた。
が・・・こんな子だなんて見かけじゃわからないものだな。」
沈黙を破ったのはロイだった。
ハァッと溜息を付きながら、何処か苦笑していた。
さっきまで演じていた、おしとやかな女性の肩書きはもう捨てよう・・・は即座にそう心の中で思っていた。
「まだ会って間もないですから。」
目を細め下を見つめ、ナイフを腰に差しなおす
「鋼のたちは・・・どうするのだね、の頼みを。」
ロイの質問にアルフォンスもエドワードも戸惑う一方だった。
の瞳が一緒に連れてってと訴えているからだ。
「・・・決められぬのなら、一戦交えてみてはどうだね?」
「「「え?」」」
いきなりの提案に驚きの声を上げたのはエドワードとアルフォンスだけでなくもだった。
としては2人の旅についていきたい。」
「勿論ですっ!!」
「しかし、危険がつき物の旅。本当に自分の身を守れなければ足手まといになる。そう思い頷く事ができないのだろう?」
図星を突くロイの発言にエドワードとアルフォンスは頷いた。
「なら、一戦交えてみてはどうだ?まずは鋼のとの対戦。勿論拳通しの、だ。それから鋼のとアルフォンス対の2対1の対戦。いつ対戦がおき、1対1の対戦じゃなくなるかも分からないからな。」
「・・・・・・それで2人に認めてもらえて一緒に旅が出来るのなら、私はロイさんの意見を飲みます。」
「鋼のたちはどうする?」
ロイの説明を聞き、一瞬沈黙するたち。
その沈黙を破り意見に賛成したのはだった。
ロイに聞かれエドワードとアルフォンスもしぶしぶ頷いた。
「じゃぁ、これから軍の練習場を借りて対戦してみようか。」
ロイがそう言い、立ち上がった。
「すぐに・・・用意は出来るか?」
ロイの言葉にエドワードとアルフォンス、そしてが静かに頷いた。
もう、引き返せない・・・ここで2人に勝ち旅に同行しなければ・・・・
ギュッと拳を握り締め、はロイの後ろを追った。














