「〜〜〜〜〜〜〜という訳なの。」
そう言ったのは。
クールディーファが一夜で滅びた事、その理由。
の首元に刻まれた紋様の名、意味。
そして、土人形ハイラ、ゲルマの本当の呼び名である『ゴーレム』という名の事。
その事を今話し終えたところだった。
「なるほどな・・・・偉い事に巻き込まれたな。」
「うん・・・・エド、アル・・・2人まで巻き込んじゃってごめんね。」
エドワードの一言にウッとした顔をした。
上目遣いでエドワードとアルフォンスを見つめ、静かに謝る。
が、その言葉を聞いた途端エドワードとアルフォンスは大きな溜息を付いた。
「?」
それが何の意味なのか分からず首を少し傾ける。
「なんでお前が謝るんだよ。オレ達友達・・・だろ?」
「ボクと兄さんは、友達だって、思ってるよ・・・。」
エドワード、アルフォンス2人の言葉を聞き、胸が一杯になる。
そして、ズキンと傷つくの心。
「そう・・・だよね。友達・・・だもんね。うん、ごめん。ありがと。」
友達という言葉に過敏に反応する。
しかし、平然を装うように呟く。
ドクンドクンと大きく脈を打つの胸。
SILVER BREEZE ALCHEMIST 第七話
エドに『友達』と言われて、ズキッと痛む胸、心。
どうして?
私とエドは・・・友達でしょ?
アルに『友達』と言われても、うんそうだって思う。
でも、エドだけは・・・エドだけは違う。
エドだけには・・・エドだけには『友達』だと言われたくない。
こういう感情って・・・・何て言ったっけ・・・・?
────この感情は───『恋』?───
コンコンコン
「?誰?」
「あー、オレ。」
「あ、エド?」
「当たり。」
ドアをノックしてきた相手に問い掛ける。
その声に即座に反応し、エドワードは呟き、に名前を呼ばれ小さく頷く。
「は、入ったら?」
そう呟き、はドアの方を見つめた。
「あ、ああ。」
の言葉にエドワードは頷きドアノブに手を掛けた。
がちゃ・・・・
「エド、どうしたの?何のよう?」
「あ、これから風呂行こうと思うんだけど・・・風呂場まで一緒に行かないか?」
「・・・・うん。」
風呂に行くというエドワードの右腕には既にタオルなどがもたれていた。
一瞬戸惑いエドワードを見つめる。
悩みそして出した結果は、一緒に行くという事だった。
エドワードの事が『好き』だと気付いた瞬間、凄く顔をあわせるのが恥ずかしい。
でも、一緒に居たい。ずっとずっと・・・そう思いはエドワードの言葉に迷ったのだ。
「今日のは大人しいなぁ〜」
「なっ!!!」
風呂に行く為の浴衣やタオルなどの用意をしている時、後ろからエドワードの声が掛かった。
その言葉に反応し、一瞬振り返る。
だがすぐ視線を浴衣などに戻し、一息吸った。
「・・・・誰のせいだと思ってるのよ。」
部屋の鍵を持ち、エドワードの隣を通り過ぎる時に、一言呟いていった。
そして、部屋の外に出ようとドアノブに手を伸ばす。
「・・・誰のせいって・・・なんでオレに言うんだよ。」
「・・・・・・・・・・」
エドワードの言葉にズキンと胸、そして心を痛め、は無言のまま泣きそうな表情で1人風呂場に向かって駆け出した。
すでに、エドワードは部屋の外に出ていて、鍵も閉めた為エドワードを置いて来ても名に不自由はなかった。
「あ、っ!?ちょっ待てよ!!!」
そう叫ぶとエドワードはの後を追った。
「何よ、もうっ!!!!」
そう呟くと、大きなバスタオルを身体に巻きつけ、今まで来ていた服をかごの中に入れた。
「私が静かなのはっ!!!静かなのは・・・・アイツの所為よ・・・・」
そう言うとは風呂場へ続くドアを開いた。
むわんっ・・・
開けた瞬間暑い熱気が襲い掛かってきた。
「むはぁ・・・・」
熱い。そう思ったは大きく息を吸い、思いっきり吐いた。
「あっちに露天があるって描いてあったわね・・・誰も居なさそうだし・・・居こ。」
そう呟くと、ジャブジャブとお風呂の中を通り、反対側へと向かう。
そして、ジャバッとお風呂の中から出ると、キィィィと曇った扉を開ける。
「うぅ・・・さぶっ・・・」
露天。と言うことは外。
ドアを開け外に出ると、冷たい風がを襲った。
「うん、誰も居ない。」
そう確認すると、ゆっくりと石段を降りていった。
ゆっくりと確実に下に下に下りていくと、露天風呂が見えてきた。
白い湯気が立っていた。
「ふわぁ・・・さぶいなぁ・・・」
そう呟くと見えてきた露天風呂に足を突っ込んだ。
露天風呂の暖かさと、外の寒さ。
それが入り混じる。
ちゃぷ・・・・ちゃぽん・・・・
音を立てて方まで浸かる。
「あーーー・・・気持ちいいなぁ〜」
そう言い、足を伸ばし露天風呂を満喫する。
「アルも・・・・入れたらいいのにね・・・・」
