!!!!!」
「う〜〜〜〜〜ん・・・・・いったい何よぉ・・・・・」
「そろそろ出発すっから、さっさと起きろ!!!」
「ふえ?・・・・・・っ!?」
身体を揺すられ、大きな声で名前を呼ばれ、目を閉じたまま反応する
出発するという言葉を聞き、半分寝ぼけたまま声を漏らし目を開けた。
すると、目の前にエドワードの姿があり、はボンッと顔を真っ赤にさせた。
「どうした、!?熱でもあるのか?」
「なななな何でもないし、ねねねねねねね熱だってないない!!!」
「どーしたの、兄さん?」
エドワードの叫び声を聞き、アルフォンスがのっそりと現れた。
すると、エドワードを見つめ、真っ赤な顔をしているの姿に気がついた。
「兄さん。ここはボクに任せて、外で顔洗っておいでよ。」
「あ・・・あぁ。分かった。」
そう言われ、しぶしぶエドワードは川の方へと歩いていった。
その姿を見てアルフォンスは「まだ、気づかないかなぁ・・・」と小さく呟いた。
そしてスッと視線をに移し変えた。
「おはよ、。」
「うん・・・・おはよ。」
「やっと気付いたみたいだね。」
「・・・・・・・へ?」
が兄さんが好きだって事。兄さん鈍感だからなかなか気付かないよ?」
「〜〜〜〜〜アルにはバレちゃったかぁ〜」
「だって、凄い分かりやすい反応起こすんだもん、。」
「そりゃ、悪ぅーございましたぁ〜」
「・・・・・好きって伝えないの??」
「・・・・・・・エドが鈍感だってのは分かったけど・・・・好きって伝えるつもりはないわ。」



















隠されしセレトの秘石 第九話

















「ななななななんで!?」
「好きって言って、今の関係を崩したくないって言うのもあるし・・・よく分からないけど、これで十分なの。」
「・・・・そっか。でも、本当に兄さんは鈍感だしなかなか気付かないと思うよ。」
「うん・・・・それでも、あたしは今のままで十分。」
アルフォンスの言葉を聞きながら起き上がり、身体を伸ばす
そしてスッと目を細め、アルフォンスを見つめながら小さく呟いた。
「分かった。じゃ、ボク兄さんの所行ってくるね。」
そう言うと、アルフォンスはガチャガチャガチャガチャと音を立ててエドワードの元に駆け寄っていった。
それを見届けたは、いつもの普段の服に着替え始めた。
・・・好きって言わなくて十分・・・今のままで十分・・・
内心そう呟きながら、は黙々と着替えていた。
・・・そりゃ確かに・・・エドは鈍感みたいだけど、それでもあたしは────
「っと・・・エドーー!!アルーー!!着替え終わったよーーー!!」
いつもと変わらぬ口調では二人に声をかけた。
多少エドワードに対して不思議な行動を取る事はあるだろうが、なるべくいつもと変わらぬように接しようとは心に決めた。
パタパタパタと足音を立てながら川辺に佇む二人の元に駆け寄る
「おーやっと用意出来たか。」
「女の子は用意に時間が掛かるのっ!」
「そうだよ、兄さん。」
「そ・・・そういうものなのか・・・?」
やっと現れたを見て、フゥッと溜息をつくエドワード。
そんなエドワードを見て、はプゥッと頬を膨らませた。
その様子を見ていたアルフォンスも笑った。
「さてと・・・・やっとクオーフィールに向かえるな。」
「うん、そうだね・・・・」
エドワードはジッと空を見つめながら、力強く呟いた。
そんなエドワードを見て、アルフォンスも強く頷いた。
「何二人とも力入れてんのよ!」
笑いながらはバシンッと二人の背中を力強く叩いた。
そしてサトリート砂漠へと向かう途中にある、一つの町クオーフィールの方には駆け出し始めた。
「一番力入れてんのは、てめーだ!!」
「女の子にてめーなんて言っちゃダメだよ、兄さん!!」
駆け出すを追いかけながら叫ぶエドワード。
その言葉を聞き、注意をするアルフォンス。
そんな二人のやり取りを聞きながらは苦笑していた。



















風が横切る。
草木が揺れる。
夕日が町を照らし、オレンジ色に染まる。
場所は達の目指していたクオーフィール。
「ここが、クオーフィールかぁ・・・・」
「凄いキレイな夕日だよねぇ・・・・」
「そっちかっ!!」
クオーフィールの入り口に立ち、感嘆の声を漏らすエドワード。
そんなエドワードの横では夕日でオレンジ色に染まった町を見て、キレイと感想を述べた。
