「・・・まさかっ!!!」
エドワードはエリが倒れたのを確認すると、後ろを振り返った。
「兄さん!!」
「待たせたな、鋼の。」
「───っ大佐!!!」














Nation Alchemist Murder 第三話














「なんて大佐が此処に!?」
「ボクが大佐に連絡を入れたんだよ!!」
「アルが!?」
エドワードの言葉に即座に反応したのはアルフォンスだった。
「うん。でも、すれ違いだったけどね。」
苦笑しながらアルフォンスは答えた。
その言葉にロイもコクコクと頷いた。
「大佐っ・・・あまりを侮るなよ!」
「心配ないだろ。私の焔を喰らって生きていられまい。」
エドワードの言葉を軽く受け流し、ロイは笑いながら呟いた。
「・・・丸焦げにするなんて・・・・酷いわね。」
「!?」
の声が聞こえ、ロイは驚き振り返った。
さっきまで丸こげになっていて、地面に倒れていたのだ。
しかし、振り返った先に居たのはこげてすら居ないだった。
「そんな馬鹿なっ!!!!生きているなんてっ・・・」
「現に目の前で生きているんだから、ありえるわよ。」
クスクス笑いながら、ロイの驚きの声に冷静に反応する。
「し・・・しかし───」
「大佐っ・・・コイツは──コイツはホムンクルスなんだっ!!!」
ロイは困惑しながらを見つめ、呟いていた。
そんなロイにエドワードが核心に迫る言葉を紡いだ。
がホムンクルスなのだと。
「ホムンクルス・・・だと?ラストとかエンヴィーとかいうホムンクルスと一緒と言う事か!?」
ロイの驚きの声に、エドワードもアルフォンスも静かに頷いた。
つまり、は1回きりじゃ死なないという事だった。
「バラしちゃうなんて・・・酷いわねぇ。」
クスクス笑いながら、はロイそしてエドワードとアルフォンスの顔を見つめた。
そんなを見つめ、ゴクンと息を呑む3人。
「しかし・・・まさが君が国家錬金術師殺しの犯人だったとはね・・・まんまと騙されたわけだ。」
話題を変えようとロイはが国家錬金術師殺しの犯人だと呟いた。
ロイの言葉を聞き、はニヤッと笑みを浮かべた。
「いつ・・・分かったのかしら?」
「君たち3人がイーストシティを出発してからだ。」
「へぇ〜結構早く気が付いたのね。」
の質問に率直に答えるロイ。
そのロイの言葉を聞き、は感心の声を漏らす。
「君がイーストシティから居なくなった瞬間なのだよ。国家錬金術師殺しがイーストシティで起きなくなったのは。」
「あらら。これはうっかりしてたかしら?」
ロイの言葉を聞き、それでも遊んでいるようなからかっているような楽しんでいるような声で呟く
そしてスッと目を細め、口元を緩めると───
「2人も揃うとは・・・好都合よ。」
まるで獲物を駆るかのような瞳でエドワードとロイを見つめた。
「そうやすやす私と鋼のが殺されると思うか?」
「威勢のいい方が殺し甲斐があるわ。強気でいる貴方たちの顔が歪むのが楽しみよ・・・」
ロイは発火布をキュッと付け直すと、腕を上に持ち上げ、に向けた。
そして強気な言葉を発するロイ。
は苦笑しながら楽しんでいるかのように言葉を漏らした。
ペロリと舌で唇を舐めると、獲物を駆る瞳でジッと見つめた。
・・・何かの冗談でしょ?」
「冗談?私が冗談でも言うように見える?」
アルフォンスは震える声で、に問い掛けた。
しかしは苦笑しながらアルフォンスの言葉を否定した。
冗談じゃないと・・・
スッと腰に差していたナイフを取り出し、ロイに向かって駆け出した。
「なんでだよ!!!どうして戦わなくちゃならない!!」
エドワードは駆け出すに向かって叫んだ。
しかし、はエドワードの言葉を耳にしなかった。
そのままロイに向かって突っ込んでいった。
パチンッ・・・・
ボンッ!!!!
ロイが指を擦り合わせた瞬間、の近くで焔が燃え上がった。
しかし、それを予想していたのかは即座に焔を避けロイに突っ込んで行った。
持っていたナイフを振り切り、ロイに切りかかる。
しかしロイも軍人だけあって、の攻撃を軽々とかわした。
「ちっ・・・」
舌を鳴らすとはそのままグルリと身体を回転させ、即座にロイにもう1度切りかかった。
「あまい!」
「っ!!!!」
しかしロイの方が1歩早かった。
パチンと指を擦り合わせ焔を錬成した。
「────っ!!!!!!!」
は悲鳴にもならない声をあげた。
今のロイは手加減していない状態だった。
しかし、はホムンクルス。
真っ黒に焦げた身体が徐々に再生され、元通りに戻った。
は・・・何度殺せば死ぬのかな?」
「そう聞かれて答える人は居ないわ。」
ロイはそう呟きながら、パチンと指を擦り合わせた。
しかし、は上手く焔から逃れながら言葉を返した。
「鋼の!見ていないで少しは参戦したらどうだ!!」
ロイはただ佇んでロイとの戦いを見ているだけのエドワードに声をかけた。
しかし、エドワードはアルフォンスに視線を向け、眉間にシワを寄せたまま首を左右に振った。
「無理だ・・・無理だよ!オレには・・・オレにはを殺せない!」
「そんなことを言っていると、逆に私に殺されるわよ?」
エドワードは悲痛な声を上げ、意見を述べた。
その言葉を聞いたロイはハァッと溜息を付きながら焔の錬成を忘れなかった。
はエドワードの言葉を聞き、苦笑しながら返事を返した。
「オレは・・・国家錬金術師殺しをするを止める。殺されないし、殺さない。」
