人はどうして   こうも簡単に    死ぬのだろう───

そして    あたしの周りの人ばかりが    死ぬのだろう───













隠されしセレトの秘石 第一話












「・・・おじいちゃん・・・・どうし・・・・」
涙を手で拭いながら少女は目の前で眠るように横たわる老人を見つめた。
その姿を見ていると、後ろから強く抱きしめてあげたくなるくらい弱弱しく見えた。
「可哀想に・・・自殺ですって?」
「え?私は子供に殺されたと・・・」
「うっそ。私は流行病だって聞いたわ。」
葬式に来た人たちが小さな声で口々に言っているのが少女には聞こえていた。
しかし、おじいさんを亡くした悲しみで何も言う気にもなれなかった。
「でもさぁ・・・誰があの子を引き取るのかしらね・・・」
「さぁ・・・誰も居ないって話よ。」
・・・あたしは誰かに引き取ってもらう気はさらさらない・・・それに、おじいちゃんは殺されたんだ・・・
グッと拳を握り締めながら、少女は内心そう呟いていた。
さん?さん。」
「あ・・・はい。」
「あなた、どうするつもり?」
いきなり後ろから声をかけられ、と呼ばれた少女は声の主の方に振り返った。
「おじいちゃんが貯金しておいてくれたお金で・・・暮らしていきます。」
静かにそう呟くとはくるっときびす返しをした。
生きる希望を、気力をなくした目をしたまま、は静かにおじいさんと暮らした家の法へと歩いていった。















「おじいちゃん。今日の夕飯は何?」
「どうするかね・・・何がいい?」
の質問に答えずに聞くおじいさん。
ガタタ・・・
物音が聞こえ、とおじいさんはその音の聞こえたほうへと意識を集中させた。
「何か騒がしいよっ・・・───」
そこまで言うと、おじいさんは顔をゆがめ、倒れた。
「おっおじいちゃんっ!?」
いきなりの出来事に驚くは、ゆっくりとおぼつかない足取りでおじいさんに近寄った。
足元は真っ赤に染まり、気を抜くと滑ってしまいそうなくらいだった。
「おじい・・・ちゃん。冗談でしょ?また、そんな事し・・・────」
ゆっくりとおじいさんの体に触れたは、ビクッと肩を震わせ言葉を途中で止めた。
まだ温かい体温。
しかし心臓は止まっていた。
そして・・・心臓があるかと思われる場所に深い傷が作られていた。
「分かったか?そいつは死───ん?」
途中まで言いかけた言葉を呑み、何かをし始めたに男は顔を向けた。
ズゲシャァァーーーー!!
はいつの間にか床にチョークで錬成陣を描いていた。
その錬成陣に両手を置き、力を込めた瞬間目の前の一人の男が吹っ飛んで行った。
「おじいちゃ・・・は死・・・でない。貴方たち・・・許さない。」
キッと目に涙を貯めたまま男を睨みつける
11歳とは思えないほどの気迫で睨みつけていた。
「おい。こいつには手を出すな。あの方に俺たちが殺される。こいつの母親を殺した日みたいにな・・・」
男は後半部分を聞かれないように小声で話していた。
そのためにはその会話は聞こえていなかった。
「あの方って誰!?あたしの何を狙ってるの?」
にらみつけることをやめず、問いかける
「自分で考えるこった!」
そう言うと、部屋中に煙がひしめいた。
その煙が消える頃には男の姿は消えていた。

