その言葉を聞きエドワードは笑いながら突っ込みを入れた。
「だって、本当にキレイじゃない。」
「まぁ、確かにキレイなんだけど・・・オレとしては、サトリート砂漠に一歩近づいた事を喜んでもとな・・・」
「あぁ、勿論近づいた事は嬉しいわよ。」
エドワードの言葉を聞き、ポムっと手を打つと、ニコニコとした笑顔でエドワードに嬉しいと告げる
「・・・本当にそう思ってるのか?」
「あのねぇ・・・思ってなかったら、こんなところまでいちいち来ないって。」
「・・・それもそうだな。良かったな、一歩でも前に進めたんだし。」
「っ・・・・う、うんっ!」
はエドワードの言葉を聞き、少し呆れながら言葉を返した。
そのの言葉を聞き、エドワードはニッと笑みを浮かべての背中をポンッと軽く叩いた。
そんなエドワードの笑みを見たは、ドキドキしながら頷いた。
「よしっ!じゃ、そろそろ日も暮れるわけだし、宿探すぞ!!」
「おー!!」
「そんなに急がなくても宿は逃げないよー・・・」
駆け出したエドワードの言葉を聞き、右腕を振り上げながら同じく駆け出す
そんな二人を見ながら苦笑を浮かべるアルフォンス。
そしてハッとして二人を追いかけるように、ガチャガチャと音を鳴らし駆け出し始めた。
「アルー!!置いてっちゃうぞー!!」
「待ってよー!!兄さーーん!!ーー!!」
一人遅れて走るアルフォンスに顔だけを向けて、は声をかけた。
アルフォンスはヒィヒィ言いながら素早く走るとエドワードを一生懸命追いかけた。
「っと・・・・ここかな?」
「え?ちょっ!?」
ドゥンッ!!!
いきなり止まったエドワード。
その後ろを勢いよく走っていたはいきなり止まったエドワードに対応できずに、そのままエドワードに激突する。
勿論、の後ろを走っていたアルフォンスもいきなり止まれずそのままとエドワードに激突した。
「あったたた・・・・」
「ってぇえ・・・・アル、。大丈夫か?」
「ボクは大丈夫だよ。」
「あ・・・たしも、何とか。」
そう言い、ホコリが舞う中ケホケホと咳をしながら話す3人。
そしてホコリが舞い落ちた時目に入った光景は凄いこととなっていた。
一番下にうつ伏せになって倒れるアルフォンス。
その上に仰向けになって倒れる
そして、その上にうつ伏せになって倒れるエドワード。
しかも、とエドワードの顔が近く、はドキドキと心臓が破裂するんじゃないかというくらいトキメかせていた。
「はっ早く退いてよ、エドっ!!」
は真っ赤な顔をエドワードに見られないようにしながら上に圧し掛かるエドワードの胸板を押す。
「あ、わりぃ。」
そう短く呟くとエドワードも真っ赤に染まっている顔をに見られないようにしながら起き上がる。
そして、上に誰も居なくなったは、ゆっくりと立ち上がりパンパンと体中についたホコリを払う。
「いきなりどうしたのよ。」
「そうだよ。兄さんが行き成り止まるからボク達あんなことになったんだからね。」
「悪かったって。いや、ここ宿じゃねーかと思って立ち止まっただけなんだけどよ。」
「宿・・・?あ、本当だっ!!」
エドワードの言葉を聞き、首を傾げながらエドワードの指差す先を見つめる
するとその場所には『HoTeL』と書かれていた。
「ここにすっか?」
「良いんじゃない?」
「ボクも反対意見はないよー。」
「何か引っかかる言い方だぞ、それ。」
宿を指差しながら問いかけるエドワードに、はニッコリ微笑みながら賛成の意を向ける。
アルフォンスはクスクスと笑いながら遠まわしに賛成意見を言う。
しかし、何か引っかかる言い方だと思ったエドワードは、それをアルフォンスに指摘した。
「良いじゃない、そんなこと。それより、早く入って部屋二つ空いてるか聞こうよ。」
「そうだな。」
は宿の扉に手を掛けながら、後ろで話すエドワードとアルフォンスに声をかけた。
エドワードの言葉を聞き、はガラガラガラと扉を開き中へと入っていった。
「いらっしゃいませーーー!!」
中からは景気のいい元気なオバサンの声が聞こえてきた。
「三名様ですか?」
「えぇ。部屋、二つ空いてます?」
「えぇ、空いてますよ。」
「それじゃ、二部屋お願いします。」
「はいよ。」
そう言うと、おばさんは奥の部屋へと向かっていった。
3人はフゥッと息を吐き近くのイスに腰掛けた。
「はい、これが部屋の鍵です。」