「それが甘いと言ってるのよ!」
エドワードはハッキリとした口調で自分の意見をハッキリと述べた。
しかし、エドワードの言葉を聞いた瞬間、ピタッと足を止め、眉間にシワを寄せエドワードを睨みつけながらは叫んだ。
そしてロイに向かっていた身体を回転させ、エドワードに向かっては駆け出した。
「なっ!!!」
その行動に驚き、ロイは声を上げた。
「兄さん!!!」
「鋼の!!!!」
アルフォンスとロイの声が重なり合った。
しかし、エドワードはの攻撃を避けようとしなかった。
ザシュッ!!!!
の繰り出したナイフがエドワードの左腕を切り裂いた。
そこから真っ赤な血が流れ出た。
「っ・・・!!なっ何で逃げない!?」
「オレは逃げない・・・・を信じてるから。国家錬金術師を殺しているのは・・・何か理由があると・・・信じてるから。」
傷を負った左腕をギュッと掴み、の顔をジッと見つめていた。
は逃げようとしないエドワードに驚き、声を裏返りながらも叫ぶ。
しかし、エドワードから呟かれた言葉は驚きの言葉だった。
「私を・・・信じてるから?」
の鸚鵡返しの言葉にエドワードはコクリと頷いた。
「馬鹿・・・言わないで。私なんて・・・信じても意味なんて・・・ない。」
ドクンと脈を打つ胸。
締め付けられる感情を抑えながらは言葉を続けた。
「私は・・・人殺しよ。死ぬ事のない・・・ホムンクルスよ。」
「それでも、だ。」
「っ!!!!」
は辛そうな声で言葉を続けた。
自分はホムンクルスだと・・・人殺しだと。
しかしエドワードはそんなことを気にしてなかった。
その言葉を聞き、は驚きの表情を浮かべていた。
「〜〜〜〜〜〜っ私はっ・・・・私はエドを殺さなきゃいけないの!!!そんな事言っても・・・私はっ!!!」
そう叫ぶと、何かを吹っ切るかのようには行動に移した。
エドワードに向かって駆け出したのだ。
しかしその時だった。
!僕たちの邪魔をするな!」
「エンヴィー!?」
エドワードとの間に現れたのはエンヴィーだった。
ドスッ!!!!
「ぐっ・・・!!」
エンヴィーの拳がの鳩尾にめり込んだ。
眉間にシワを寄せ、苦しそうな表情を浮かべたは徐々に意識を手放していった。
エンヴィーに体を預ける形になって、は意識を失った。
「「「!?」」」
グッタリとしたに驚き、エドワードとアルフォンスとロイの3人が同時に声を上げた。
「全く。放っておくと、やっぱり僕らの邪魔をするんだから・・・は。」
ハァッと大きく溜息を付きながらエンヴィーは気を失っているを見つめた。
「エンヴィー、てめぇ!!!を放せ!!!」
「ヤダね。」
エドワードはエンヴィーを睨みつけたまま叫んだ。
しかし、エンヴィーはニッコリ笑ったまま「嫌だ」とハッキリと言った。
「どうやら君たちは何も知らないようだね。が何故国家錬金術師を殺してきたのか・・・」
「エンヴィーは知っていると言うのか!?」
エンヴィーの言葉に、すぐに声を上げたのはエドワードだった。
「知ってるよ。知りたいのン?」
エンヴィーはクスクス笑いながらエドワードに問い掛けた。
しかしエンヴィーの言葉に答えたのはエドワードではなかった。
「どういうことか説明したまえ。」
「焔の大佐じきじきに聞きたいなんてねぇ〜いいよ、教えてあげるよ。」
問い掛けてきたロイに驚きの表情を浮かべた
クスクスと笑いながらエンヴィーは言葉を紡いだ。
は、列車脱線事故に会った事があるんだよ。しかも悲惨な事故で・・・生きている人なんて居るとは考えられないほどの、ね。」
そう呟くとエンヴィーは、寄りかかってきているを抱きかかえ、肩に担いだ。
「そしては悲惨な言葉を投げつけられたんだよ。『化け物だ』ってね。それからの復讐が始まったってわけ。」
「なっ!!!」
エンヴィーの簡単な説明。
それを聞いただけではどれだけが傷ついたかなんて想像もつかなかった。
しかし、『化け物』といわれて傷つかない者が居ないはずがなかった。
「と言う事で・・・なんでが国家錬金術師殺しをしているか分かったでしょン?」
「まぁ・・・大体は、な。」
エンヴィーはニッと笑みを浮かべエドワードとアルフォンスとロイを見つめた。
そのエンヴィーの言葉に、ロイは相槌を打った。
「って事で・・・鋼のおチビちゃん。焔の大佐。は僕が頂くよ。」
そう言うとエンヴィーはエドワード達3人に背を向けて歩き出した。
「ちょっ!!待て!!!」
「まだ何かあるのかい?」
を置いていけ!」
「それは出来ない相談だね。」
歩き出すエンヴィーに急いで声をかけるエドワード。
その場に立ち止まり、視線をエドワードに向けるエンヴィーにエドワードはを指差して叫んだ。
しかし、エンヴィーは苦笑しながら軽く答えた。
「軍人として国家錬金術師殺しの犯人を手放すわけにも行かない。それに・・・私自身としても、を君に渡すつもりはないのだが?」
ロイもエドワードと同じ気持ちだったらしく、軍人という肩書きがなかったとしても──と言葉を続けていた。
アルフォンスもコクコク頷いていた。
「野蛮な事はしたくないんだよねぇ〜僕。」
そう言うと、エンヴィーは3人に背中を向けてさっさと歩き始めた。
「待て、てめぇ!!!」
叫ぶエドワードの声を気にせず、エンヴィーはエドワード達3人の前から姿を消した。
を担いだまま────


