「可哀想に・・・・11歳という歳で自立だなんて・・・」
一人とぼとぼと気の抜けた人形のようなの姿を見ながら、イーストシティの住民は口々に言った。
・・・何といわれようと・・・どうでもいい・・・あたしには生きる希望がないのだから───・・・・
陰口を叩く住民に対していやみを言うように、は心の中で呟いた。
「職もないのに暮らせるのかしらねぇ・・・・ふふふっ。」
と、に聞こえる様に嫌味ったらしく言ってくる人も居た。
しかし、には反抗する気にすらならなかった。
「あぁ。その事は大丈夫みたいよ。なにしろ、子供の頃から鍛えてきた錬金術で壊れた物とかを修理してお金を稼いでいるみたいだから。」
と、横で一緒に話していたおばさんが一声入れてきた。
その事を聞いたおばさんは一言、ふ〜んとだけ呟くと、また違う話題で話し始めた。
そんな人たちの言葉を聞きながら、は買い物を終え、家に着いた。
かくいう、この家も家賃を払う分のお金がないから、錬金術で大家さんの家になる壊れた物を月一回一個修理する事で見逃してもらう事になったのだ。
しかし、それだけでは家賃の分にならない事はには分かっていた。
キィィィィ・・・・カタン。
家の中のおくにある研究室に向かう
これから行う事のみに希望をゆだね、扉を開けた。
そこには大きな錬成陣が描かれていた。
「用意は・・・・もう少し。」
そう言うと、透明な大きな入れ物に買い物袋を持ったまま近寄った。
「水35リットル、炭素20kg、アンモニア4リットル、石灰1.5kg、リン800g、塩分250g、硝石100g、イオウ80g、フッ素7.5g、鉄5g、ケイ素3g、その他少量の15の元素───・・・っと。」
そう呟きながらは元素等を入れ物の中へと入れていった。
沢山の思いをつめながら・・・
そして自らの指を軽く傷つけ、血をたらした。
これが魂の情報となるのだ。
はゆっくりと目を閉じ、心を落ち着かせると、錬成陣の外へと出た。
もうすぐ会える───お母さん。
内心そう呟き錬成陣に両手を置いた。
その瞬間、中央にある入れ物が錬成反応を起こし始めた。
「・・・・ぅゎぁ・・・・」
小さい声で感嘆の声を漏らす
そのときのは、この現象を見て、成功だと思い込んだ。
しかし、突如周りは闇に飲み込まれていった。
「・・・え───・・・?」
いきなりの出来事で辺りを見渡していると、バキバキという音がして、右側の顔が痛み始めた。
良く見ると、の体中を小さく黒い手が掴んでいたのだ。
「───リッリバウンドっ!?」
そうだと分かったときには遅かった。
そして、その後には理解の出来ない出来事がの体に起きていた。
は遂に真理を見たのだ──────



















「うわあぁぁぁあああぁぁぁっぁぁぁ!!!」
意識が戻った瞬間、を待っていたものは右顔半分の激痛だった。
その痛みの部分に手を持っていくと、その辺りは血だらけだった。
「・・・持っていかれた・・・・右目を。」
そう小さく呟きながら、は痛みを耐えていた。
そしてゆっくりと中央へと視線を移した。
「───っ!?」
その中央にあるものを見て、は即座に吐いた。
中央の器の中には、母になるはずだった者の姿が・・・いや、人の形をしていない者がいた。
「やっぱり・・・無理・・・なの?」
ガクッとその場に膝を付け、座り込んだ。
コテンと壁に背を預けると、宙を見つめた。
────もう・・・生きる意味が・・・ないよ・・・どうせ死ぬ・・・つもりだった。これで死ねれば・・・
目を閉じ、暗闇の中をただ見つめる
「お母・・・さん、おじい・・・ちゃ・・・・今、行く・・・ね。」
そう小さく呟くと、の意識は完全に闇に飲み込まれていった。



