そう言うと、奥の部屋から現れたおばさんに鍵を渡された。
「お代は帰りに貰いますので、ごゆっくりして行ってください。」
そう言われ、はエドワードに片方の部屋の鍵を渡した。
「っと・・・・ここみたいね。それじゃ、また後でね。」
そう言うと、は二人に手を振り部屋の中へと入っていった。
エドワード達との部屋は隣り合わせ。
遠い部屋じゃなかったため安堵の溜息をつく
ドサッ・・・・
ベッドに勢いよく倒れこむと、そのままは天井を見つめた。
コンコンコン
「・・・?こんな時間に誰かしら?」
そう呟くとは「はーい。」と返事をした。
「オレだ。少しいいか?」
「・・・エド?」
「ああ。」
聞こえた声はエドワードのもの。
さっきまた後でと挨拶したばかりなのにと思いながら問いかける
そして返事を聞くと、ガチャっと部屋のドアを開けた。
扉の向こう側で待っていたのはエドワードなどではなかった。
「っ!?」
いきなり口を塞がれ、腕をねじ伏せられ、壁に身体を押し付けられる
「静かにしろ。お前に危害を加えるつもりはない。」
そう言うと男は持っていた布での口を塞ぎ、手首と足を布と太い紐で固定した。
「んーんー!!」
「静かにしろっ!」
静かに叫ぶと男はの頬をバシンと引っぱたいた。
「っ!!」
すると男はドサッとの上に圧し掛かってきた。
───何をっ!?
は即座にそう思った。
しかし口は塞がれ手足は固定され、何もすることは出来なかった。
すると、男の手がゆっくりとの胸へと伸びていった。
「───っ!?」
その様子を見たは、すぐに身体を動かし抵抗をした。
「まだ抵抗するつもりかっ!!」
そう言うと、男はバシッとを殴った。
しかし、それにもめげずにはキッと男をにらみつけた。
そのときに気がついた。
男の方にセレトの秘石と同じイレズミがあることに。
───父さんの刺客!?
ドンドンドン!!!
その時扉が勢いよく叩かれた。
っ!?どうかしたのかっ!?」
扉を叩くのはどうやらエドワードらしい。
「んーんー!!」
しかし口を塞がれているには返事をすることなど出来ない。
「大丈夫よ。何でもないわ。」
すると、男がの声を、口調を真似してエドワードに答えた。
「てめぇ・・・・誰だ?」
しかし、エドワードはすぐにではないと判断した。
殺気が膨れ上がるのがには分かった。
しかし部屋には鍵が架かっている。
そのことが男を油断させた。
今までの行動を続行させようとに視線を移した。
───っ!?やだっ!!やだっ!!!!!
スッと太ももに触れる男の指。
ゾゾゾゾっと背筋に悪寒が走るのがには分かった。
──っ!!!なんでッ!?どうしっ・・・・いやっヤダっ!!
「んー!!んーんーーー!!」
何とか抵抗しようと身体を動かす
しかしそれは無意味な抵抗だった。
男はの服を徐々に脱がしに架かった。
寝る準備に入っていたは既にブラウス一枚にキャミソール一枚にジーパン一枚というラフな格好。
すぐにのブラウスは肘の辺りにずれ落とされる。
────っ!!!!!!ヤダッ!!いやっ・・・やめっ・・・・やめてぇぇーーーーーーーー!!!
が心の中でそう叫んだ瞬間、首の真下、胸の中央辺りにセレトの秘石と同じ紋様が浮かび上がった。
その紋様が浮かび上がるたびに紅く光る光は強くなり、力も徐々に増していた。
それは秘石の力が復活しつつあることを差していた。
紋様が紅く光輝いた瞬間、を縛り付けていた紐や布は破れ、手足は自由となった。
「くくく・・・・成功したっ・・・・これで秘石の力は復活に近づいていく。くくくっ・・・成功だっ!!」
男はのその様子を見つめながら叫んだ。
ダンッ!!!!
「「!!!」」
勢いよくドアを蹴破り入ってきたのは、エドワードとアルフォンスだった。
床に座り込み、ボロボロの格好をしたを見てカッとなるエドワードとアルフォンス。
その様子は何者かに襲われたという事を物語っていた。
秘石の力が現れたときは、の姿はこんな風にはならなかった。
という事は故意にこのような姿にさせた者が居るという事。
そしてその者のめぼしはついていた。
この部屋にと一緒に居たものだった。
「てめー・・・・よくも・・・・・」
「くくく・・・・」
「何がおかしいっ!!!」
ギリッと歯を鳴らすエドワードを見て笑う男。
それを訊き、エドワードが怒鳴り散らす。
「男なら誰しも思っていることであろう?女をだき・・・・・」
バコンッ!!!!
