「いいだろう。お前に・・・に俺の正体、俺との関係、この紋様の意味を教えてやろう。」
そう呟く男の言葉を聞き、とエドワードはゴクリと息を呑んだ。
「この紋様の意味は───『2つに分かれた魂が1つになる時、最大の力を手に入れることが出来る。』という言い伝えがある。その言い伝えに記されている紋様が、これだ。」
「「───っ!?」」
男の言葉を聞き、エドワードとは驚きの表情を浮かべ、男を見つめた。
SILVER BREEZE ALCHEMIST 第二話
「どういう・・・・事?『2つに分かれた魂が1つになる時』って・・・一体何っ!?」
「が、その事を知る必要はない。」
は男の言葉を聞き、震える声で呟いた。
そして、男の発したある言葉に反応し、問い掛けた。
しかし、フッと笑われ、の言葉は軽くあしらわれた。
「俺の名は、ゼフィア・。。お前の実の兄だ。」
「「!?」」
男の言葉を・・・ゼフィアの言葉を聞き、とエドワードは驚いた。
死んだはずの家族・・・その中の自分の兄が生きていた。
「・・・後ろに下がってろ・・・」
「エド・・・」
「おいってめぇ!!!一体何を狙ってやがるっ!?」
パッと手を前に出し、の前に立ちはだかるエドワード。
その姿を見て、小さな声でエドワードの名を呼ぶ。
エドワードはゼフィアを睨みつけながら、怒鳴りつけた。
その言葉を聞き、ゼフィアは───
「俺の目的が知りたいのか?」
「当たり前だろっ!?今さら、死んでいたと思っていた実の兄が現れたんだ・・・何かあるはずだろ!?」
ゼフィアの言葉を聞き、エドワードはさっきより加速した怒鳴り声で叫んだ。
そんなエドワードを静かに後ろから見ていることしかには出来なかった。
「俺の目的は、の命を頂く事だ。」
「「!!??」」
いきなり言われた言葉に、エドワードもも声を失う。
何を言ってるんだ、こいつは・・・といった表情でエドワードはゼフィアを見つめた。
「・・・『2つに分かれた魂が1つになる時』・・・もしかして、私とゼフィアの命が1つになった時に何かが起こるって事?」
は掠れる声で、ゼフィアを見つめながら呟いた。
「くっくっく・・・良く分かったな。お前を殺し、俺はを喰う。そうする事で、俺は最大の力を手に入れることが出来る。」
「そんなのっ・・・・言い伝えに決まってるじゃない!!!!!私は殺されないっ!!!絶対に・・・絶対に殺されたりしない!!あんたは・・・ゼフィアは・・・私の兄なんかじゃないっ!!!」
はゼフィアの言葉を聞き、ギロっと睨みつけ、心のそこから、腹のそこから叫んだ。
それは悲痛の叫びにも聞こえた。
「の意志などどうでもいい。が死ねばいい事なのだからな・・・・」
「っ・・・・」
ゼフィアの言葉を聞き、悲しそうな表情を浮かべる。
「まさか・・・母さんや父さんを殺したのも・・・」
「そうだ、俺だ。」
「〜〜〜〜〜っ!!!貴様っ!!!!」
「っ!!!」
ハッと自分の両親の事を思い出した。
は一か八かの問いかけをゼフィアにした。
の考えは的中していた・・・・
怒り、ゼフィアに攻撃を仕掛けようとしたにエドワードは急いで声をかけ、ストップさせた。
ピュルゥゥ〜〜〜〜〜
輪を作った指を口につけ、音を出すゼフィア。
その瞬間、ゼフィアの目の前に2人の男女が現れた。
「俺が墓土から錬金術で作り出した者だ。名前は・・・・ハイラ・とゲルマ・だ。」
「「!?」」
ゼフィアの前に立つ男女を指差し、紹介していくゼフィア。
墓土から錬成して作り出した者の名前を聞き、とエドワードは悲痛の表情を浮かべた。
「私の・・・・・
両親・・・・・・」」
「の・・・
エドワードとの声は重なり合った。
その瞬間、はガクンと膝をついた。