「エド。アル。ウィンリィ。ちょっとおいで。」
「はーい!」
ある家を3人の子連れの家族が訪れた。
この村では、この家が最後なのだ。
「どうも、初めまして。このたびリゼンブールに越して来たティッド・と、」
「ルフィと、娘の」
です!」
父親、母親、娘と挨拶を済ませた3人。
と名乗った少女はニコニコと元気そうな笑顔を浮かべていた。
それが終わるのを待っていたかのように3人の子供が現れた。
「うちの孫に、近所の幼馴染が二人ほど来てるんでね・・・・ほら、自己紹介しなさい。」
ポンッと3人の背を叩きながら笑う。
「っと、そのまえに私はピナコ・ロックベルだよ。宜しくね。」
そうピナコおばさんが挨拶をすると、三人は顔をあわせニッコリと微笑んだ。
「僕、弟のアルフォンス・エルリック。宜しくお願いします!」
「俺はあるの兄のエドワード・エルリック。宜しくな!」
「私はウィンリィ。ウィンリィ・ロックベル。宜しくね。」
自己紹介が終わると、三人は同時に右手を差し出した。
「あ・・・たし、!宜しくねっ!!」
ちょっとテレながらも3人の手を順番に握り返す
まんべんの笑みを浮かべて。
っていくつ?」
「にっ兄さん!?いきなり呼び捨て!?」
「アル君も呼び捨てで良いよ。ウィンリィちゃんも。」
「なら・・・僕らのことも呼び捨てで良いよ、ね?」
仲良く話しながらリゼンブールにある公園へと向かっていた。
「で、っていくつ?」
「あたしは7才。エドは?」
エドワードの問いかけにニッコリ笑って答え、逆に問い返す
「俺は7才だ。同い年だな。」
そうニッコリ笑ったエドワードの顔は、男の子なりの可愛さがあふれていた。
「アルは一つしたの6才なんだぜ。なのに俺と身長変わらねーの。あ、ウィンリィも7才なんだぜ。」
「そーだ!!」
年齢の話の途中、急にウィンリィが声を上げた。
「どうしたんだ、ウィンリィ?」
「エド!にあんたの凄さ見せてやりなさいよ!」
ウィンリィは急に大きな声でそう言った。
「すごさ?」
しかし、一体何のことなのか分からないは首をかしげウィンリィとエドワードを交互に見つめた。
ドンと胸を叩いたエドワードはニッと笑うと、
「見てなよ!」
と言って、白いチョークで地面に錬成陣を描いていった。
完成した錬成陣に両手を乗せると、青い錬成反応が起こり、錬成陣の中央に大きな馬の像が現れた。
「うわぁ〜!!もしかして錬金術!?」
エドワードの出現させた木馬を見つめたまま呟いた。
は錬金術という物は知っているようだった。
「へへんっ!俺たち錬金術使えるんだぜ。」
ニッと笑うとエドワードはアルフォンスの肩に腕を回した。

















あれが・・・あたしが錬金術を習得したキッカケ・・・
はうっすらと目を開いて、目の前にある錬成陣を見つめた。
本当は・・・こんな事するために・・・・覚えたんじゃないのに・・・それでも・・・もう一度母さんに・・・会いたかった。
はゆっくりと重い右手を宙に上げ、前に横たわる母となるはずだったモノへと手を伸ばした。
しかし、重い右手は上手く上がらず、目もかすんできた。
目の前がぼやけ始め、白いもやが掛かったような状態になる。
・・・どうしてこんな事になったのかな・・・・どうしてこんな事に・・・・・やっぱり・・・・軍の・・・・
そう内心呟くとはゆっくりと目を閉じた。
エ・・・・ド。ア・・・・ル・・・・ウィン・・・リィ・・・


