「う・・・・ん・・・・・・」
声を漏らし、ゆっくりと瞳を開ける
「目が覚めたかい?」
「〜〜っ!?エンヴィー!!!」
声が聞こえ、眉間にシワを寄せながら意識を覚醒させる。
そして自分に掛けられた声の主が誰なのか確認すると、は声を荒げた。
「なんであんたがっ!?というか・・・どうして私がここに???」
「それはね・・・」
頭上にクエスチョンマークを点々と浮かばせながら悩むに、エンヴィーは苦笑した。
そして状況を説明しようとエンヴィーは言葉を続けようとした。
が。
ガシッ!!!!
「エンヴィー!!あんた何やらかしたの!?どうして私の邪魔をするの!?エドとロイは何処にいるの!?」
エンヴィーの肩をガシッと掴むと、は頭に浮かんだ疑問を全部吐き出しながら、エンヴィーの身体を前後に大きく揺すった。
グルグルと回転する世界に酔いながらエンヴィーはパクパクと口を開け閉めしていた。
何かを言いたいようだ。
「ちょっ・・・・・・待っ・・・」
「いいから何か言いなさい!!黙ってちゃ分からないわよ!!」
冷静沈着、冷徹なが物凄く取り乱しながらエンヴィーに怒鳴りつける。
しかし、の前後に揺する行為が止まらない限りエンヴィーは何も言う事が出来ない。
「・・・・あら?ちょ・・・エンヴィー?」
何の反応もしなくなったエンヴィーが心配になり、前後に揺する行為をストップさせる。
すると、大きく息を吸い、一気に息を吐き出すエンヴィー。
「ちょっと待ってよ。そんな許されたら僕も話せないってば。」
「あ、ごめっ。」
エンヴィーに言われてハッと我に返る
パッとエンヴィーの肩を掴んでいた手を外し、チョコンとエンヴィーの前に座り込むと上目遣いでエンヴィーを見つめた。
その視線は「早く話せ」とエンヴィーに訴えていた。
「鋼のおチビちゃんと焔の大佐を殺されちゃ困るからね。ちょっと眠っててもらってたんだよ。ついでにお持ち帰り、ってこと。」
「眠っててって・・・お持ち帰り!?」
エンヴィーの話の中に出てきた言葉2つにはすぐに反応し叫んだ。
1つが眠っててもらって、という言葉。
もう1つがお持ち帰り、という言葉だった。
「そう、お持ち帰り。」
の顔をニッコリ笑顔で見つめて、語尾にハートが着くような口調で呟いた。
「・・・・帰る。」
「帰られちゃ困るんだよねぇ〜」
立ち上がり、帰ろうと歩き出す
そんなの前に立ちはだかり、呟くエンヴィー。
「どうして?私はもう仲間じゃないのよ?」
「まぁ、仲間じゃないけどね。」
「だったら帰ってもいいでしょ?」
は何故止めるのかと、エンヴィーに問い掛けた。
エンヴィーはクスクス笑いながら、に返事を返しはハァッと大きく溜息を付いた。
エンヴィーの事を気にせずに歩き出す
エンヴィーは隣を通り過ぎようとするの腕をガシッと掴んだ。
「此処で約束してくれるならねン。鋼のおチビちゃんと焔の大佐に手を出さないって。」
「それは出来ない。」
エンヴィーはの腕を引っ張り、めいいっぱいに顔を近づけ、言った。
しかし、はジッとエンヴィーを睨みつけたままガンとして譲ろうとしなかった。
しかし、エンヴィーはそれを分かっていた。
クスリと笑い、を見つめる。
はハァッと溜息を付くとブンッと腕を振るい、エンヴィーの腕を振りほどいた。
「残念だけど・・・私は国家錬金術師殺しを辞めるわけには行かないのよ。」
キッとエンヴィーを睨みつけ、歩き出した。
しかし、さっきまでが帰るのを止めようとしていたエンヴィーは一行に動こうとしなかった。
「それは困るわねぇ。」
「!?」
いきなり横から掛かった声に驚き、顔を向ける
暗闇の中から現れた1人の女性。
黒いドレスに身を包み、ゆっくりとした足取りでに近づいた。
「・・っ、ラスト。」
「久し振りね・・・。」
ザッと後ろに後ずさりをしながらも、はラストを睨みつけていた。
ラストから繰り出される鋭い爪、それを気にしながら。
「えぇ、久し振りね。もっとも私は会いたくなかったけど。」
「つれないわね、相変わらず。それはまぁ、良いとして・・・お願いだから私達の計画を潰さないでもらえない?」
壁に寄りかかりながら腕を組み、に話し掛けるラスト。
しかし、は言葉を発さずに首を左右に振った。
ってば、さっきから邪魔するなって言ってるんだけど、なかなか頷いてくれなくてさー。」
の様子を見て、ハァッと溜息を付きながら今までの経過を告げるエンヴィー。
を見つめ、大きく溜息を付くとカツカツとの方に向かってゆっくりと歩み始めた。
ゴクンと息を呑み、ラストの出方を伺う
そんな2人の様子を面白げに見つめるエンヴィー。
シュンッ!!!
「っ!!」
ラストが右腕をかすかに動かした瞬間、右手の爪先がニュッとに向かって伸びた。
ジッと出方を見ていたは紙一重でラストの攻撃をよける事が出来た。
「相変わらず動きが早いわね。」
「ラストこそ・・・不意打ちが上手いわね・・・」
ジッと相手を睨みつけたまま、一定の距離を開けているとラスト。
「こんな所で争っても意味ないんじゃないのーラストのおばはん。」
2人のやり取りを面白げに見つめていたエンヴィーは口を開いた。
その言葉は、相手に反感を買うような言葉だった。
「おばっ・・・」
「ぷっ・・・・」
エンヴィーの言葉に反応したのは、当たり前のごとくラストとだった。
ラストはエンヴィーの言葉にムッとした表情を浮かべる。
は抑える事が出来ず、噴出し笑ってしまった。
「さてと・・・私は帰らせてもらうわ。」
笑いが止まった事を確認し、はスッと歩き出した。
「待てよ!!まだ帰っていいとは・・・」
「誰かに了解貰ってから帰るつもりはないわ。私は私自身の思うがままに行動する。」
そう言うと、はガラガラと窓を開け、そこから外へと飛び出した。
その行動に一瞬驚き行動に出るのが遅れたラストとエンヴィー。
は口元に笑みを浮かべ、連れて来られていた場所から走り去っていった。
「どうするんだよ、ラストのおばはん!」
「・・・逃げられちゃしょうがないわ。エンヴィー、監視の方頼むわよ。」
エンヴィーの言葉を気にする素振りも見せず、ラストは溜息を付きながらエンヴィーに指示を出した。
チッと舌打ちをするとエンヴィーは急いでの後を追った。
気配を消し、に気付かれないように───



