途中まで言った男の言葉を聞き、エドワードは男を殴り飛ばした。
「それ以上言ったら、ボクも怒るよ。」
じろっと男を睨みつけたままアルフォンスは小さく呟いた。
「ふっ・・・このオレに適うものなどいないんだよっ!!!」
そう言うと、男は部屋の窓から逃げていった。
それを見届けてからエドワードはカタカタと震えるの元へと駆け寄った。
・・・・」
近寄り声をかけた瞬間、はピクッと肩を震わせた。
「あ・・・・たし・・・・」
カタカタと震えながら呟く
・・・どうしてあたしが、こんな目に会わなきゃいけないの・・・・?
は内心震えながらそう呟いていた。
エドワードは上に着ていた赤いコートを脱ぎ、にかけた。
一瞬ビクついただったが、すぐにエドワードの優しさが分かり、ギュッとエドワードのコートを握り締めた。
「・・・・りがと。」
小さく礼を言う
その姿を見て、まだ怒りを納められないエドワード。
でも、そのの小さく弱弱しいお礼を聞き、笑みを浮かべていた。


























コンコンコン
「おー?」
「エド?あたし・・・・だけど。」
「入っていいぞ。」
そう言われ、はギュッとコートを握り締めて部屋のドアノブに手を掛けた。
そして、ゆっくりと部屋のドアを開け、中へと入っていった。
「エド・・・・あの、これ。昨日は・・・・ありがと。」
そう言うと、スッと折りたたんだ赤いコートをエドワードに差し出した。
は既にいつもの服装に着替え終わっていた。
「あ・・・・ああ。」
ぎこちなくからコートを受け取ると、エドワードは座っていたイスにコートを掛けた。
そしてパタンと本を閉じ、テーブルに置いた。
・・・大丈夫か?」
「え・・・?あ、うん・・・・平気。」
エドワードの問いかけに、ニッコリと笑顔で答える
しかし、は今だにドキドキしていた。
恐怖していた。
当たり前であろう。
いきなり襲われたのだ。
「エド・・・少しこっちに居てもいい?」
そう言うと、グッと手を握り締めエドワードをジッと見つめた。
「ああ、いいぜ。そこ、座れば。」
エドワードはすんなりとOKしてくれた。
そして、すぐ側にあったイスを勧めてくれた。
はニッコリ微笑み「ありがとう」と小さく呟くと、そこに座った。
ガチャ・・・
「兄さん。もう起きてたんだ。朝食貰ってきたよ。」
そう言うと、扉を開けてアルフォンスが部屋の中に入ってきた。
両手に二つの大きなお盆を持ち、朝食を運んできていた。
カタンとテーブルに置くとエドワードとを見た。
「これ、二人の朝食。早く食べなね。」
そう言うと、アルフォンスはガチャンとイスに座った。
「あ、うん。ありがと、アル。」
そう言うと、は箸を手に取り食べ始めた。
「んぐっ・・・・ん〜〜おいしいぃ〜。」
頬を押さえながら万遍の笑みを浮かべる
どうやら緊張がほぐれたらしい。
───あんな事・・・・忘れちゃえば良いんだ。エドとアルが居るんだ・・・大丈夫・・・・大丈夫。
食事を取りながらは内心そう呟き、言い聞かせていた。
そのおかげで緊張が取れ、心から笑った笑顔を見せる事が出来た。
「よっし!!朝食食べ終わったら、早速町でサトリート砂漠に出現したという建物について聞くわよ!!」
「それくらい分かってるって。」
「良いじゃない、少しくらい張り切って言ってみても。」
「勝手にしてろ・・・・」
の叫ぶ声に反応し、呆れながら答えるアルフォンス。
その言葉には苦笑しながら答えると、エドワードが呆れながら呟いた。
その言葉を聞き、は苦笑を漏らした。
「分かった、勝手にするー」
