The time of death












コンコン・・・
ベッドに横になり、寝返りをうった時にドアをノックする音が聞こえた。
、入るぞ。」
「エド?良いよ。」
エドワードはドアの向こうから中で横になっているに声を掛けた。
その声を聞き、エドワードと認識し、は静かな声で答えた。
がちゃ・・・
扉を開けると、ベッドの中で眠っている少女が一人。
だ。
は小さいときから体が弱く、横になっていることが多かった。
本当なら、は数年前に死んでいるはずだった。
しかし、エドワードがに見せた錬成術には魅せられ、生き延びることが出来たのだ。
「今日は調子が良いみたいだな・・・」
「うん。なんとか、ね。」
エドワードは滅多に人前で見せない最高の笑みをに見せていた。
そんなエドワードの笑みを見て、つられて笑みを漏らす
そんなの笑みを見て、エドワードは胸がつぶれそうになった。
一瞬揺らいだエドワードの笑みに気付き、は体を起こした。
!?起きちゃ駄目だろ!?」
「大・・・丈夫だよ、エド。」
起き上がったに驚き、急いでの肩に触れ、横にさせようとしたエドワード。
しかし、はニッコリと微笑んでエドワードの手を肩から外した。
「でも・・・・」
「エドの言うように今日は本当に体調が良いの。体が軽い感じがして・・・気分も良いの。」
「・・・。」
ニッコリ微笑みながら言うの顔を見つめて、エドワードは名前を呟いた。
ぐいっ・・・
その瞬間、はエドワードの腕を掴み、自らの方に引き寄せていた。
「おわっ!?」
ぎゅっ・・・・
「ティ・・・・?」
「そんな・・・悲しそうな顔しないで・・・私は生きているんだから・・・」
「!!」
見透かされた自分の思いを恥じたのか、エドワードは顔を真っ赤にさせた。
それでもから逃れようとはせず、に抱きつかれたままだった。
「それとも・・・私が生きていると駄目?」
「え・・・?」
「私のせいで、エドの時間、削られてる・・・私はエドにとって邪魔?」
「そっそんなことねーよ!は邪魔なんかじゃない!」
「・・・本当に?」
「本当だ!」
の顔を見ることはエドワードには出来なかったが、寂しそうな声色で聞いてくるに気付き、エドワードは叫んだ。
決してそんなことはないと必死に訴えるように、エドワードは必死にに言った。
「ありがと・・・」
そう言うと、はエドワードを放し、ゆっくりとベッドに横になった。
「エド・・・私、いつまで生きられるのかな・・・?」
「!」
いつかは人は死ぬ。それはもエドワードも分かっていた。
だからこそ、いつか来る死をは恐れていたのだ。
エドワード達とは違う運命を持つ
病弱な事でエドワード達と同じ時を過ごすことの出来ない
だからこそ今を一生懸命に生きるは、自分はいつ死ぬのか───明日?明後日?それとも今日?───という思いに駆り立てられる。
はまだまだ生きる!が死ぬときは、俺と一緒に死ぬときだ!」
「駄目!!」
の事を案じて掛けた言葉には叫んだ。
「え・・・?」
「駄目だよ・・・私と一緒に死ぬなんて・・・私とエドの一生の長さは違う・・・だから、私が死ぬときは静かに見取って。そして私の変わりにたくさん生きて。」
そう言うと、はエドワードに微笑んだ。
「エド・・・・」
「どうした?」
「手・・・つないでて・・・・物凄く眠いの・・・もう・・・目が覚めないかも知れないから・・・・だから・・・手をつないでて・・・エド・・・エド・・・」
瞳からあふれんばかりの涙を流すを見つめながら、エドワードは言われたとおりギュッとの手を握り締めた。
「エドの手・・・凄く暖かい・・・ね。」
そう言いながらの瞳はゆっくりと閉じられた。
それと同時に聴こえてくるの吐息。
それを聴いた瞬間、ホッとしたエドワードはの手を握り締めたまま、眠気に襲われの横で眠りに付いた。