「この2人が私のシモベだ。」
「そ・・・そん、な・・・・」
「なろぉ〜〜〜〜」
2人を・・・ハイラとゲルマを指差しゼフィアは苦笑しながら呟いた。
その言葉を聞き、は震える声で呟き、エドワードはそれに気がつき、怒り、駆け出そうとした。
が、にコートの裾を掴まれ、その場から動けなくなるエドワード。
「くくく・・・今日は挨拶をしに来ただけだ・・・・、俺とが1つになる時を楽しみにしているよ・・・」
そう言うと、ゼフィアとハイラとゲルマは、消えるように土の中へ消えていった・・・・・
コンコンコン・・・・・・
ゼフィア達が去ってから、数時間が経った。
は自室にこもり、ベッドに横たわっていた。
その時、扉をノックする音がした。
「・・・・・・誰?」
「俺だ。」
「エド?」
「ああ。」
「・・・・入っていいよ。」
扉の向こうに居る人物が誰だか分からず、問い掛ける。
その言葉に答えるエドワードの声を聞き、は誰だか特定した。
ドアに鍵はかけていない為、はエドワードに『入っていい』とベッドに横たわったまま呟いた。
ギィィィーーーー
音を立てて扉が開き、エドワードがの部屋の中へ入ってきた。
パタンと扉を閉め、ベッドに横たわるにエドワードは近づいた。
「大丈夫か?」
「平気よ・・・平気。私は弱くなんかないから。」
「泣きたい時は・・・泣けよ。」
「っ!?」
心配し、問い掛けてきた言葉には静かに答えた。
まるで自分に言い聞かせるかのような言葉で。
その言葉を聞き、エドワードは静かに優しく呟いた。
はエドワードから、その言葉が出るとは思わず、はっとした顔をし枕から顔を上げた。
「エ、ド・・・・」
「本当は辛いんだろ?」
「・・・エドォ〜〜〜〜」
止まっていた否、止めていた涙が、一気にあふれ出してきた。
エドワードの服をギュッと掴み、胸に顔を埋めて泣き叫ぶ。
その泣き叫ぶ声は、エドワードだけでなく、ウィンリィにも、アルフォンスにも、ピナコにも聞こえていた。
「私・・・ゼフィアを止める・・・・もう、ゼフィアは・・・人間じゃなくなってる・・・」
「ああ・・・土に消えるなんて・・・人間じゃ出来ねぇもんな・・・・」
の言葉を聞き、エドワードは静かに呟き返した。
そんな言葉を聞き、コクリとは頷いた。
「オレとアルも手伝う。」
「え?」
「オレとアルも・・・についていく。一緒にゼフィアを止めてやる。一人で背負い込むな。」
その言葉を聞き、は嬉しそうな笑顔を浮かべ、その瞳から涙をボロボロと零した。
「明日の朝・・・・皆に今日の事を話す・・・ゼフィアのことも・・・・全て・・・・」
「・・・ああ。」
「迷惑・・・・かけちゃってゴメンネ。」
そう言ったの言葉にエドワードは何も言わずに首を横に振った。
『そんなことない。』そう言っているように、には見えた。
「・・・ありがと・・・エド・・・・」
そう言うと、泣き疲れたのかは重い瞼をゆっくりと閉じていった。
エドワードの服を掴んでいた手が緩み、ベッドに落ちる。
すると、既には夢の世界へと入っていた。
「大変だったな・・・。これから・・・頑張ろうぜ。力になるから・・・絶対に。」
そう言い残すと、エドワードはに布団をかけ部屋から出て行った。
「・・・・エ、ド・・・むにゃむにゃ・・・・」
エドワードの夢を見ているらしく、短く名前を呼び、寝言を呟く。
そんな姿を見て、微笑み、エドワードは静かに扉を閉めた。
覚えていない・・・
だって私は赤ん坊だったから・・・
私の両親が死んだ・・・
それはピナコばっちゃんに聞いて知っていた・・・
両親の名前も・・・知っていた。
でも、信じられない・・・・・土となり、ゼフィアの手下となっているなんて・・・