寂しそうに呟く。
その瞳は深い色をしていた。
「禁忌なんて・・・犯して・・・・」
そう呟くと、はぶくぶくぶくとお湯の中に沈んでいった。
丁度誰も居ないようで、はお湯の中に潜ったまま泳ぎ始めた。
『うわぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙〜〜〜〜〜〜あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙〜〜〜〜〜〜〜〜あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙〜〜〜〜〜〜〜!!!!』
「なっ何!?」
いきなりの声、そして錬成反応。
雨の中、の両親の墓の前で立ち尽くしていた。
大雨で、は1人ポツンと立ち尽くし、今の叫び声に肩を揺らした。
その声のした方向、錬成反応の起きた場所を見つめハッとした顔をして駆け出した。
「エドっアルっ・・・何が・・・・・・・何がっ・・・・・・・・・何があったのよっ!!!!!!!」
そう叫ぶと、最悪の状況を頭を掠めながらも首をブンブン振りエドワードとアルフォンスの家のほうへと向かっていった。
「エド・・・アル・・・お願い、無事で居てねっ・・・・・」
そう言うと、走る速度を速めた。
そして、やっとエドワードとアルフォンスの家にたどり着く。
ゆっくりと扉を開くと、目の前に広がる光景は酷いものだった。
錬金術を独学で学び続けているには目の前にある錬成陣が何を意味するのか分かった。
それは──人体錬成──・・・
そして、その錬成陣の近くに血が零れ落ちていた。
エドワードとアルフォンスがいるかと目を凝らす。
「ゔっ・・・・」
声を上げたの目に入ってきたのは、人の形をしていないモノだった。
内臓や心臓、腸などが表に出ていて、心臓はドクンドクンと絶え間なく脈を打っていた。
それが気持ち悪く、は口元を覆った。
そして、骨はあるものの人の形の骨ではなかった。
そして内臓などの臓器の中から一本立つ手が一つ。
そして、頭を下に向けた顔が一番手前にあった。
を見つめうううううとうめいていた。
そして、手を揺らし、『おいで〜おいで〜』と言っている様な風景。
そんな光景を見て、は『ウッ』と声をあげ膝を地面に付けた。
その時、瞬間的にの目に映った姿があった。
「エド、アルっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
そう叫ぶと、這い蹲りながら2人の元へ駆け寄った。
左足と右腕のないエドワード。
真っ赤な血を流していた。
その横には鎧の姿の・・・・・
「・・・・もしかして、この鎧くん、アル?」
「・・・・うん。」
鎧の姿のものを見つめ問い掛けると、素直に頷きながら呟いた。
ビリビリビリビリッ!!!!!!!
は服を一気に破くと、血を流すエドワードの傷口をの着ていた服できつく縛った。
その間でも辛そうな、痛そうな表情を浮かべるエドワード。
「アルっ!!!!!ピナコばっちゃんの所に行こうっ!!!!!!」
「ホント・・・・馬鹿だよ・・・・あいつら。死んだ人間は・・・生き返りはしないのに・・・それくらい分かってると思ってた。」
は風呂から顔を出すと、昔の事を思い出して一言呟いた。
そして、ある人影に気が付いた。
「・・・・・エド?」
小さい声で、相手に聞こえない声で呟く。
だが、人違いだろうと思い、はまた湯の中にもぐりこんだ。
「うん、いい感じだよ、ウィンリィ。」
そう言い、エドワードの右腕と左足に付けられた機械鎧を動かして呟く。
そして、エドワードは鎧の姿となってしまったアルフォンスと共に家の外に出て行った。
いつものように外で手合わせをするのだろう。
は一瞬ウィンリィとピナコばっちゃんに視線を移した。
2人の表情は暗かった。
も今にも泣き出しそうな衝動に駆られていた。
それを拭いたく、はエドワードとアルフォンスの後を追って外に向かった。
「!?」
「な、何?」
ウィンリィに呼び止められ、はビクッと肩を揺らしながら振り返る。
「泣きたいときは・・・・言ってね。」
「〜〜〜〜〜〜〜っ、ありが・・・と。」
ウィンリィの言葉を聞き、胸が締め付けられる。
ぐぐぐっと涙が今にも溢れ出しそう。
しかし、泣いちゃ駄目だと自身に言い聞かせ、はウィンリィに背を向けると扉を開き外にでた。
予想通りエドワードとアルフォンスは手合わせをしていた。
「あ、。」
の存在に気付いたアルフォンスがこちらに視線を移していた。
そして、それと同時にエドワードもの方を見つめた。
は無言でエドワードとアルフォンスの元に駆け寄った。
がんっ!!!!!!!!!!!!!!!
