SILVER BREEZE ALCHEMIST 第一話














「私は・・・・軍の為じゃなく、人間兵器としてじゃなく、自分のために資格を取る───」
「いいだろう。その目・・・前にも見た事がある目だ。何か目標を達する為の目・・・」
「私の他にこんな目をした者が・・・?」
「まあ、そんな事はどうでもいいだろう。」
少女と黒髪の軍人はイスに座り、長々と話をしていた。
少女は、可愛らしい顔立ちをしており、パッチリとした目が印象的で人目を引きつけた。
黒い長い髪をポニーテールにし、三つ編みにしていた。
胸元の開いた白いTシャツに黒いベルトに、ジーパン。
茶色のショートブーツを履き、腰に白いウエストポーチをつけていた。
両手には錬成陣のマークの入った手袋を着け、首元には何かの紋様が描かれていた。
軍人の最後の言葉を聞き、少女はコクリと頷いた。
少女の名前は、
。大総統より汝に二つ名を授ける。」
その言葉を聞き、ゴクリとは息を呑んだ。
いろいろな試験を受け、やっと受かる事の出来た国家資格。
その二つ名とは───
「汝の二つ名は───『銀風』」














「ウィーンリィ!!」
「あ、!!!戻ってきたんだ。」
「うん、久し振り。」
ウィンリィの家の方へ駆け寄りながら、名前を叫ぶ
その声に気付き、ベランダから顔を出す。
ウィンリィの家に立ち寄るのは何年ぶりだろうか。
「エドとアルは?」
「うーん・・・なかなか帰ってこないからねぇ・・・」
「やっぱり・・・・」
の問い掛けに、ポリポリと頬をかきながら呟くウィンリィを見て、予想的中という表情をする。
は昔、捨て子でウィンリィの叔母のピナコに拾われ、ウィンリィと姉妹のように育てられた。
その為、エドワードとアルフォンスの父親が居なくなった事、母親が亡くなった事、人体錬成を犯しエドワードは右腕と左足を、アルフォンスは全身を持っていかれた事を知っている。
独学で錬金術を学び、エドワードとアルフォンスと同等の位置にまで上り詰めたはエドワードより少し遅い13歳という年齢で国家錬金術師の試験を受け、見事受かった。
そして、その時授けられた二つ名は今や『鋼の錬金術師』と同じくらい有名な名となっていた。
もここに戻ってくるの久し振りよね。」
「そーだね。」
ウィンリィの言葉を聞き、苦笑する
自分には帰る家がある。
自分にはまっている人が居る。
それはエドワードもアルフォンスも一緒。
だけど、背負っている罪が違いすぎる。
。立ち話もあれだし・・・中入りなよ。」
「あ、うん。」
の家でもあるんだからさ。」
ウィンリィはベランダから身を乗り出し、に家に入るように言った。
その言葉を聞き、一瞬ためらいながらも頷く
そんな様子を見抜き、ウィンリィは苦笑しながら呟いた。
──の家でもあるんだから──
その言葉を聞き、は心の中で『ウィンリィ・・・ありがとう。』と小さく呟いた。















「はぁ〜〜〜やっぱり故郷はいいわねぇ〜〜」
うーんと伸びをしながら呟く
家の中に入ってしまえば、昔の感覚が戻ってくる。
今や、さっきまでためらっていた様子もなくなっていた。
「ねぇ、。」
「うぃ?」
「久し振りに一緒にお風呂に入らない?」
「あ、いいねぇ〜!!入ろ入ろっ♪」
ウィンリィの声に反応し、仰け反ったまま顔を後ろに向ける。
その素振りがエドワードとダブって見えたウィンリィは一瞬苦笑し、本題に入った。
一緒にお風呂に入ろうというウィンリィの申し出に喜んで答えた
ニッコリ微笑み、ウィンリィの手を引っ張り、風呂場へと足を向ける。
「ちょっ・・・そんなに急がなくてもっ!!」
「だーって、長旅で疲れたんだもん!」
「一体どんな旅してるのよ!!!」
引っ張るに声をかけるウィンリィ。
しかし、疲れているから早くお風呂に入りたいと述べる
その言葉を聞き、ウィンリィはエドワードにも投げかけた言葉を、に投げかけた。
「それを言うなら、エドとアルだってそうだよ、ウィンリィ。」
ニッコリ微笑んでいたの表情がスッと薄くなり、少女の顔から女の顔へと変わっていた。
その豹変振りに、ウィンリィは一瞬息を呑んでいた。
「それよりっ!お風呂っ!」
「あー!!はいはいはいっ!!」
そして、パッと少女の表情に戻ったはグイグイとウィンリィの服を引っ張った。
その様子を見て、苦笑しながら分かった分かったと呟くウィンリィ。


