「皆ー!!エドー!!」
は元気に両腕を振り上げ、左右に振った。
「おっ。じゃん。」
「どうしたのー?」
駆け寄ってくるに向かって声をかけるエドワードとアルフォンス。
ウィンリィはそんな3人を後ろから見つめながら、微笑んでいた。
ちゃん。江戸に似てきたわね。」
くすくすと呟くウィンリィにアルフォンスも「そーだよね。」と呟いた。
       ねえ!!」
「「似てなんか
       ないわよ!」
くすくすと笑う二人の言葉に反応し、とエドワードは同時に叫んだ。
「「あ・・・」」
「ぷっく・・・・あっはっは・・・・本当に息ピッタリ。」
ウィンリィは腹を押さえながら笑い始めた。
「そ、それより。一体急いで来てどうしたの?」
怒りオーラをむんむんのエドワードに気付いたアルフォンスは、まえの話題へと話を変えた。
「あ、そうそう。ちょっと見てて!」
そう言うと、一本の白いチョークを取り出した。
キュウイキュウイと地面に錬成陣を描き、その上に両手を乗せ力を、思いを込めた。
青い錬成反応がおこり錬成陣の中央に大きな馬の像が現れた。
「れっ錬金術!?」
「えへへ。使えるようになったんだ。」
嬉しそうな笑みを浮かべて語る
凄いよ!いつの間に・・・?」
アルフォンスは感心した風にを見つめた。
エドワードとウィンリィはいきなりの事で驚き、呆気に取られていた。
「ひ・み・つ。」
ニッコリと笑みを浮かべるの姿は、とことん嬉しいんだと物語っていた。
「そういえば、エドとアルが錬金術を使えるのは知ってるんだけど・・・ウィンリィは使えないの?」
素朴な疑問をはウィンリィに問いかけた。
初めてエドとあるの錬金術を見せてもらっていたときから良く思っていた事だった。
「私?私は使えないんだ。」
苦笑しながらの質問に答えるウィンリィ。
「でも、私は立派な機械鎧技師になるんだ!」
ニッと口元に笑みを浮かべてウィンリィは笑った。
「そっか。」
はそんなウィンリィの笑みを見つめて、満足そうな笑みを浮かべ小さく呟いた。
それなら良いんだ・・・
内心そう呟きながら。























皆・・・・・・・元気かな・・・・
目を閉じたままは心の中でそう呟いた。
真理を見たときの感覚が頭に残っていて、は少し混乱していた。
あれをどう説明したら良いのだろう・・・それほどのものだったのだ、真理というのは。
世界の真理というか、そういうものが一気に頭の中を通り過ぎていく。
自分たちの記憶、他の人たちの記憶、どこかで起きている戦場の風景・・・
沢山のものが真理となっての頭の中に叩きつけられた。
だからこそ、にかけていたものが分かった。
それが真理なのだ。
だが・・・その真理を知った今、は生きる気力さえも失っている。
意味がないのだ。
真理を知ったとしても・・・・意味が・・・・
ギュッと右手を握り締め、はある事を思い出した。
そういえば・・・ウィン・・・リィは機械鎧・・・技師に・・・なれた・・・のかな?




