「鋼の。一体どういう事なのだね?」
「何が?」
との戦いが一段落し、ロイは座り込んでいるエドワードに問い掛けた。
しかし、エドワードは物凄く不機嫌そうにロイに問い返した。
「何がじゃない。の事だ。君たちは知っていたのか?」
「知りませんでしたよ。列車ジャックにあったときに・・・判明したんです。それですぐにボクが大佐に連絡を入れて・・・今に至ります。」
「そうか・・・」
ロイの問いかけに、答える様子の見せないエドワードにアルフォンスは気付いた。
ハァッと溜息を付くと、エドワードの変わりにアルフォンスが軽く説明をした。
が・・・ホムンクルスだという事は・・・本当なのか?」
「───たぶん。」
続いてのロイの『がホムンクルスなのか』という質問には率直にエドワードが答えた。
「つーか、大佐の焔浴びて生き返ったんだ。見てただろ、大佐。」
「まぁ、な。」
「あれを見たら・・・不死身だと考えるだろ。となると、ホムンクルスだという話が本当だと信じてもいいと思う。」
エドワードはロイの錬成した焔を喰らい、黒焦げになりながらも再生したの事を思い出した。
まるで錬成反応のような光を帯び、バチバチと負傷した部分が再生されていく瞬間を。
それを見ていたロイも、エドワードに言われ確かにと考えた。
「と言う事は、私と鋼のは今後に命を狙われるという事か・・・」
「・・・だな。」
「・・・ですね。」
ロイはハッキリとした口調で結果を述べた。
その結果に誰も反論することなく、エドワードもアルフォンスも肯定する言葉を述べた。
「で、大佐はこの後イーストシティに戻るんだろ?」
嬉々とした表情で問い掛けてくるエドワード。
どうやら早くロイと離れて旅を開催したいようだ。
そんなエドワードに気付いたアルフォンスは、ハァッと溜息を付き、ロイを見つめた。
「戻ろうと思っていたが・・・」
「が?」
ロイの途中で止まった言葉が気になり、エドワードは急かすようにロイに問い掛けた。
そのエドワードの言葉を聞き、ニヤリとロイは口元に笑みを浮かべた。
その表情を見て、エドワードは嫌な予感を覚えた。
「暫く君たちと行動を共にしようと思う。ホークアイ中尉には後ほど連絡も入れよう。国家錬金術師殺しの犯人が分かったのだ。野放しにしておくわけにはいかないだろう。」
「───とか言って、本当は仕事サボりたいだけなんじゃねーの?」
ロイはそれなりの言葉を並べ、エドワードとアルフォンスを納得させようとした。
が、それほど甘い相手ではなかった。
エドワードはもしかしたら・・・と思い、ロイの本心を暴こうと問い掛けた。
すると、グッと言葉につまり、ロイの顔色が悪くなった。
つまり───図星、という事だった。
「でも、兄さん。大佐がいて困る事はないと思うよ。」
「まぁ・・・それもそーだな。」
アルフォンスとエドワードの言葉を聞き、何とか旅についていけると思ったロイは安堵の溜息を付いていた。
が、そこまでエドワードとアルフォンスは甘くなかった。
「つーことで、大佐。一緒に旅する間は食事代とか宿泊代とか宜しくなー!」
ニヤリと笑みを浮かべ、エドワードはバシバシとロイの背中を叩いた。
「なっ何故私がっ!?」
「だって大佐くらいの地位だと給料結構貰ってるんだろ?別にいいじゃねーか。」
「しっ・・・しかしだな・・・」
「アル。ホークアイ中尉に連絡するか。」
エドワードの言葉に反論するロイにニッコリ笑顔を向けエドワードはペラペラと言葉を続けた。
しかし、給料結構貰っている・・・と言ってもと言いたげなロイの言葉を遮り、ロイの弱点を突くエドワード。
いきなりエドワードに振られた話題に「え?」とアルフォンスが声を漏らすが、それはスルーする。
「まっ待ちたまえ・・・・宿泊代だけは・・・自分で払ってもらえないか?食事代は私が出すから。」
「・・・・分かったよ。って事で、契約成立。」
ロイは急いでエドワードの腕を掴み、あのロイ・マスタング大佐とは思えない慌てようでエドワードに返事をした。
一瞬不満そうな表情を浮かべたエドワードだったが、フゥッと溜息を付くと、エドワードはロイの出した案を飲み込んだ。
そして今此処にロイ、エドワード、アルフォンスの3人での旅が成立したのだった。

