そう言うと、はパクパクパクと食べ物をどんどん口へと運んでいった。
そのペースは速く、どんどん朝食に用意された食材がなくなっていった。
「ごちそーさまっ!じゃ、行ってくるねー!!」
そう言うと、食器の乗ったお盆を持ってエドワード達の部屋を出ようとした。
ガタガタンッ・・・・
その時、急にが倒れたのだ。
「「っ!?」」
なにが起きたんだと思い、エドワードとアルフォンスは急いで席を立ち、に駆け寄った。
すると、苦しそうな顔をしては身体を丸くしていた。
「あちっ!!」
大丈夫かと声を駆けようと、の身体に左手で触れたエドワード。
すると、その左手に凄い熱が伝わってきた。
っ大丈夫か!?!?!?」
エドワードは懸命に倒れているに声をかけた。
しかし、一行には目を開けなかった。
苦しそうに胸元を握り締め、身体を丸めていた。
「兄さん、どいて!!!!」
「!?」
アルフォンスの声に驚き、エドワードはから離れる。
すると、アルフォンスが急いでを抱きかかえ、ベッドに横にさせる。
すると、の首の真下、胸の中央辺りにセレトの秘石の紋様が薄っすらと浮かび上がっていたのだ。
どうやら、復活しつつあるという事らしい。
「からだ・・・・・が、あつ・・・・い。」
はベッドに横になりながらも胸元を握り締め、呟いた。
「セレトの秘石の力が復活しつつあるってのか・・・・・」
「みたいだね・・・・この様子だと。でも・・・どうしていきなり?」
「さあ・・・やっぱり、何もなくても秘石はの身体の中で成長しているって事じゃねーの?それを無理矢理、早く成長させるためにの父さんは刺客を送り続けているって事なんじゃ・・・?」
「たぶ・・・・ん・・・・・そう・・・・よ。」
エドワードとアルフォンスの会話を聞いていたのか、苦しんでいたは荒い息をしたままでそう呟いた。
眉間にシワを寄せ、肩で大きく荒い息をしていた。
・・・」
「な・・・・に、そんな顔し・・・・るのよ。も・・・・と、笑・・・て、笑っ・・・・!?」
そこまで言うと、は勢いよく身体を丸めた。
激痛がを襲ったのだ。
「喋るな!!」
「無・・・理だよ。あ・・・・し、お喋・・・・だも・・・・」
苦笑しようとしながらも、つらそうな喋り方となってしまう
額からは激痛を我慢する事によって浮かび上がってきている汗が流れ出ていた。
・・・静かに横になってた方がいいよ。」
「アル・・・そ・・・なの、あた・・・・には無理難だ・・・・いだ・・・・よ。」
アルフォンスも心配そうにの事を見下ろした。
鎧という姿をしているアルフォンスは表情を表すことは出来ないのだが、口調が凄く心配している口調だった。
そんなアルフォンスに手を伸ばし、は苦笑を懸命に浮かべながら呟いた。
「アル・・・暖か・・・・ね。すご・・・・暖・・・いよ。」
はそう呟くと身体を仰け反らせ、激痛に襲われた。
その瞬間、の意識が飛び意識を失った。
・・・・?」
「気を失ったみたいだな・・・」
「うん。このまま紋様が消えるまで起きなきゃいいけど・・・」
エドワードの言葉を聞き、頷くアルフォンス。
そして、辛そうな表情を浮かべて眠るを見つめて呟いた。
「大丈夫だろ、なら。」
「・・・・・そうだね。」


















この痛みは何??
今までになかった痛み。
身体の中で秘石が成長していたのは今までだって、分かってた。
でも、今まではこんな痛みはなかった。
今までは、成長して復活しつつある事を気配で感じるだけだった。
身体の中に眠る秘石の気配を感じて、成長している事を感じるだけだった────・・・・
この痛みは一体何なの?
