「元気そうで安心しましたよ、大佐。」
「そういう銀風のも元気そうではないか。」
もロイもニコニコと笑みを浮かべて話し始めた。
そんな2人を見て、エドワードもアルフォンスもきょとんとした表情をしていた。
この2人の仲のよさを昔から知っていたリザは、静かに2人を見つめていた。
「それより、大佐。前にも言いましたよね?二つ名で呼ばなくて良いですって。」
「それを言うなら、銀風のも同じではないかね?」
はフゥッと溜息を付きながらロイに言い放った。
ロイはロイでフッと笑みを浮かべると、こそ同じだと言い放った。
「それじゃあ、改めて・・・・お久し振り、ロイ大佐。」
「それでいい。では、私も改めて・・・・、久し振りだな。」
SILVER BREEZE ALCHEMIST 第四話
「・・・大佐と仲いいの?」
アルフォンスは先ほどのロイとの会話を聞き、ボソリと問い掛けてきた。
「どうかしたのかね、アルフォンス君?」
「まぁ・・・結構長い間ここでロイ大佐にお世話になってたし・・・仲はいい方かな?」
「そうなんだ・・・・あ、何でもないですよ、大佐。」
ロイの言葉に気付きながらも答えず、はクスクスと笑いながら、アルフォンスの問い掛けに即座に答えた。
アルフォンスは短く納得をした言葉を呟くと、スッと視線をロイに移した。
ロイをジッと見つめたままアルフォンスは、パタパタと両手を胸の前で左右に振りながら呟いた。
「・・・気にくわねぇ・・・・」
そんなやり取りを見ていて、エドワードは小さく誰にも聞こえないくらいの声で呟いていた。
どうやらエドワードはとロイが仲がいい事が気にくわないらしい。
「あ、それで、ロイ大佐に聞きたい事があるんだけど・・・・いい?」
「ん?何だね?のような可愛い子に問い掛けられるなら、何でも答えよう。」
「変わらないね・・・ロイ大佐。って、それはどうでも良くてっ!!!!」
はポリポリと頬を書きながらロイに問い掛ける。
即座に反応したロイは首をかしげた。
そして、いつもと同じような口説き言葉発した。
はその口説き言葉に反応し、溜息を付く。
が、すぐに我に返り、頭を思いっきりグシャグシャと掻いた。
「実は、今ゼフィアという人物を追っているんだけど・・・そいつがクールディーファという滅び去った町に今居るかもしれないって情報を得たんだけど・・・」
「大佐・・・何か知らないか?」
はジッとロイの瞳を見つめ、事情を説明し始めた。
自らの兄だったものの名前を挙げ、滅び去った町の名前を挙げた。
その直後、の代わりにエドワードがロイに核心を付く問いかけをした。
「ふむ・・・滅び去った町、か。それにゼフィアという人物・・・か。少し調べてみよう。」
「本当っ!?ロイ大佐!!」
「ああ、本当だ。そうだ、明日の朝、1人でココにまた来てはもらえないか?」
、エドワード、アルフォンスの懸命な頼みに答えてくれたロイ。
それに喜び声を上げる。
すると、ロイはニッコリ微笑みに一つ問い掛けた。
「私1人で・・・・ココに?」
「そうだ。鋼の達は図書館等で書物や文献、古い機関紙を調べるといい。」
「何だよ、1人で大佐の所行かすのかよ。」
は言葉を途切らせながら問い掛けた。
その言葉にロイは静かに頷き答えた。
そして、エドワードとアルフォンスには図書館等で・・・と指示を出した。
その言葉に、不服そうに文句をたれる。
「何か文句があるのかね、鋼の?」
「・・・・何でもねーよ。」
「ふむ。なら、今日は帰って休むといい。」
「そうさせてもらいます、大佐。」
エドワードの言葉に気がついたロイは、笑いながら問い掛けた。
一瞬言おうかと思い、口を開いたが、すぐに視線を逸ら言わなかった。
ロイはクスクスと笑いながら、3人に指示を出す。