「ふわぁ〜〜いい湯だったぁ〜」
「あんたは親父か。」
「あははは。ナイス突っ込みだよ、ウィンリィ。」
「ったくもぉ〜・・・」
頭にタオルを乗っけたまま、呟くにウィンリィは鋭くツッコミを入れた。
その突っ込みが良かったのか、は笑いながらグッと親指を立てた。
その様子を見て、溜息を付くウィンリィ。
「それより、昔から気になってたんだけど・・・その首元の紋様・・・」
「あー・・・これね。」
ウィンリィの問い掛けにハッとし、は自らの首元を見つめた。
そこには見たこともない紋様が描かれていた。
「これ、昔からあったんだよ。気付いた時からあったから気にしなかったけど・・・」
「そっか・・・一体何なんだろうね。」
「うーーん・・・実は私は人間じゃなかったとか。」
ウィンリィの問い掛けに、きちんと答える
首をかしげ、昔の事を思い出す。
しかし、思い出せる範囲内では既にこの紋様はの首元に描かれていた。
そして、悩み悩み・・・は笑いながら変な事を言い出した。
「・・・あほかぁーーーーーーー!!!」
その言葉に即座に反応しなかったウィンリィだったが、すぐにハッとし、大きな声でツッコミを入れる。
「しかし・・・・・・・成長したねぇ・・・羨ましい。」
「何言ってんの。ウィンリィだってすっごい成長してるじゃん。」
じぃっとを見つめ、呟くウィンリィ。
そんなウィンリィに対して、苦笑を浮かべながら呟き返す
「だって、あたしより胸大きいじゃん!」
「あはっはっ!!」
「あーーー!!笑ったなぁ!!」
の言葉に反応し、ウィンリィは自らの胸との胸を見比べて叫んだ。
その言葉を聞き、は噴出し笑い出した。
「ウィンリィーーー!!上客が来たよー!」
その時、風呂上りのウィンリィを呼ぶピナコの声が聞こえてきた。
ウィンリィの叔母、そして、身寄りのないの育ての親だ。
「上客?」
「あいつ〜〜〜〜〜〜!!」
誰の事だか分からないは首をかしげ、ピナコの声のした方を見つめる。
しかし、ウィンリィは誰の事だか分かっているらしく、スパナを握り締め怒りの声を上げた。
「ウィ・・・ウィンリィ・・・お、落ち着いて・・・・」
怒るウィンリィをなだめようと、は声をかけた。
しかし、の声が聞こえていないようだった。
ぎぃぃっとドアが開き、ドアの向こうに立っているのはとウィンリィの見知った人物だった。
「エドーーーーー!!!!」
ごいぃぃぃいーーーーーーーんっ!!!
「ごふっ!!!!!」
即座にウィンリィは持っていたスパナをエドワードに投げかけた。
ドアの向こうに立っていたのは右腕の機械鎧をなくしたエドワードとボロボロになったアルフォンスの姿だった。
「エ・・・エド?大丈夫?」
は心配そうにエドワードに近づき、声をかける。
「お・・・おぅ。って、じゃねーかっ!!!!!!」
痛そうにスパナの当たった部分を摩りながら起き上がるエドワード。
そして、声の主、に気がつき声を上げた。
「兄さん、気がつくの遅いよ・・・」
「エド、アル。久し振り。」
ニッコリ微笑み、エドワードとアルフォンスに挨拶をする
「おかえり、エド、アル。」
ふぅっと大きな溜息を付き、それでも笑顔で言うウィンリィ。
「ああ・・・」
「それより・・・・・・」
ウィンリィの言葉にポリポリと頭を掻きながら短く答えるエドワード。
エドワードの言葉を聞き、一息つくと、ウィンリィは怖い声でエドワードに向き直った。
その声を聞き、エドワードはビクッと体全身を揺らした。
「どうしたのよ、その右腕っ!!あたしが丹精込めて作った最高級機械鎧をっ!!!」
「わりぃ・・・粉々のバラバラに壊れた。至急直して欲しいんだ・・・」
「どうやったら最高級機械鎧を粉々のバラバラに壊せるのよぉ〜〜〜!!!」
ビシッとエドワードの右腕を指差し叫ぶウィンリィ。
こうなっては止める事も出来ないと分かっているは静かにその話の行方を見つめていた。
「あ〜〜〜〜もう・・・・こりゃ完璧徹夜だわぁ・・・・」
「悪ぃな・・・本当に。1週間くらい掛かりそうか?」
「ふんっ・・・あたしを見くびらないでよね。3日で十分よっ!!」



