初めて感じる痛み。
苦しい・・・・
痛い・・・・



















「う・・・・ん・・・・・」
!?」
声を上げ、目を開いた
その声を聞いてアルフォンスが急いでの元に駆け寄ってきた。
そのアルフォンスの声に反応し、イスで寝息を立てていたエドワードが目を覚まし、アルフォンスの後を追って駆け寄ってきた。
「起きたのか!?」
「エド・・・アル・・・・あたし・・・・」
「大丈夫か?」
「・・・うん。もう痛くない。」
エドワードは心配そうな顔をしてを見つめ、呟いた。
その言葉を聞き、は一瞬目を閉じゆっくりと瞳を開け、ニッコリ微笑んで言った。
「そうか・・・・なら良いんだけど。」
「うん・・・あたし、驚いた。行き成り身体が痛くなるから・・・」
「オレだって驚いたよ。いきなり倒れるんだからよー。」
の言葉を聞き、エドワードは苦笑しながら、オレもだと語った。
「それはボクも同じ。兄さんってばどうしたらいいか分からなくて、ただオロオロするだけなんだもん。」
アルフォンスのその言葉を聞き、はプッと噴出し、クックックと笑い始めた。
笑っちゃいけないと思っていても、笑いが止まらない。
そのため、押し殺した笑い方となってしまった
〜〜〜〜!!笑う事ねーだろ。」
「だって・・・エドっぽいなって思うと・・・・ぷぷぷ・・・・・あははっ。」
押し殺した笑い方をするを、軽く叱咤するエドワード。
しかし、その行動はの今以上に笑わせる事となるのだった。
「紋様も消えてるみたいだし・・・・なんとか落ち着いたみたい。もう、動いても大丈夫だと思うわ。」
そう言うと、は身体を起こした。
「おっおいっ!!まだ起きない方がいいだろ!!」
「大丈夫よ。」
「一応、寝てろ。」
「───・・・・分かった。」
起きようとしたの肩を両手で掴み、ベッドにもう一度寝かせるエドワード。
そして、まだ寝ていた方がいいとに優しく声をかけるエドワード。
優しく声をかけるなんて慣れていないエドワードは凄く照れた感じで、頬を赤らめていた。
そんなエドワードの様子を見ていたからこそ、は素直にエドワードの言葉に従い、布団を被った。
「エド・・・」
「あ?」
「おかゆが食べたい・・・」
布団を鼻の辺りまで被ったは、小さな声でエドワードに呟きかけた。
ポリポリと頭をかくと、エドワードは「分かったよ。」と小さく呟き姿を消した。
そんなぶっきら棒なエドワードの様子を見ては嬉しそうに笑みを浮かべた。
・・・良かったね。」
「うん。アルも心配かけちゃったね、ごめん。」
「ボクはいいんだよ。」
「いいわけないでしょ。」
そんな嬉しそうな笑みを浮かべるを見てアルフォンスは遠くから声をかけた。
布団を顔から外し、心配掛けてしまった事をアルフォンスに謝るだったが、アルフォンスはそんなこと気にしていなかった。
でも、にとっては気にする事だった。
「あちっとわっちっ・・・・」
「「??」」
エドワードの声が聞こえてきて、アルフォンスとは顔を見合わせて首をかしげた。
するとガチャッと部屋の扉が開けられ、エドワードが入ってきた。
両手で熱いおかゆの入れ物を持ち、に近づいていった。
「ほら、おかゆ。」
「ありがと。」
ぶっきら棒に言うエドワードは、熱いおかゆをテーブルの上に置く。
そんなエドワードの後姿を見つめながら、微笑みながら礼を言う
そのの笑みは本当に嬉しそうだった。
「熱いから気をつけろよ。」
「うん。でも、エドにおかゆが作れるなんて・・・・ちょっと驚き。」
ちゃんと忘れずに熱いという事をに伝えたエドワードの顔はちょっとテレていた。
そんなエドワードを見つめながら意外ーと声を漏らす
「母さんが死んでから・・・アルが風邪引いたときとかにオレが作ってたからな。」
エドワードのその言葉を聞き、いけないこと言っちゃったなと反省した
罰の悪そうな表情を浮かべ、上目遣いでエドワードとアルフォンスを見つめる。
「んで、がんな顔すんだよ。気にすんなっつーの!!」
「・・・・・うん。」
エドワードは明るくそう言うが、からすればやっぱり罰の悪い事で、多少間を空けてからしぶしぶうなずいた。
それでも、やっぱり気になるらしくはしばらくの間罰の悪そうな表情をしていた。























「ごめんね。あたしの所為で昨日、聞き込み出来なくて。」
は部屋で普段着に着替え、宿の一階に降り待っていたエドワード達に最初にそう言った。
昨日はあの後すぐに3人は眠りについた。
時間帯が時間帯だったわけだったし。
「んなこと気にするな。」
エドワードはぶっきら棒に短くそうに呟きかけた。
「そうそう。兄さんの言うとおり気にすることじゃないよ。」
「・・・うん、ありがと。さて・・・・そろそろ聞き込み開始する?」