風が吹き、砂が多少ながらも宙に舞う。
そんな中、まずはエドワードとの対戦が始まろうとしていた。
「ちょっと待て!!!!」
そこにエドワードの待ったが入った。
「ま・・・まさかその格好で対戦しようなんて・・・・」
「思ってるわよ。」
問い掛けてきたエドワードにクスリと笑いながら答える
この時は猫を被るのを辞めていた。
本来の自分をさらけ出し、相手に安心をさせた所で旅の途中で殺す。
は既に行動を考えていた。
「ちょっ・・・・」
「大丈夫。中にスパッツ穿いてるわ。」
「そーいう問題じゃっ・・・・」
「スタート!!!」
エドワードの言葉を遮ってロイの“スタート”の合図が聞こえた。
それを待っていたかのように走り出した
その様子を見て、只者じゃないと確信したエドワード、アルフォンス、ロイ。
エドワードはすぐに駆け出したに集中し、様子を伺おうとした。
「攻撃を仕掛けてこないの?負けるわよ?」
「女に負けるつもりはねーよ。」
「・・・そう。」
挑発をしようとした
だが、エドワードはが女だからと手加減しようと考えていたらしい。
ハァッと大きな溜息を付きはスッと立ち止まった。
その様子に意味が分からずエドワードとアルフォンスとロイは首をかしげた。
「だからちゃんと中にスパッツ穿いてるって言ったでしょ?」
そう言うと、は着ていた白いドレスの裾をピラッと捲り上げた。
その様子に真っ赤になるエドワードとロイ。
「遠慮する事ないのに・・・・」
そう言うと、エドワードをジッと見つめた。
「・・・わーったよ。」
そう言うと、エドワードも観念したかちゃんと相手にする気になったらしく、ロイとアルフォンスが見たことのあるエドワードの表情に切り替わっていた。
スッと目を細め、身体を低くし、身構えていた。
「・・・・本気になってくれたようで、嬉しいわ。」
そう言うと、も目を細め、身構えた。
それを確認した瞬間、エドワードはに向かって駆け出していた。
本気を出しているのが分かったロイとアルフォンス。
アルフォンスは女の子相手に本気を・・?と思い「兄さんっ!!」と叫んだ。
しかし、風に声をかき消されアルフォンスの声はエドワードに届かなかった。
ロイに肩をポンと叩かれたアルフォンス。
「大丈夫だ。に攻撃を仕掛けるとしても・・・すん止めするだろう、鋼のなら。」
ロイにそういわれても心配な気持ちは収まるはずは無く、アルフォンスはひたすら2人の戦闘を見守っていた。
エドワードが懸命に拳を突き出す。
しかしは余裕な表情を浮かべたまま軽がるとエドワードの攻撃を避けていた。
「国家錬金術師の力は・・・・そんなもん?」
「んだとっ!?」
の言葉に熱くなり、本気で拳を振り切るエドワード。
その様子を見ていたアルフォンスはあれは本気で戦ってる・・・と一目瞭然だった。
しかしはそんなエドワードの拳を紙一重で避け、いきなりしゃがみ込んだ。
地面に両手を合わせ、エドワードの両足に自身の足を絡み付ける。
そして上半身を捻り、エドワードのバランスを崩し地面に叩きつける。
「ぐあっ!!!」
「そこまでっ!!!」
エドワードの悲鳴(?)が聞こえた瞬間、ロイの声が聞こえた。
「凄いよさん!!!」
アルフォンスがに駆け寄り声をかけた。
「そ、そう?えへへ・・・」
ちょっとテレながらアルフォンスの言葉に返事をし、倒れているエドワードに手を差し伸べる。
「大丈夫?」
「あ・・・あぁ・・・・、強いんだな。」
「それほどじゃないよ。」
エドワードはの手を握り締め、立ち上がると、を褒めた。
しかしはニッコリ微笑みを浮かべた。
「さて・・・次は鋼のとアルフォンス対だったな。」
「まじでやるのか!?」
ロイの言葉に驚きの声を上げるエドワード。
「やら無くてもいいが・・・女の子に負けた・・・という肩書きが残るが?」
「ぐっ・・・」
ロイの言葉に言葉を詰まらせるエドワード。
そんな2人のやり取りを見て笑みを浮かべているとアルフォンス。
「私は構いませんよ。2対1。」
!?」
「自分の力・・・確かめたいし。」
の発言に驚きアルフォンスが声を上げた。
そしては自らの両手を見つめ、グッと握り締めた。
「分かった・・・アル。2対1でやってやろう。」
「にっ兄さん・・・でもっ・・・」
がやってみたいって言ってるんだ。いいんじゃないか?」
少し戸惑いのあったアルフォンス。
エドワードの言葉は確かにそうだと思うのだが、1歩が踏み出せずに居た。
「1対1でもあんなにオレがボロボロだったんだぜ?大丈夫だ。」
自分で言うかなぁ〜と思いながらもアルフォンスは「そだね。」と呟き対戦する事を承知した。
そして今度はエドワードとアルフォンス対の対決が始まる事となった。
「スタート!!」
その声を聞いた瞬間エドワードとアルフォンスが二手に別れ駆け出してきた。
しかしは一行に動こうとしない。
エドワードとアルフォンスはタイミングを少しずらしてに拳を突き出した。
しかしはアルフォンスの頭の上を軽々と飛び越え攻撃を避けた。
そしてアルフォンスの腰の部分に両手で捕まりながら、アルフォンスの股下を潜り抜ける
そのままの勢いでエドワードに足払いをかけようとする。が、そこまで甘くなかった。
エドワードはジャンプしての攻撃を交わした。
が、それを予想していたのか、は身体を捻らせ、上半身を元に戻す反動でアルフォンスを地面にたたきつけた。
「うわぁ!!!」
驚きの声をあげ地面に倒れるアルフォンス。
しかし、エドワードの方は倒れていない。
後ろに飛び退き、相手の出方を見ている
「強いね・・・。」
「だろ?」
そう呟くとエドワードとアルフォンスはまた二手に別れ駆け出してきた。
「・・・また同じパターン?」
そう思い、またさっきと同じくは動く素振りを見せなかった。
そしてタイミングを少しずらした2人の拳の攻撃。
今度は右手を左に、左手を右に交差させは2人の拳を掴んだ。
「「え?」」
その行動に驚き、声を漏らすエドワードとアルフォンス。
その声を聞き、はニッと笑みを浮かべた。
勝利を悟った笑み。
エドワードとアルフォンスの拳を握り締めたまま、身体を下に沈める
そして、片足を軸にエドワードとアルフォンスを足払いする。
バランスを崩し2人して前につんのめった瞬間、掴んでいた拳を更に強く握り締め、勢い良く回転させ地面にたたきつけた。
「ったぁ〜〜〜」
「そこまでっ!!!」
2人同時にダウンしたのを確認し、ロイは声を上げた。
「ひゃぁ・・・強いね、。」
「んふふふふ。伊達に“自分の身は自分で守れる”って言っただけの事はあるでしょ?」
「あぁ・・・確かに強い。」
「じゃぁ、旅するの認めてくれる?」
「・・・約束だしな、しょうがない。」
「やたっ♪」
「今日の夕方。駅で。」
「了解。」
そう言うと、3人の戦いは幕をあけた。


