「父さん・・・この実験は一体・・・何なの?」
はきぃぃぃと扉を開き、中でなにやら実験をしている父ティッドに問いかけた。
・・・・見てしまったか。お前には見せたくなかったのだが・・・」
そう呟くと、ティッドはを呼びかけた。
それに従うようにはティッドの方に近寄った。
「秘密にするって誓えるかい?」
「うん。」
「父さんはね、賢者の石と似たようなものを作っているんだよ。ほら、これ・・・」
そう言われ、見せられたのは一つの紅く輝く石だった。
その石の中央にはセレトという紋様が埋め込まれるかのように浮かび上がっていた。
「軍の人たちがね・・・これは危ないからって父さんから取り上げようとしているんだ・・・だから秘密だよ、。」
「・・・うん!」
はニッコリと微笑み、ティッドと約束をした。
しかし、この約束が後に大変な事件へと巻き込まれることになるとは思っていなかった。
ガチャガチャガチャっ!!
「「っ!?」」
いきなり部屋のドアが無理やり開けられるような勢いで扉を前後させられた。
「くっ・・・軍にかぎつけられたかっ・・・」
そう呟くと、どうするかと辺りをキョロキョロと見回すティッド。
どうやら秘石を隠そうとしているようだ。
「セレトの秘石をどうにか隠さなければ・・・」
そう呟きながら、しきりに辺りを見渡した。
さん!!いるのは分かっているのですよ!?ここの鍵を開けてください!」
男の声が扉の外から聞こえてきた。
はビクビクとティッドの影に隠れながら扉を見つめていた。
緊迫する空気が漂う中、ティッドは何かを思いついた顔をした。
しかし、その考え付いた内容はとんでもないものだった。
・・・・・これからすること、静かに見ててくれ。」
ティッドの言葉には小さく頷き、ティッドを静かに見つめた。
ティッドはあらかじめ描かれていたテーブルの上の錬成陣の中央にセレトの秘石を乗せた。
そして、目を閉じ、心を落ち着かせ、錬成陣に両手を乗せ、力を思いを込めた。
カァァァァーーーー
その瞬間、真っ赤な光が辺りを渦巻き始めた。
その中でも外からの声は止まらなかった。
そのとき、エドワード達の言っていた言葉を思い出した。
『賢者の石と同じような石・・・?それがセレトの秘石とか言うやつか・・・でも、完全な石じゃないならやめた方が良いんじゃねーの?何が起こるか分からないんだしさ・・・』
その言葉がの頭の中を駆け巡ってきた。
「っ・・・きゃぁぁぁぁーーーーーーー!!」
そんな事を考えていたを襲ったのは、セレトの秘石の周りを渦巻いていた光だった。
光がの胸の中央、首の真下辺りに集中し、光り輝き始めた。
この時、は後悔していた。
エドワードの言うとおりにしておけばよかったと。
ティッドの実験を止めればよかったと。
すぐに鍵をあければよかった・・・と。
光が消えた瞬間、宙に浮いていたは宙に浮く力が消えたため瞬時に床に叩きつけられた。
そしてそのまま気を失った。
そしてティッドは鍵を開け、軍を中に招き入れた。
中に入った軍は目を疑った。
目の前に一人の少女が気を失って倒れているのだから。
そして、ティッドをつれて中央へと赴こうとした。
「・・・セレトの秘石はどこに?」
「ありませんよ・・・そんなもの。失敗し灰になりました。」
軍の問いかけにティッドは静かに答えた。
エドワードもその事を聞いていた。
を心配そうに扉の外から見つめていた。
「エドワード君。は無傷だよ。心配ない。」
ティッドのその言葉を聞き、エドワードは胸をなで下ろした。



















そしてティッドは失踪した。
実際には殺されたとは思っていた。
しかし、一般に公開された広告には『賢者の石に相次ぐ力を持つ秘石の研究をしていたティッド・氏。しかし、その実験はあまりにも危険すぎ軍はその研究をやめさせようとした。が、氏は一行に辞めようとしなかった。そして、その秘石、セレトをどこかに隠したまま行方不明となった。』と発表された。
この広告を読み、当日の風景を見ていたエドワードはクシャッと広告を握り締めた。
「失踪・・・か。」
「あたしは・・・殺されたと思う。」
「「「!?」」」
の言葉にエドワード、アルフォンス、ウィンリィは言葉を失った。
目を丸くしてを見つめた。
エドワード達はの父親がセレトの秘石の研究を行っていた事を知っていた。
だからこそに忠告していたのだ。
しかし、その忠告を無視した結果がこの結果だった。
「確かに・・・軍の命令を無視して・・・生きているとは・・・」
「でしょ・・・?だから・・・あたしは軍を許さない。」
そう強く呟いた。
「あぁ・・・・」
を見つめながらエドワードは思った。
はあの当日の最大の部分を覚えていない。
がエドワードに説明したのは『実験していたら軍がやってきて扉を叩いた。父さんは慌てて錬金術でセレトの秘石を隠した。そして軍に連れて行かれた。』だった。
エドワードは詳しくは知らないが、その他にも何かあったのではないかと思った。
の悲鳴、ドアの隙間から漏れた真っ赤な光。
それがエドワードの脳裏に引っかかっていた。




