「そうだな・・・・」
アルフォンスの言葉を聞き、少し戸惑っただったが、「ありがとう」と小さく礼を言い、周りをキョロキョロと見渡し始めた。
「日が暮れる頃に、またここに集合。って事でいいか?」
「「OK」」
エドワードの問いかけにアルフォンスとはグッと親指を立てて同時に合図した。
「じゃ、また後でっ!」
そう言うと、は駆け出し始めた。
宿を出て、クオーフィールの中央にある広場に向かった。
「兄さん。ボク達も急ごうよ。」
「ああ、そうだな。じゃ、アル。また後でな。」
「うん。」
そう言うと、エドワードとアルフォンスも逆の方へと歩き始めた。





























「・・・・情報がない・・・・・」
広場にあるイスに腰掛けて、うんざりという感情を含めた言い方で言う
広場に来てから10人近くの人にサトリート砂漠に突如出現した建物について問いかけてみるが、誰もが「何それ?」という反応だった。
全く知らないようだった。
「だぁぁーーーー!!どーして情報がなーーーんもないのよぉぉーーーーー!!!!」
はイスに座ったまま、身体を伸ばしながら叫んだ。
広場に居た人々は、いきなり叫んだに驚き変人を見る目でを見つめた。
その視線に気付いたはコホンと一つ咳払いをすると、そそくさと場所を移動した。
次の目的地は、広場から北の方へ向かった場所。
エドワードとアルフォンスと待ちあわせをした宿とは全く逆方向の方へは進んでいった。
宿は広場から南の方へ向かった場所にあるのだ。
「あーあ・・・ここではいい情報取れないかなぁ・・・・」
そう呟きながら、は細い路地を歩いていた。
左右を見渡すと、いろいろな店が並び、店の人が呼び込みをしていた。
その店々では情報を得ようと話しかける事にした。
「あのぅ・・・・」
「はい?」
「サトリート砂漠に突如出現した建物・・・・って知ってますか?」
「サトリート砂漠に??建物なんか出現したのかい?」
「あ、知らないならいいんですけど・・・」
「すまないねぇ。ここは砂漠から遠いからそういう情報は入ってこないんだよ。」
「そうなんですか・・・ありがとうございました。」
「お役に立てなくてごめんねぇ・・・」
しかし情報という情報は取れなかった。
サトリート砂漠から遠いという事も影響していたからこそ、情報が取れないのだろう。
そのことが分かっただけでも一歩前進だ、とは自分に言い聞かせた。
「エド達は情報得られたのかなー?」
そう呟きながら、は両腕を頭の裏で組み歩いていた。
そして北の場所へ辿りつき、今までと同じ段取りで情報を得ようと問いかけた。
が、やはり結果は同じで、いい情報は得られなかった。
そして気付くと日が落ちかけていた。
「げっ!!やっばぁ〜〜急がなきゃっ!!」
そう言うと、はエドワードとアルフォンスと約束していた宿へ向けて駆け出し始めていた。



















「ったく・・・・の奴遅いな。もうすぐ日が暮れるぜ。」
「うん・・・・ちょっと心配だね。一人で行かせない方が良かったかな?」
「・・・・だよなぁ・・・・」
エドワードとアルフォンスは宿の外にあるイスに腰掛けて、がやってくるのをひたすら待ちわびていた。
自分たちのとった行動がよくなかったんじゃないかと思い、アルフォンスは悩んだ。
が、心配無用の元気な声が聞こえてきて、二人は安堵の笑みを浮かべた。
「エドーーーー!!アルゥーーーー!!」
パタパタと手を振りながらはイスに座るエドワードとアルフォンスに駆け寄ってきた。
「遅い!」
「そーだよ。心配したんだよ。」
「ごめん。ちょっと北の方まで行ってきてたから・・・」
「「北の方!?」」
エドワードとアルフォンスの叱咤の声。
それを聞き、はペコリと頭を下げ謝った。
そしてから出た宿のある南とは逆方向の北の方という言葉を聞き、二人は驚きの声を上げた。
「うん。北の方。だからちょっと遠くって・・・・」
「そりゃ当たり前だぁぁーー!!」
アホかーーー!!といわんばかりの勢いでエドワードはに突っ込みを入れた。
それを聞いていたアルフォンスはクスクスと笑い始めた。
それを見てもエドワードも笑みを浮かべた。
「あははっはははは・・・・あはははっ。」
は笑いすぎっ!」
笑いまくるにビシッと手厳しいツッコミを入れるエドワード。
しかし、その仕草が逆にの笑いを激しくさせた。
「あははっはははっあははははっはは・・・腹いた・・・いたひ・・・・ひゃははっはははっ。」
・・・・いい加減笑いやめ。」
「む・・・無理。」
ずーっと笑い続けるを見て、むぅっとした顔をして呟くエドワード。
しかし、笑いながら無理という意思を伝える