アルフォンスはその指示に即座に答え、ロイに対して一礼した。
「それじゃ、明日の朝に。」
「ああ、待っているよ、。」
「はいはい。」
そう言うと、はロイにヒラヒラと手を振りながら、ロイの部屋から出て行った。
パタンっ・・・・・
「ふぇ〜〜〜〜疲れたぁ〜〜〜〜」
東方司令部を出て、すぐに宿を探した達。
すぐに宿は見つかり、部屋も2つ取る事が出来た。
そして、すぐには部屋に入りベッドに倒れこんだ。
の部屋は503号室、エドワードとアルフォンスの部屋は509号室で、少し離れていた。
5階という高い宿で、見晴らしも良かった。
が、それに見入ることなく、はベッドへと直行した。
「あー・・・まぢで疲れた・・・お風呂で体休めようかな・・・」
そう呟くと、クローゼットの中に置かれていたバスローブを手に持ち風呂に向かっていった。
下着は、洗ってすぐに風で乾かせばいいし・・・・
そう内心呟いた。
パタン・・・・・
左手を右手に添えて、右手を口元に持ってくる。
フゥッと息を吹くとその瞬間、の目の前に置かれていた下着に風が当たり乾き始めた。
「よっし。これでOK。後はバスローブを着てっと・・・」
乾いた下着を身に着け、持ってきておいたバスローブに腕を通す。
そして、さっきまで来ていた服を風呂場で洗い、風呂場に干しておいた。
「明日の朝に風で乾かせば平気よね・・・」
そう呟くと、バスローブのままはソファーの方に駆け寄った。
ベッドに横になってしまえば眠くなってしまう為、はベッドではなくソファーへと向かった。
「あー・・・明日は一体何が待ってるんだろ〜〜」
そう呟き、ボーっと窓の外へと視線を移した。
既に外は暗く、星と月が光り輝いていた。
「うひゃぁ〜〜〜キレェ〜〜〜」
その風景を見て、は驚きの声を上げた。
スクッと立ち上がると、窓辺に駆け寄った。
窓辺に手を乗せると、身を乗り出して外を見つめた。
5階という高い宿から眺める風景はとてもきれいだった。
町の家の明かりがキレイに輝いていた。
コンコンコン。
外を眺めるの部屋に、静かなノックの音が聞こえた。
「誰?エド?アル?」
「そ、エドだよ。」
「入って良いよ〜」
そう言うと、扉の方から窓の外に視線を移した。
がちゃ・・・・パタン。
扉が開き、閉まる音がした。
「エド、何か用なの?」
そう呟き、振り返ると───
「!?たっ・・・むぐっ!!!」
「静カニ・・・シロ・・・」
振り返った先に居た人物がエドワードではなかった事に気がつき、エドワードとアルフォンスに助けを求める叫び声をあげようとした瞬間、の口がふさがれた。
の目の前に居るのは、墓土で錬成された実の父親であるゲルマ・だった。
土で出来た人形である為か、やはり口調が怪しい部分がある。
「ん〜〜〜〜!!むぅ〜〜〜!!!」
ゲルマによって片手で口を塞がれ、もう片方の手で両手を上でふさがれた。
ゲルマの力は強く、どうする事も出来なかった。
ガリッ・・・・
「クッ・・・」
は口でゲルマの手に噛み付いた。
土で錬成されていても、一応はチャントした人間の姿をしている。
そして、痛みも感じるらしく、噛み付かれたゲルマは声を上げた。
その瞬間、の口を抑えていた手が離れた。
「助けて、エドォォーーーーーーーー!!!」
その一瞬を利用して、はエドワードに助けの声を上げた。
「静カニシロト言ウノガ、分カラナイノカッ!?」
の叫び声に反応し、ゲルマはもう一度の口に手を押し付けた。
「んぐっ!!!」
早くっ・・・・早く来てっ・・・・エドっ・・・・
ゲルマを睨みつけて、心の中で助けを求める言葉を呟く。
そして、『どうして私の父さんが・・・・こんな事に・・・・』そう内心思っていた。
ドンドンドンッ!!!