バチバチバチ・・・・
の目の前で錬成反応が起こり、錬成陣の中央に今までより大きく、そして派手な馬の像が出現した。
「上達したなぁ〜、。」
「そだね。一年でここまで上達するなんて・・・兄さん。僕たちも負けてられないね!」
の錬金術を見てエドワードとアルフォンスは目を丸くして感想を述べた。
「わっ私だって負けない!」
そう言って現れたのはスパナを持ったウィンリィだった。
「ウィッウィンリィ!?」
いきなりの登場で驚いたエドワードは急いでウィンリィの法へと視線を移した。
「ウィンリィ〜驚いたよ〜」
笑いを堪えながらはウィンリィに話しかけた。
「ウィンリィには俺たちには勝てねぇよ。」
イーッとした顔をして、エドワードはアルフォンスの肩に腕を回した。
「なっなっなんですってぇ〜!?」
ウィンリィの怒りに震えた声と同時にスパナがエドワードを直撃した。
「うのわぁっ!?」
頭部に直撃したスパナは回転して地面に落ちた。
エドワードは直撃した場所を両手で押さえ、しゃがみこんだ。
「兄さんっ!?」
そんな地面に倒れこんだエドワードを心配してアルフォンスは急いでエドワードの方に駆け寄った。
「エドッ!?」
「だ・・・大丈夫?」
も今の出来事に驚き声を上げてアルフォンスに続いて駆け寄った。
ウィンリィもやりすぎたかと思い、恐る恐る声を掛けた。
「ウィ〜ン〜リィ〜!!」
エドワードは物凄く怒った口調でウィンリィの名を呼び、ゆっくりと起き上がった。
「あ、生きてた。」
「てめぇ!いきなり何しやがる!?」
ウィンリィとエドワードの声は重なり合った。
「ぷっ・・・」
そんなやり取りを見ていたは、いきなり噴出し、笑い出した。
そのを見て、エドワード達は一瞬行動に出遅れた。
「「「??」」」
3人は声を揃えて振り返りながら呟いた。
「あははっはははっ・・・ウィンリィもやりすぎだよぉ・・そ、それに・・・エド。体丈夫すぎっ!!」
と、笑いながらはウィンリィとエドワードの顔を交互に見つめた。
こそ笑いすぎだぁ!」
そう叫ぶと、エドワードはふざけて軽くの事をこついた。
「あだっ!」
エドワードにごつかれた所を両手で覆いながらエドワードを見つめた。
口をヘの字に曲げながらも目は笑いながら。
「それにしても・・・3人は仲良しでいいね。何でも分かり合えてるみたいで・・・」
「え?」
「何?」
の呟いた言葉はアルフォンスとウィンリィには聞こえてはいなかった。
近くにいたエドワードには、その言葉が聞こえてきた。
そして、の寂しそうな表情を見て、エドワードは良く分からない感情に押しつぶされそうになった。
しかし、その感情がなんなのか今のエドワードには分からなかった。















To be continued....









という事で早速始めた鋼の錬金術師連載夢小説!
『隠されしセレトの秘石』をここにお送りします!
感のいい人はセレトの秘石が何処に隠されているか分かっちゃってますよね〜ww
でも、まだ完全に表には出しません♪
どんどん暴かれていく秘密に・・・いろいろなことにドキドキしながら読んでいただけると嬉しいです☆
さて・・・主役のちゃん。
エドとアルとウィンリィと仲良くなりましたねぇ〜♪
ちゃんの呟いた言葉・・・エドには聞こえていたようだけど・・・
一体どうなっちゃうのー??
ってところで、次回にぃ続くぅ!!!
って、上で言ってるしねww
それでは、次回をお楽しみにぃ!!






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