「何・・・してるんだ?」
「・・・・死ぬのをずっと待ってるの・・・・」
「え?」
「ここ・・・立ち入り禁止だよ・・・・」
幼いエドワードは一人立ち入り禁止の家の中へと入っていった。
そこには一人ベッドに横になる少女が居た。
その少女がだった。
「立ち入り禁止でも・・・あんたもここに入ってるじゃん。」
「私は良いの・・・ここの住人だから・・・・どうせ死ぬから・・・」
「死ぬとか言うな!!」
「だって・・・私が死ぬことは変わりないもの・・・私、たぶんもう、死ぬのよ。だって、発作が起こる期間が最近短いんだもの・・・」
生きる気力を失った瞳で語り始める
そんなの顔を見て、エドワードは声を張り上げた。
「死ぬわけない!!そんな風に思っちゃ駄目だ!!」
そう言うと、エドワードは部屋の床にチョークで何かを書き始めた。
「何・・・?それ。」
「錬成陣・・・・」
そう言うと、エドワードの書いていた錬成陣は成功した。
「錬成・・・陣?」
「そうだよ、練成陣。あんたに面白いもん見せてやるよ。」
そう言うと、エドワードはその錬成陣の上に両手を乗せた。
その瞬間、青い錬成反応が起こり、錬成陣の中央に小さな木馬が一つ出現していた。
「え・・・!?」
「錬金術ってあんた知ってる?」
「れんきんじゅつ?」
「知らないみたいだな。まぁ、これの事をそう呼ぶんだぜ。」
そう言うとエドワードは偉そうに胸を仰け反らせて威張った。
「凄いんだね・・・」
「だろだろ?」
「ねぇ・・・また、見せてくれる?」
「あ?」
「錬金術ってやつを・・・また見せてくれる?」
は静かにベッドの上から床に座り込んでいるエドワードに問いかけた。
そんなの言葉を聞き、エドワードはニッと笑った。
「良いぜ。またここに来て見せてやるよ。」
「ありがと・・・・えっと────」
「エドワード。エドワード・エルリック。エドで良いからな。で、あんたは?」
。宜しくね、エド。」
お礼をいい、お互い名前を教えあうと、ニッコリと微笑みあった。
これが、エドワードとの出会いだった。
死にかけていた少女の命をつなぎとめたのがエドワードだった。
は、そのことに凄く感謝をしていた。
エドワード本人に、そのことは話していなかったが────













「ん・・・・・?」
朝の日差しのまぶしさで目覚めたエドワード。
体を起こし、ベッドの中で眠っているに呼びかけた。
しかし、の反応は全くなかった。
嬉しそうな笑みを浮かべ、瞳から涙を流したままは眠りについたままだった。
体はまだ暖かいが、脈も心臓の鼓動もにはなかった。
それが死を意味している事がエドワードにはわかっていた。
が、エドワードはの死を受け入れることが出来なかった。
!!ゥゥゥゥ!!!」
エドワードは何度も何度もの体を揺さぶり、起こそうとしていた。
しかし、既に死んでいるの瞳は開くことはなかった。
『エド・・・ありがとう・・・・』
ふとエドワードの耳にの声が聞こえた気がした。
しかし、それ以降の声はエドワードには届かなかった。
「・・・。俺、お前にあえてよかったよ・・・楽しかった。今まで・・・ありがとな。」
の死を受け止め、エドワードは前に進むと決めた。
の死は悲しいけど、エドワードが悲しんでいてはが成仏できない。そう考えエドワードは前へ進むと決めた。
のために、自分のために────






...The end





はい!エドとの夢小説です!
何とかお題以外でやっとこ出せました!!
とか良いながらエドのお相手さん、死んじゃってどうするって!!(汗)
ハガレン初の夢小説が死ネタでごめんなさい!!(謝)
でも、如何でしたか?
実はこの話、YAHOOの辞書でアルファベットを適当に一字入れて検索して出てきた英語の意味を使って書いた話だったりしますw
なので死ネタになっちゃいました(笑/いごとじゃない)
感想等頂けたら、今後の活力となります(笑)
それでは、本当にここまで読んでいただきありがとうございます!






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