「っ!?居るのかっ!?」
その時、すぐに駆けつけてきたエドワードの声がドアの向こうから聞こえてきた。
「っ!?大丈夫っ!?」
アルフォンスも一緒に居るらしく、エドワードに続いて声を上げた。
「んむぅぅう〜〜〜!!!」
は懸命に出来る限り大きな声を張り上げた。
「居るみたいだっ!アル、行くぞ!!」
「分かってるよ、兄さん!」
そう言うと、エドワードとアルフォンスが扉を開けて、中に入ってきた。
「「っ!?」」
入ってきた2人は、いきなり目に飛び込んできた光景に驚きの声を上げた。
口に手を押し付けられ、声を出す事が出来なくされ、両手を上で掴まれ動く事の出来ない状態になっていた。
そんなを見て、エドワードはゲルマをにらみつけた。
「てめぇ・・・・」
「オ前ガ、エドワード・エルリック・・・カ?」
「このやろぉ〜〜!!」
ゲルマの問いかけを無視して、エドワードはゲルマに殴りかかった。
ゲルマの右頬を捕らえ、左のほうへ吹き飛ばされた。
「はぁはぁ・・・・父さん・・・・どうし・・・て。」
「・・・これはのお父さんの姿をしているけど、のお父さんじゃないんだよ。」
口を塞いでいた手がなくなり、息を一気に吸い込む。
そして、何故という気持ちをゆっくりと述べた。
すると、近寄ってきたアルフォンスがの肩に手を乗せてしんみりと語った。
アルフォンスの言うとおりで、姿かたちはの父親なのだが・・・実際はの父親ではない。
「殴ッタナ・・・・俺ノ事ヲ・・・殴ッタナ?」
床に座り込んだゲルマは静かに呟いた。
「父さんなんかじゃない・・・・そうよ・・・・姿形はそうでも・・・父さんはもう死んでるんだから・・・母さんと父さんは死んでるんだから・・・」
そう呟くと、ギッとはゲルマの事をにらみつけた。
そしてゆっくりと立ち上がった。
右手を左手の甲に添え、左指を擦り合わせた。
その瞬間、鋭い氷が錬成され、ゲルマに向かって降り注いだ。
ザシュッ!!!!
「グアッ・・・・」
の攻撃を浴び、声を上げ仰け反るゲルマ。
「もう、騙されない。あんたは父さんなんかじゃない!」
「ウグゥゥウウウゥゥゥ・・・・・・・・」
はゲルマを睨みつけたまま、力強く叫んだ。
その言葉を聞き、ゲルマは唸り声を上げた。
ネチャ・・・・グチャ・・・・・
ゲルマの唸り声と同時に、ゲルマは地面の中へと溶けていった。
初めて会ったときと同じように、消え行くように・・・
「・・・・消え・・・・た・・・」
「何とか・・・消えたみたいだな。」
ゲルマの消えた所をジッと見つめ、呆然と呟く。
エドワードはスッと消え去ったのを確認し、安堵の溜息を呟いた。
「し・・・死ぬかと・・・思った・・・」
は床にペタリと座り込み、バスローブから素足が出ていることに気付かずに居た。
「ったく。もう少し気をつけろ。」
「だって・・・エドだって言って入ってきたんだもん。信用しちゃうじゃない!」
ムッとした顔をして、はエドワードをにらみつけた。
その言葉を聞き、エドワードは嬉しかったのか、口の辺りを右手で抑え、顔を赤くしていた。
「どうしたの、エド?」
「なっ何でもねーよっ!!」
顔が赤い事に気が付いたはエドワードに問い掛けた。
しかし、エドワードはプイッと顔を背き、怒鳴り散らした。
その姿が可愛くて、はクスクスと笑っていた。
「っ!!、っ!!!」
「ん?」
慌てて叫ぶアルフォンスの声に気がつき、首を傾げる。
アルフォンスは無言で、そして視線を逸らしながら指を差した。
その指が差している場所とは、の足だった。
座り込んだ時に、バスローブが乱れたらしく、素足の両足があらわになっていたのだ。