「あ、大佐戻ってきたよ兄さん。」
「お、ホントだ。」
カランカランと酒屋の扉を鳴らしながら店の中に入ってきたロイ。
逸早く気が付いたのはアルフォンスだった。
「大佐ーどうだった?」
「あぁ、OK貰ったよ。」
エドワードの問いかけにロイはニッコリ微笑み、電話での出来を報告した。
「ふーん。」
ちょっと意外だったのか、エドワードはそっけない返事を返した。
「で、大佐。ちょっと物は相談なんだけど────」
そう言うと、エドワードはチョイチョイと手招きをしてテーブルの中央に集まるようにロイとアルフォンスに指示を出した。
ロイとアルフォンスは顔を見合わせてすぐにテーブルの中央に身を乗り出した。
「行き着く町とかで派手な行動すればの耳に入ると思うんだよ、オレ達の居場所。」
「まぁ・・・そうだろうな。」
「それでどうするつもりなの?」
エドワードの話を聞き、当たり前だと呆れながら呟くロイ。
その傍ら、エドワードがどうしたいのか気になり、話に乗っかるアルフォンス。
「そうすればオレ達の前にが現れる。したらとも早く話を付けられるし、捕まえるなら早く捕まえられるだろ?」
「なるほどな・・・」
「なるほどね・・・」
エドワードはに自分たちを見つけてもらう、と言う事を前提に考え意見を述べた。
長期戦だとロイにも支障が出る、その事を考え行き着く町町で派手な行動を・・・とエドワードは考えた。
そのエドワード意見を聞き、ロイとアルフォンスは同時に声を漏らした。
「じゃぁ、早速明日から派手な行動するつもり?兄さん。」
「当たり前!」
アルフォンスの当たり前の問いかけに、エドワードはニッと笑みを浮かべて力強く頷いた。
その次の日、エドワード達3人が取る行動は・・・・想像が付くだろう。