私に兄が居たなんて・・・本当なのだろうか・・・
私に兄を・・・両親を倒せるのだろうか・・・
そして、この胸にある紋様。
ゼフィアの額にも・・・同じ紋様が描かれていた・・・
これが兄妹の印となるのだろうか・・・
私は・・・生きていけるのだろうか・・・
・・・こんな弱音を言っていられない。
だって、エドに言ってしまったのだから・・・
ゼフィアを・・・両親を倒すと・・・・宣言してしまったのだから・・・
例え本当に肉親だったとしても・・・私は倒す。
土に消えていく人間なんていない・・・・
居たとしたら、それは人間じゃない。
だから私は・・・・倒してみせる。
両親が死んだ理由、私の首元にある紋様、それを調べる為に取った国家資格。
でも、こんな形で真実を知る事になるとは思わなかった。
私は・・・という名において・・・・『銀風』という二つ名において・・・
絶対にゼフィアを止め、倒してみせる。
「ん・・・・・・・」
長い長い夢を見て、目を覚ました。
目を開くと、天井が見え、かけていなかったはずの布団の存在に気がつく。
エドが・・・掛けてくれたんだ。
は布団をギュッと握り締め、内心呟いた。
「私が国家資格を取った理由は3つ・・・1つは両親の死んだ理由。もう1つは私の首元にある紋様の正体を資格を持つ者にだけ見せてもらえる論文で調べるため。最後の1つは、賢者の石を探しているエドとアルを手伝う為・・・」
そう呟き、もう一度自分に渇を入れる。
「私は弱くなんかない。私は強い・・・弱音なんて言ってられない!」
そう叫ぶと、グッと拳を握り締め自らの手を見つめた。
そして、ベッドから足を下ろし、立ち上がる。
いつも来ている服装に着替え、両手に手袋を着ける。
そして、一度ベッドの方に視線を移し三つ編みにしたポニーテールの長い髪をなびかせて部屋を後にした。
パタン・・・・
ココに帰ってこれるかは分からない・・・・でも、帰ってこれるなら・・・エドとアルと・・・幸せの姿で帰って来たい。
ドアを閉め、そのドアに寄りかかりながらは心の中で呟いた。
スッと目を閉じ、決意の言葉を心に投げかける。
そして、決意の眼差しを前に向けリビングへと足を向けた。
「あ、ウィンリィ。おはよう。」
「、おはよー。今日、大切な話があるんだって?」
「え?どうしてそれを?」
大きなあくびをしながら既に起きていたウィンリィに挨拶をする。
そんなに気が付き元気に挨拶を返してくれたウィンリィ。
「エドがね・・・教えてくれたの。」
「・・・・そっか。あ、エドの腕ってどうなった?」
の問い掛けに、ウィンリィは目を細め答えた。
それを聞き納得する。
そして思い出したかのように、はエドワードの腕の事を話題に出した。
「エドの腕なら今朝着けたよ。今頃外でアルと手合わせしてるんじゃないかな?」
の問い掛けに笑いながら答えるウィンリィ。
「ったく。折角特製の機械鎧を作ったのに・・・あんな事してるんじゃ傷が絶えないじゃない。」
笑っていた表情をプゥッと膨らませ、文句を述べるウィンリィ。
そんなウィンリィの姿を見て、はクスッと笑った。
「私もエド達の所に行ってくるね。」
「うん、分かった。」
そう言うと、はウィンリィに笑顔を送りエドワードが居るであろうウィンリィ家の前に駆け出して行った。
バタンっ・・・・
ドアを思いっきり開け、そして閉めた。
その音に気が付きエドワードとアルフォンスがドアの方に視線を移す。
「なんだ、かー・・・」
「誰だと思ったの?」
「「ウィンリィ。」」
ドアの前に佇む姿を見て、安堵の声を上げるエドワード。
その言葉を聞き、は笑いながら問い掛ける。
すると2人そろって同時に同じ名前を呼んだ。