その日の夕方。
「ロイさん・・・・1日だけの付き合いでしたが・・・楽しかったです。」
「いつでも来ていいからな、。」
「はい。来た時は・・・顔出しますね。」
ニッコリ微笑み、はロイとの別れを終わらせた。
そして駅の中で待つエドワードとアルフォンスの元へと駆け出していた。
そしてエドワードとアルフォンスとが旅立ち、イーストシティで起きていた怪奇殺人も起こらなくなった。
「エドワードさん!!アルフォンスさんっ!!!」
タタタタと駆け足で2人に駆け寄る
そんなを待つエドワードとアルフォンス。
「大佐とのお別れは終わったの?」
「はいっ!!」
アルフォンスの問いかけにニッコリ笑顔で答える
「それとこれから一緒に旅すんだからオレはエドで、アルの事はアルで良いぜ。」
「え?あ・・・はいっ!!!」
「敬語もなし。」
「ふふふ、分かったわ。これから宜しくね、エド、アル。」
エドワードに言われ、ニッコリ笑顔で笑いながら呟き返す
「私の事も呼び捨てでいいからね。」
そう言いながら3人は列車に乗り込んだ。
開いてる席に座り、列車の出向を待つ。
・・・これから長い旅が始まる・・・墓穴を掘らないように・・・気をつけなきゃ、ね。
外を見つめながら心の中で呟く
・・・そう、エドワードを殺す日が来るまでの・・・辛抱よ。
そう心の中で呟きながら空を見つめる
そして列車はゆっくりと出向していった。
行き先は・・・・「賢者の石」の噂の流れているという、ここから一番近い街、ディットシティ。








To be continued................






ひゃぁ〜〜〜「Nation Alchemist Murder 第1話」を読んでいただき、サンクスですっ!!!
マジ感激ですわっ!!!(><)
如何でしたか、第1話。
勿論ロイもエドもアルも主人公がホムンクルスで一連の国家錬金術師殺しの犯人だなんて知りません。
これから旅がどうなるのか・・・・楽しみですねvvv
一体エドとアルはどうなるのか・・・・
の正体はばれてしまうのか・・・・
そしてウロボロス組との接点はっ!?(苦笑)
いやぁ〜〜自分的にエンヴィー好きでしてねぇ・・・ww
ちょっと絡ませちゃいましたww
しかもエンヴィー一方的vvvなんだか羨ましいねぇ〜主人公♪
そうそう・・・主人公がエドと対戦し、エド&アルと対戦したけど・・・・
なぜが勝てたかと言うと・・・勿論強いというのもありますが・・・
エドとアルが手加減していた・・・という事ですね♪
だってエドとアル・・・すっごく弱く感じるじゃないですか、この話だと。
だから一応付け加えで伝えておきます(^^)
と言う事で・・・・この辺で終わりにしておきます♪
第2話をお楽しみにっ!!!!!






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