「兄さん!そろそろ行動開始の時間だよ!」
同室で一緒に止まっていたアルフォンスにたたき起こされ、ゆっくりとベッドから起き上がるエドワード。
「あぁ・・・・そうだな。大佐は?」
「たぶんまだ部屋だと・・・」
「そうか・・・」
起き上がり普段着に着替えながらエドワードはロイの所在をアルフォンスに問い掛ける。
アルフォンスはロイはまだ部屋に居ると考えた。
一晩中起きていたが、ロイが部屋から出た様子はなかった。
アルフォンスの想像は正解だった。
「鋼のー・・・起きたか?」
後頭部を掻きながらロイがエドワード達の宿泊部屋に顔を出した。
顔を出したロイの表情からまだ起きたばかりだとエドワードにもアルフォンスにも一目瞭然で分かった。
なんせ、ロイの表情は寝ぼけているようだったからだ。
「大佐ー!!目ぇ覚ませ!!!」
そう叫ぶとエドワードはボーっとエドワード達を見つめるロイの頬を強く引っぱたいた。
「っ・・・なっ何をする、鋼の!」
「大佐が寝ぼけてるのがいけない!」
そう言うとエドワードはイスに掛けていた赤いトレードマークのコートを羽織った。
「そろそろオレ達は昨日言った行動取るぜ?大佐はどーすんだ?」
「・・・・私も行こう。」
エドワードの問いかけにロイは一瞬考えた素振りをし、すぐに部屋に戻りコートを取ってくると呟いた。
エドワード達3人はすぐに宿から外に赴き、派手な行動を取ろうとした。
「派手な行動・・・・一体どんな事をするつもりなのだね?」
ロイの問いかけにエドワードはニィッと笑みを浮かべた。
そしてアルフォンスと一緒に駆け出していた。
「容量は、スカーを誘い出した時と一緒だ!」
エドワードはアルフォンスにそう声を掛けると、近くの困ってる様子の女性に声をかけた。