「ぷっ・・・・あははははっ・・・・相当エドとアルに怖がられてるんだね、ウィンリィは。」
クスクスと笑いながら呟く。
笑いが止まらないのか、お腹を押さえ、その場にうずくまる。
「で、。何か用か?」
「あ、そうそう。私も手合わせの仲間に入れてー。」
エドワードに問い掛けられ、ポムっと手を打つと、ニッコリ微笑み用事を告げる。
「・・・・へ?」
の言葉を聞き、声を漏らしたのはエドワードではなくアルフォンスだった。
「だーかーらー・・・私もエドとアルと一緒に手合わせしたいの!」
「いや・・・・女でしょ?」
「そうだよ。」
キョトンとしているアルフォンスに、は腰に手を当てて、頬を膨らませながら呟く。
それを聞き、アルフォンスはごもっともである言葉を口にする。
だか、には普通の問い掛けにしか聞こえなかったらしく、普通に答えた。
「・・・・男女差別は嫌だよ。」
「あーーもう、しょうがねぇな。アル、も仲間に入れてやれ。」
「で、でも兄さん・・・・」
「エド、ナイスっ!!!やっさしいねぇ〜〜〜」
寂しそうな表情で呟くを見て、エドワードは腹をくくった。
自分たちが手加減してやれば良いのだから・・・と。
しぶしぶアルフォンスも納得し、手合わせを開始しようとした。
「手加減無用だよ。行くよっ!!!」
そう叫ぶと、はスッと姿勢を戦闘態勢に変えた。
その様子を見てエドワードとアルフォンスは関心の目を向けた。
そして同時にと同様の戦闘態勢にした。
「はっ!!!」
声を上げると、は足を蹴り上げた。
ばしっ!!!
アルフォンスはそのの足を腕で支え、もう片方の腕での足を挟んだ。
そして、そのままグルリとまわそうとした───
「へっ!?」
しかし、驚きの声を上げたのはアルフォンスの方だった。
「なっ何っ!?」
傍から見ていたエドワードも驚きの声を上げた。
あのアルフォンスを軽々と返したのだ。
スッと体制を低くし、足払いをし、そのまま腕を振るいアルフォンスを地面に叩き付ける。
「だから言ったでしょ?手加減無用だって。」
トントンと交互に足を地面につけながら呟く。
エドワードとアルフォンスは顔を見合わせて前後からに迫っていった。
の実力を今見たため、手加減していたら勝負にならない。そう思ったのだ。
「前後からの攻撃ねぇ・・・ありきたりぃ。」
そう言うと、スッといきなりエドワードとアルフォンスの視界から消えた。
だが、エドワードとアルフォンスはが体制を低くした事にすぐに気が付き、視線を下に向けていた。
ビュオンッ!!!!
「なっ!?」
「どわぁっ!?」
足を広げ、両手で地面に浮いていた。
その様子を見たときは『何やってんだ・・・』と思い攻撃を仕掛けようとしていたエドワードとアルフォンスだった。
しかし、その後の行動に2人は驚き、またまんまとにやられてしまったのだ。
両手を地面につけたまま、身体をうえに浮かせ足を上に向ける。
そして、地面につけた両手を動かし宙に浮いた足を動かす。
それと同時にエドワードとアルフォンスの体にの足がぶつかり吹き飛ばされる。
「ほらほら。手加減は駄目だって〜」
「く・・・くそぉ・・・・」
「つ、強いよ・・・兄さん。」
フゥッと息を吐きながら、は余裕な声を漏らす。
その様子を見て、エドワードは悔しそうに声を漏らす。
アルフォンスもの実力に驚き、小さく呟いた。
「アルっ!!行くぞっ!!」
「うんっ!!」
そう叫ぶと、エドワードとアルフォンスは同じ方向からに迫って行った。
ジッとエドワードとアルフォンスを見つめるはスッと体制を低くし、2人が来るのを待ち構えていた。
エドワードが滑り込みながらの足元に向かってくる。
一方アルフォンスは体制を変えずにに突っ込んでくる。
・・・何をするつもりだ?