「のわぁぁ〜〜〜〜!!!見たっ!?見たのね、2人ともっ!!!」
急いで隠す。
エドワードとアルフォンスを交互に見つめながら叫ぶ。
「みっ見てねぇよ!!!」
「ボッボクだって!!」
の問い掛けに、エドワードとアルフォンスは慌てて答えた。
しかし、その答えはドモっていた。
「エドォォ〜〜〜〜!!アルゥゥ〜〜〜〜!!」
「「見てないーーーーー!!」」
怒るの声に反応しエドワードとアルフォンスは、同時に声を上げた。
アルフォンスは床に座り込み、頭を抱える。
エドワードはに背を向けた。
フワッ・・・・
「えっ!?」
「へっ!?どうしたの、兄さんっ!?」
いきなり素っ頓狂な声を出したエドワードに気がつき、アルフォンスが顔を上げる。
アルフォンスの視線の先には、エドワードに抱きつくの姿があった。
「エド・・・助けに来てくれてありがとね・・・」
そう言うと、はズルズルと床に倒れていった。
「っ!?」
倒れるを床にぶつかる直前に支えたエドワード。
「兄さんっ・・・はっ!?」
「・・・・寝てるだけだ・・・」
「・・・・え?」
を抱えるエドワードに駆け寄り、アルフォンスは問い掛けた。
エドワードは一瞬黙り込み、アルフォンスの目をジッと見つめて呟いた。
その言葉に驚き、問い返してしまったアルフォンス。
「・・・疲れてたんだな・・・ベッドに寝かせよう。アル、手伝ってくれ・・・」
そう言うと、エドワードとアルフォンスはをベッドへと運び寝かせた──・・・
『・・・・・殺ス・・・・』
──あなたは・・・誰なの?──
『ゲルマ・・・・オ前ノ・・・チチオヤ・・・』
──えっ!?オ・・・父さん?・・・・違う、あなたはお父さんじゃないっ!!──
『オ父サン、ダョ・・・、ノ・・・オ父サン・・・ダョ・・・』
──違うっ!!違う違う違うっ!!!私の父さんは、昔に・・・・昔に死んだのよっ!!!──
『ソウダョ・・・俺は・・・既ニ、昔ニ死ンデイル・・・・デモ、オ前ノ・・・父サンダ・・・・』
──違うって言ったら違うのよ!!!あなたは土で出来た人形なのよ!!!──
『・・・・助けて・・・・・俺を・・・・殺せ・・・・でないと・・・・お前の事を・・・・』
──えっ!?父さんっ!?戻ってくれたの!?正気に・・・正気に戻って・・・・──
『・・・時間が、ない・・・・俺の意志を、表し続ける事は・・・・無理、だ。だから・・・早く・・・俺を・・・殺せ・・・』
──父さんっ!!父さんっ!?──
『・・・・・・殺ス・・・コレ、メイレイ』
──命令?あなた・・・誰?誰に命令されたの?──
『ゼフィア・・・様・・・私・・・ハイラ・・・・貴方ノ・・・母、親。』
──ゼフィアが命令したのっ!?私を殺せって・・・・それに・・・貴方が私の母さんだなんて・・・──
『私ハ、土カラ・・・生マレタ・・・・ゼフィア様、ノ力デ・・・ダカラメイレイハ絶対・・・』
──私は死なない・・・殺されない!絶対に。それに・・・あなたは私の母さんじゃない!──
『死ナナイト言ッテモ・・・・我々ニ殺サレ、ル・・・・私ハ、ノ・・・母親ョ・・・』
──絶対に死んでたまるもんですかっ!!!それに、母さんは昔に死んだの!!あなたは土の人形っ!!父さんと同様母さんじゃない!!──
『・・・・・・・・・・・・・・・』
──・・・・・?──
『?助け・・・て・・・・私と父さんを・・・解放し、て。』
──え?──
『私と父さんを・・・そして、あの人を・・・貴方の兄のゼフィアを・・・殺し、て。』
──殺・・・す・・・?──
『そう・・・殺す、のよ。既に私たちも・・・ゼフィア、も・・・人じゃない。既に死んで、る。だから・・・土に戻、して・・・』