To be continued..................












うー・・・ちょっと変なストーリーになった気が・・・・w
一応ヒロイン、エンヴィーとラストともまた絡ませました♪
そんでもって、エドとアルとロイ・・・・一緒に旅をっ!!!
うーん・・・私の趣味に突っ走ってるなぁ〜(苦笑)
さて・・・・単行本で発売・・・じゃない!!
ガンガンネタに入ってる(汗)
一応・・・・スカーを誘い出す否、釣るためにエドとアルが行った行動。
それを今回ちょっと使っちゃいます♪♪♪
いやぁ〜〜どーなっちゃうのかな〜(苦笑)
なんとなーく・・・・次回予告〜〜〜♪♪

「次回予告

───『最近イロイロな町で“鋼の錬金術師”と“焔の錬金術師”の噂・・・聞くわね。』

『これを直せばいいんですね?お安い御用です。』

『何では国家錬金術師を殺さなきゃならないんだ!?』

『国家錬金術師殺しと言う事で・・・・君を連行する。』

『私は人間になりたいだけだった───』

『待てよ!を連れて行かせたりしない!!』────

Nation Alchemist Murder 第4話をお楽しみに!」

とまぁ・・・こんな感じです(^^)
次回を楽しみにしていただけたら嬉しいです☆☆
と言う事で・・・・次回にぃ〜続くぅ〜〜!!!






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