はそう思いながらも隙を作らないよう二人を見つめていた。
エドワードがしたからの足をなぎ払おうとスライディングをしてきた。
それに気が付いたはジャンプし、エドワードのスライディングから逃れた。
その瞬間だった。
の足を掴むアルフォンスの姿に、は気が付いた。
「しっしまったぁ〜〜〜〜!!!」
そのままアルフォンスはの事を地面にたたきつけた。
ズ・・・ン・・・・
地面には荒い息をしたままうつ伏せに倒れこんでいるの姿があった。
「や・・・ったぞ・・・・」
エドワードは言葉を切りながらアルフォンスに呟きかけた。
「うんっ!!に勝った!!」
アルフォンスは両手を胸の前で握り締め、嬉しそうに呟いた。
「・・・・初めてだわ・・・・エドとアルに負けたの・・・」
「オレだって、に勝ったの初めてだぜ。」
「ボクもボクもっ!!いっつもと喧嘩しても勝てないんだもん・・・男として悔しかったよ。」
地面に倒れこんだまま呟くに笑いながらエドワードは語りかけた。
そのエドワードの言葉を聞き、アルフォンスは嬉しそうに語り始めた。
「まぁ、そうよね。女に負けるなんて・・・男として恥ずかしいわよね。」
クスクスと笑いながら呟く。
「これだけ強ければ・・・・旅するにあたって、凄く頼りになるわ・・・2人とも、頼りにしてるわよ。」
エドワードとアルフォンスはと一緒にゼフィアを倒す為に一緒に旅をする事となっていた。
は2人の強さを読み、ウインクしながら頼りにしてると告げる。
その言葉を聞き、エドワードとアルフォンスは嬉しそうな笑みを浮かべた。
「じゃ・・・・ゼフィアの事・・・話に行こうか。」
この時、アルフォンスには事前にエドワードから説明されていた、ゼフィアの事を。
そして、とゼフィアの関係、の首元にある紋様の事について・・・・
昨日知った事を全てエドワードはアルフォンスに教えていた。
それをエドワードから聞いていたは、あとはウィンリィとピナコばっちゃんだけか・・・と内心呟いていた。
「で、話とは一体何なんだい?」
ピナコがいきなり口を開いた。
その問い掛けに、ドキンと胸を振るわせた。
「実・・・は、ね・・・・・」
そう言うとは下を向いたまま黙り込んでしまった。
横に座っていたアルフォンスがの肩に手を置いた。
「頑張って。ちゃんと伝えなきゃいけないことなんだから・・・」
「・・・・うん。」
アルフォンスの言葉を聞き、勇気が出たのか真っ直ぐピナコとウィンリィを見つめた。
エドワードもアルフォンスもきちんと納得してくれている。
だったら、ピナコもウィンリィも納得してくれるだろう。
そう思い、は2人を見つめた。
決意の眼差しで・・・
「昨日の夜・・・家の前で兄さんに・・・ゼフィアに会った。」
「!?」
その言葉を聞き、ピナコは驚きの表情をした。
「ゼ・・・ゼフィアに本当に会ったのかい?」
「うん・・・ゼフィアだった・・・ゼフィアだったけど・・・人間じゃない。」
「どういうこと?」
ピナコは驚きの表情のまま、に問い掛けた。
その問い掛けには素直に答えた。
ゼフィアだったが、人間ではなかったと。
その言葉に反応したのはピナコではなくウィンリィだった。
「土・・・で出来ている感じだった。」
「「土?」」
の言葉にピナコとウィンリィは同時に問い掛けた。
「うん・・・私の前から消え去る時・・・泥のように・・・溶けるように消えていったの。」
「なるほど・・・・」
「それから・・・・ゼフィアの手下として、墓土から錬金術で私の母さんと父さんが作り出されていた。」
「「!?」」
泥のように消え去ったというの言葉を聞き、ピナコは納得した。
ウィンリィは眉間にシワを寄せてを見つめていた。
そして、一番信じたくない事実をはピナコとウィンリィに話した。