──母さん・・・父さんもゼフィアも・・・それを望んでいる?──
『当た、り前・・・でしょ?』
──分か、った・・・倒すよ・・・ゼフィアを・・・土に返す・・・よ、皆を・・・・──
『『ありが・・・・と・・・・ウ・・・・』』
──母さん?父さん?──
『『モウ、中ニ・・・・戻ッタ・・・・』』
──父さんと母さんの土人形っ!?──
『『オ前ハ・・・死ヌ、ンダ・・・・』』
──い・・・・・いやぁぁぁぁーーーーーーーーー!!!!──
「いやぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
の大きな声が部屋中に響き渡った。
「・・・・夢・・・・・?」
は自分の両手を見つめて呟いた。
その両手は震えていた。
「・・・・あれが父さんと母さんの願い・・・・・絶対に・・・叶えるから・・・・」
そう言うと、天井を見上げ、立ち上がった。
「やばっ!!早く服乾かして着替えなきゃっ!!」
そう叫ぶと、風呂場へと駆け出していた。
左手を右手の甲に添えて、右手を口元に持ってくる。
服の前にたどり着くと、はフゥッと軽く息を吹きかけた。
すると、優しい風が服に向かって拭いた。
風が止み、触ってみると、服はきれいに乾いていた。
それを確認すると、はバスローブから普段服に着替えた。
「さて・・・ロイ大佐の所に向かうかな・・・・・」
そう言うと、はゆっくりと扉の方へ駆け寄った。
そのとき、ふと目に留まったものがあった。
ベッドの傍とソファー。
「・・エド!?アル!?」
そう叫ぶと2人ははっとした顔をして、声のした方、の立っているほうに視線を向けた。
「大丈夫かっ!?」
「・・・なんとか。夢見は悪かったけど・・・・」
そう言うと、は無理に笑顔を向けた。
「無理に笑う必要なんてないよ、。」
「〜〜〜〜〜〜っアル。」
「何があったんだ?」
無理に笑っていたにやさしく声をかけるアルフォンス。
その言葉が嬉しくて、鼻の頭が熱くなる。
そして、エドワードも問い掛けてきた。
核心を突く問いかけだった。
「・・・・夢見たの・・・・父さんと母さんの・・・」
「え?」
は静かに話し始めた。
その言葉にアルフォンスは声を上げた。
だが、それを気にせずには話を進めた。
「夢の中で、カタコトで話す父さんと母さんが現れた。あの、土人形の両親。でも・・・その後、本当の父さんと母さんが現れて・・・私達を、ゼフィアを殺してくれって・・・土に返してくれって・・・」
そう言うと、瞳から我慢して止めていた涙がこぼれ出てきた。
「私は初めから3人を土に返すために旅に出た・・・でも、心のどこかでは・・・ためらってた。それが今日分かったわ・・・」
「・・・・」
の言葉を聞き、エドワードは静かにの名前を呼ぶ。
しかし、は気にしなかった。
「だから、私はもう1度決意する。今度は頼まれたんだから・・・絶対にやるっ!私は殺されない!3人を殺すんじゃなくて・・・土に返す!」
そう言うと、は涙を零したままエドワードとアルフォンスを見つめ、にっこり微笑んだ。
「そうだ、その意気だ。」
「そうだよ、殺されて溜まるもんか。ボク達が殺させたりしないよっ!それに、3人を殺すなんて思わないよ、ボクも兄さんも。」
「そうだな。殺す、なんて思っちゃ居ない。ただ、土に返すだけだ。」
エドワードとアルフォンスは元気に語り始めた。
それを見て、嬉しくてまた涙が込み上げてくる。
「エド・・・アル・・・ありがとぉ・・・・」
涙を流しながらエドワードに抱きつき、泣き出す。
「・・・1人で背負う必要なんてない。オレ達がいる。だから1人で悩むな。」