物凄い音を立てて、はアルフォンスの事を殴りつけた。
真っ赤に染まるの手。
そのまま振り返り────
ぱしーーーーーーーーーんっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
鋭い音をたて、後ろ辺りに居たエドワードの顔を引っぱたいた。
それにより、真っ赤に染まっていたの手はそれ以上に赤くなり、はれていた。
「っにするんだよっ!!!!!!!!!!」
「何するんだよ!?それは私の台詞だよ!!」
エドワードの言葉に素早く返事を返す。
その返事は普通の返事ではなく、怒りの返事だった。
「二人共・・・・何をしたか分かってるの!?」
そのの言葉にエドワードとアルフォンスは言葉を詰まらせた。
何をしたのか分かっている。
そう言いたいのだが、言葉にならないエドワード。
「人体錬成なんてっ・・・・やっちゃだめだよっ!!!何が起こるか・・・分からないんだよ!?」
「駄目だって・・・それくらいオレでも分かってるよ!!!」
「分かってないからやるんじゃない!!!」
の言葉に反発するエドワード。
そのエドワードの言葉に含まれていたある言葉には怒りの一言をぶつけた。
そして、エドワードの服を掴みはズルリと地面へと座り込んだ。
「やるなら・・・私に言って欲しかった・・・事後報告なんて卑怯だよ・・・私は・・・エドとアルの相談に乗ってあげたかった。」
涙を流しながらエドワードとアルフォンスに訴える。
そして、そのままの意識は消えていった。
「エド、アル・・・・はね、2人が禁忌を犯した日、大雨の中自分の両親の墓参りをしにいってたの。それで・・・風邪を引いて、その中エドを運んで、そして看病して・・・」
「オレ達の看病・・・・がしてくれてたのか?」
そう言うと、エドワードはの眠る部屋へと足を勧めた。
「・・・。」
「エドォォ・・・・アルゥゥ・・・・」
涙を流しながら2人の名前を呼び続ける。
「どぉして・・・どぉして何も相談してくれなかったのよぉ・・・・私は・・・私は2人の味方なのに・・・同じ過去を持ってるようなものなのに・・・どうして・・・どぉして・・・」
そう言うと、の寝言はピタリと泊まった。
「・・・・・ごめん。」
そう言うと、エドワードは静かにの部屋から出て行った。
「ぷはぁ〜!!」
そう呟き、はお湯の中から立ち上がった。
そして、さっき誰かいた場所を見つめる。
そこには変わらず、誰かが居た。
目を凝らすと・・・・・そこに居る人物はエドワードだった。
なっなにっ!?ここ混浴!?
エドワードが居るという事に驚き、は心の中で驚きの声を上げた。
そして、同時に自分がエドワードの事が好きだという思いが膨れ上がってきた。
は何も考えずに行動に出ていた。
ぎゅっ!!!!!!!
「へっ!?」
いきなりの出来事に驚きの声を上げるエドワード。
後ろから抱きつかれた経験がないため、驚いたのだ。
そして、後ろに抱きついているのがだと気付くと、ホッと胸を撫で下ろした。
「何のようだよ、。」
「・・・・好き。」
「え?」
エドワードの問いかけに、短く呟く。
「好きなの!エドの事がっ!!!!大好き!!!!大好きなのぉ!!!!!!!!!!」
そう言うと、はそのままエドワードの背中で泣き始めた。
「すっ好きって・・・が・・・オレのこと、を?」
「うん・・・」
エドワードはどきまぎしながらに問い掛けた。
その問いかけには静かに頷いた。
すると、エドワードはの方に向き直り、の瞳を見つめた。
「オレは・・・大佐と同じ男だぞ?」
「分かってる。」
「〜〜〜〜〜〜っ・・・・」
エドワードの言葉に、静かに答える。
エドワードの見たこともないの大人の・・・少女ではなく女の表情を見て顔を真っ赤にさせた。
そして、エドワードはの唇にエドワード自身の唇を押し付けた。
「んっ・・・・」
「オレも・・・・好きだ。」
いきなりのキスに驚いたは声を上げた。
そんなを見つめながら、エドワードもはっきりと告白した。
その言葉を聞き、は嬉しそうな表情を浮かべた。
その表情は女ではなく、少女だった。
To be continued..................
うわぁ〜〜〜はバスタオル一枚巻いたまま、エドワードは腰にタオルを巻いただけの姿で抱き合ってるぅーーーーーーーーーー!!!
しかも、告白しちゃったし♪
両思い♪♪
しかも、過去のこと思い出してたし、。
やっぱり友達だと思っていた人には・・・好きな人には何でも言って欲しいものだよね。
私もそうだな・・・何でも相談に乗るよーみたいな感じw
今回はのほほんストーリーだったねぇwww
次回はどうなるかな?
と言う事で、次回をお楽しみにっ!!!!!!
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