自らの両親が墓土から錬金術で兄であるゼフィアの手下として作り出されているという事を・・・
悲しそうな瞳で語るを見てウィンリィは一瞬目を逸らした。
「ウィンリィ・・・お願い目を逸らさないで。・・・これから私の決意の言葉を話すから・・・」
「決意の・・・言葉?」
「うん・・・私、ゼフィアを追って倒してくる。ゼフィアは私の命を狙ってるの・・・だから、ゼフィアを倒さないと平穏な毎日はやってこない。だから・・・私はゼフィアを倒しに旅に出る。」
「オレもと一緒に旅に出るよ、ばっちゃん。」
「ボクも。こんな話を聞いたら・・・放って置けなくって・・・・」
目を逸らしたウィンリィに気付いたは静かに言葉を続けた。
──決意の言葉──
その言葉を耳にし、ウィンリィは鸚鵡返しをした。
はウィンリィとピナコの瞳を交互に見つめながら、決意した事を話した。
の言葉に続いてエドワードとアルフォンスも話した。
「絶対に返ってくるから・・・無事な姿で・・・」
はウィンリィとピナコを見て呟いた。
「絶対だよっ!!あたし・・・ずっと待ってるから・・・3人が帰ってくるのを・・・ココで待ってるから・・・」
「うん・・・まってて。絶対に帰って来るから・・・だから、ここで待ってて、ウィンリィ。」
の言葉を聞き、ウィンリィは叫んだ。
涙を流しながら、に戻ってきてと悲痛の叫びをした。
3人で帰ってきてと、に言い放った。
それを聞き、は微笑み、ウィンリィに待っててと言った。
「死んだはずの母さんと父さんを無事に土に還して、ゼフィアを倒す。そしたら・・・・戻ってくるから・・・」
そう言うとは立ち上がった。
イスから腰を上げ、イスをテーブルの方に動かす。
そして、イスの近くに置いてあった荷物を手に持った。
「・・・・行ってきます。」
「いってらっしゃい・・・・気をつけてね・・・・」
の言葉を聞いて、ウィンリィは見送りの言葉を送った。
「うん・・・・気をつけるよ。」
ニッコリ微笑み、安心させるかのようにピナコとウィンリィに笑顔を送る。
そして、とエドワードとアルフォンスはゼフィアの居場所を求めて旅に出ることになった。
「っ!!!!」
その時、後ろからピナコの叫び声が聞こえた。
「の両親が殺されたのは・・・クールディーファという町だよ。今は滅びて壊れた家しか立っていない。もしかしたらゼフィアはそこに居るかもしれない!」
「〜〜〜〜〜ピナコばっちゃん・・・・ありがとうっ!!」
ピナコの言葉を聞き、嬉しそうな表情を浮かべお礼を述べる。
クールディーファという町までどれだけ掛かるか分からない。
まだ、場所も分からない・・・
「いろいろな町で話を聞きながら先に進むしかねーな。」
「そうだね・・・滅びている町じゃ・・・地図にも載っていないだろうから。」
「うん・・・長い道のりになるかもだけど・・・頑張ろう。」
エドワードとアルフォンスとはお互いに見つめあい、そして決意した。
絶対にゼフィアをとめてみせると。
そして、滅び去ってしまったクールディーファという町を見つけ出してみせると。
To be continued..............
ふへぇ〜〜〜疲れた。
いやぁ〜〜出てきちゃったよ、のお兄さん。
しかも死んだはずの母さんと父さんは墓土を使って錬金術で作り出されちゃってるし・・・しかも手したとして。
最悪だねぇ・・・のお兄さんゼフィアは。
ま、そういう設定にしたの、私だけど・・・w
さて、一応明かされたとゼフィアの関係。
そしてとゼフィアに刻まれた紋様の正体。
さー・・・話はどんな風に進んでいくのでしょうかww(←楽しんでます、この人w)
と言う事で・・・・・この辺で以上っ♪
次回をお楽しみにっ!!!!
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