「さーてと・・・私はまだ時間あるし・・・ちょっと錬金術の練習?でもしようかな。」
そう呟くと、は日の沈んだウィンリィ家の前で呟いていた。
「何してんだ?もう、暗いぜ?」
「エド!?」
「何、驚いてんだよ。」
錬金術の練習をしようと構えていたの後ろから声をかけてきたエドワード。
エドワードは既に暗いから危ないと心配し、の元へやってきたようだ。
「誰でも驚くわよっ!!後ろからいきなり声かけられればっ!!!」
「まぁ、それもそうだな。で・・・何してるんだ?」
エドワードの問い掛けに声を張り上げ答える
その答えに納得し、スッと顔を上げを見つめ、もう1度問い掛けるエドワード。
「何って・・・錬金術の練習みたいなものをしようかと・・・」
「だったら、オレの機械鎧が直ったらにしろ。」
「はへ?」
そう言うとエドワードはの腕を掴み、家の中へと入ろうとした。
「「!!」」
何かの気配に気がつき、エドワードとは同時に左右に飛びのいた。
さっきまで2人が立っていた場所には黒い何かが突き刺さっていた。
「国家錬金術資格まで取りおって・・・お前の命は俺のものなのだぞ。勝手にされては俺が困る。」
声はウィンリィ家からはるか離れた場所から聞こえた。
「私の命はあんたのもの?・・・・あんた誰よ。」
キリッと相手を睨みつけ、は問い掛けた。
相手がどんな相手か分からないため、動くにも動けないエドワードと
「人に名を聞くときは自ら先に名乗るのが常識だぞ?」
「・・・・。銀風の錬金術師よ。」
「!!??」
声のトーンからして男だろうと判断したエドワードと
そして、男の言葉に一瞬戸惑いながらも答える
そのの発言を聞き、驚いたのは男ではなくエドワードだった。
・・・が、銀風の錬金術師?」
「・・・そっか。エドは知らなかったんだよね。」
「そっちの男は何者だ?」
驚き呟くエドワードに対し、冷静な口調で呟く
そんな2人を見つめたまま、男はに問い掛けた。
「俺はエドワード・エルリック!鋼の錬金術師だっ!!!」
「ふむ・・・お前があの鋼の錬金術師か。」
「私の質問に答えてはくれないの!?」
エドワードの言葉に感嘆の声を漏らす男。
その男にセリアは大きな声で怒鳴りつけた。
その言葉を聞き、男は苦笑した。
「まだ気がつかないのか?」
スッと目を細め、男はゆっくりととエドワードに近づきながら呟いた。
その言葉の意味が分からず、顔を見合わせるとエドワード。
「私が聞いているのは、あんたの名前よ!!!・・・・〜〜〜っ!?」
そう言い、キッと男を睨みつける
だが、その表情は瞬時に驚きの表情へと変わった。
?」
その事に気がついたエドワードは、男から一瞬目を逸らし、に問い掛ける。
「その・・・・も、紋様は──・・・・何であんたがっ!?」
「やっと気がついたようだな。そうだ、俺とお前、は同じ紋様を持っている。は首元。俺は額に。」
「〜〜〜〜〜〜〜っ!!!あんた・・・・・一体何者?一体誰なのよ!?どうして私と同じ紋様を持っているの!?」
驚きの表情のまま、男を見つめる
そんなを見ながら苦笑を浮かべる男は、自らの額にあると同じ紋様を指差した。
「そんなに知りたければ教えてやろう。俺の正体、そして俺との関係を・・・そしてその、紋様の意味を・・・」
クックックと笑いながら男は呟いた。
その時、強い風が吹いた。
男の来ているマントをなびかせ、の髪を、エドワードの髪とコートをなびかせた。
「俺の名は───」










To be continued...............










と言う事で、またまた始めました、鋼の錬金術師ドリー夢小説!!!
今度もエドとアルの友達という設定です。
しかも国家錬金術師ですw
なんだか以前書いてたドリー夢に似ている気がするのは私だけ?w
あははっはあははw;;;;
私の考えるキャラクターや話は似たようなものばかりだもんねwwww
ごめんなさい・・・・似ないように頑張ります(><)
さて、凄い中途半端で終わった『SILVER BREEZE ALCHEMIST 第1話』
相手の名前が明らかにされますねぇ〜〜〜クフフフフ
一体どんな結果がまっているのでしょうかーvvvホホホホホ
てか、ネタバレしちゃうと・・・第1話、第2話でボス出場させてどーすんねんっ!!!みたいなwww
ちょっと早めにいろいろと暴露させようと思って出場させたんだけどねww
意味深な発言してたでしょ?
なので、第2話をお楽しみにしてて下さいねvvv
さて・・・たぶん第1話、第2話辺りでボス出場させて、その後はそのボスからの刺客との戦いになるか・・・な?
キメラとかも・・・出る・・・かな?(汗)
ごめんなさいっ!!!
全然決まっていないもので(汗)
そういうことで・・・・・・・・・以上ですっ!!!!!!!!






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