「・・・・・うん。うん。」
「あら、ちゃん。マスタング大佐が待ってるわよ。」
東方司令部に訪れた。
涙を拭き、元気を装い現れた。
「あ、はい。」
リザに言われ、元気よく答える。
そして大佐の部屋の前に立ち、ノックをする。
「誰だね?」
「・です。」
「おぉ、か。入りたまえ。」
そう言われ、は静かにドアノブに手を伸ばした。
きぃぃ・・・・・・
ドアが開くと、大佐の席にロイは座っていた。
「おはよう、ロイ大佐。」
「おはよう、。」
扉を開け、パタンと閉めると、はニッコリ微笑み挨拶をした。
「・・・どうしたんだ?昨日今日・・・どっちか泣いたのか?」
「!?」
いきなり核心を指摘され、驚く。
その表情を見て、ビンゴか・・・と内心呟くロイ。
「何があった?」
「何でも・・・ない。ただ、悪夢を・・・見ただけ。父さんと母さんとゼフィアの。」
「・・・・そうか。」
問い掛けてきたロイに、正直に答える。
3人の名前が出てきた瞬間、表情を歪ませたロイ。
それ以上の事を問い掛けては来なくなった。
「それで・・・今日の用って・・・?」
「まぁ、座りたまえ。」
の問い掛けに答えず、席を勧める。
は「は、はぁ・・・」と短く答え勧められた席に座る。
そこはロイの目の前の席だった。
「今日、鋼の達は図書館や、国家資格を持つ者しか見れない文献などを調べている。」
「えぇ・・・知ってます。」
「そうか・・・・それで、には・・・・」
エドワードとアルフォンスの事を伝えるロイに、知っていると伝える。
その言葉を聞き、頷くと、にしてもらうことを言おうとした。
ゴクンと息を呑み、は耳を済ませた。
「私の家にある文献や、書物、古い機関紙に目を通したら良いだろう。結構いい資料がそろっているぞ。」
「えっ!?良いの!?ロイ大佐!?」
ロイの一言に驚きの表情と声を上げる。
その言葉に、ロイは静かに頷いた。
そして、リザに了解を得てロイとはロイの家に向かった。
ロイも資料探しを手伝ってくれるようなのだ・・・・・
「それでは・・・・行くとするか。」
車を出し、家に向かう。
はどんな情報を得られるのかドキドキしながらロイの家へと向かっていた。
「楽しそうな顔をしているな・・・そんなに楽しみか?私に家に行く事が・・・」
ふと、嬉しそうな表情を浮かべるに気がつき、ロイは問い掛けた。
その問いかけにハッとして、はロイを見つめた。
そしてニッコリと微笑みと・・・
「だって、どんな情報を得られるか楽しみなんだもの。ロイ大佐の家って大きいじゃない。だから、資料とか沢山あるんだろうと思ってね。」
「なるほどね。確かに私の家にはそれなりの資料や書物、文献、古い機関紙がある。」
「でしょでしょ!?だから行くのが楽しみなの。」
キラキラと瞳を輝かせ、語り始める。
の言うとおり、ロイの家は大きく、資料などが沢山あると思っても仕方がない。
そんなの言葉を肯定するようにつぶやき始めるロイに、はさっき以上目を輝かせた。
を見つめ、ロイは内心苦笑していた。
『こんなに可愛くなって・・・・』と。
To be continued.................
ふわぁ〜〜疲れた。
次回はロイと絡みます〜〜vv
今回はエドと絡んだねぇ〜〜ww
いやぁ、書いてて楽しかったぁ〜w
読んでる方はどうですか?
と言う事で・・・あとがきは以上ですw
最終回まで・・・・楽しみにしてて下さいね♪
いつ最終回になるかは・・・わかりませんが(笑)
それでは、次回お会いしましょう♪
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