笑いすぎでお腹が痛くなったらしく、は今度はお腹を抱えながら笑い始めた。
「・・・そこまで笑えるってのはある意味才能だよ・・・・」
アルフォンスは笑い続けるを見つめて、小さく呟いた。
「そ、それより・・・中に入らない?」
「やっと笑い終わったか・・・・」
笑いが止まり、ふと我に返ったはエドワードとアルフォンスに問いかけた。
その言葉を聞き、エドワードは溜息を付きアルフォンスと顔を見合わせた。
「そうだね、中入ろうか。」
そう言うと、アルフォンスはの背中を押して先に宿の中へと入らせた。
その後に続いてアルフォンス、エドワードと宿の中へと入っていった。
「部屋、何があるか分からないから、オレ達の部屋で寝るか?」
「ううん。大丈夫。気をつけるから・・・」
「そうか?」
「うん。気遣ってくれてありがとね。」
エドワードの気遣いが凄く嬉しい
しかし、そこまでしてもらうわけにはいかずに、はニッコリ微笑んで扉のドアノブに手を伸ばした。
「それじゃ、夕飯時刻くらいにまた〜」
「あぁ。」
そう言うとは部屋の中へ入っていった。
それを見届けたエドワード達もパタンとドアを閉め部屋の中へと入っていった。
パタン・・・・・
「〜〜〜〜〜っはぁぁーーーー!!」
は扉を閉めると、胸にためていた息をいっきに吐き出した。
胸に手を当てるとドキドキと心臓がときめいている。
頬が赤くなり、頭がポーッとしているのが自身にも分かった。
───ヤバイ・・・・隠していけるかな・・・・
ストンと扉に背中を預けたまま床に座り込む
その顔は真っ赤に染まり、エドワードの事ばかりしか考えられなくなっていた。
「ああーーーー!!もうっ!!」
嬉しい。すっごく嬉しい・・・・エドがあたしの事を心配してくれている事が・・・・すっごく・・・・
は座り込んだまま天井を見上げた。
その顔は徐々に真っ赤に染まっていっていた。
胸は高まり、鼓動が跳ねる。
頬は赤く、熱を持ち、頭をポーッとさせる。
「っはぁーーーー・・・・本っ当に・・・ヤバイかも・・・」
両手で顔を覆い隠す
両手を顔から離し、ギュッと膝を抱きかかえる。
そして、ゆっくりと立ち上がりベッドへと倒れこむ。
「エドのあほぅ・・・・・・」
そう呟くとは横を向いていた顔を枕に埋めた。
「・・・寝よ。」
そう呟くと、服を寝巻きに着替えはじめる
ウエストポーチを外し、ベルトを外し・・・・
そしてゆっくりとベッドの中に滑り込む
「ふわぁぁーーー・・・・」
大きなあくびを浮かべ、はうつ伏せになり顔を枕に埋めた。
瞳を閉じ、エドワードの事を思い浮かべながら夢の中へと入り込んでいく。
大好き・・・・・だよ、エド・・・・
夢に完全に溶け込む直前、は心の中でそう唱えていた。



























チュンチュンチュン・・・
「ん〜〜〜〜・・・・」
鳥のさえずりが聞こえ、は目を覚ました。
カーテンの隙間から日差しが入り込み、の顔を照らす。
大きく伸びをしてからベッドから身体を起こす
シャーーーッとカーテンを開け放ち、朝日を存分に浴びる。
「ん〜〜今日もいい天気になりそうね。」
そう呟くと、窓を開け新鮮な空気を思いっきり吸い込んだ。
「おはよー・・・・。」
「?」
声が聞こえ、はその声の方に視線を移した。
そこにはエドワードが居た。
と同じように窓を開け空気の入れ替えをしていたようだ。
「あ、おはよ。」
「今日、何時くらいに朝食食べに行く?」
はふと思い出したようにエドワードに問いかける。
「そうだなぁ。行く時に声かける。」
「ん。分かった。」
エドワードの出した答えに苦笑を浮かべる
短く了解とエドワードに言うと、顔を引っ込める
パタンと窓を閉めると、は額を窓に押し付けた。
そのの顔は嬉しさで溢れかえっていた。
「朝からエドと話せるなんて・・・・思わなかった・・・・」
そう呟くと、ハッとエドワードの言葉を思い出した。
『行く時に声かける。』
いつ声をかけに来るか分からないエドワード。
今のうちに普段の服に着替えておかないと───と思い、急いで着替え始める。
そして、髪の毛をセットしてイスに座り二人が声をかけに来るのを待つだけ。
「・・・いつ来るか分からないし・・・本でも読んでよーっと。」
そう言うと、二冊の本を取り出した。
の得意とする錬金術の本『雷』と『風』についての本だった。
その本は何度か読んだことがあるらしく、至る場所に紙が挟みこまれていた。
パラパラとページをめくり読みかけていた場所を開ける。
そして目を通し始める
まるで周りの音など耳に入ってこないかのような集中力で本を読み始めている。
コンコンコン
扉をノックされる音。
それと同時にアルフォンスの声が聞こえてきた。
?そろそろ朝食食べに行くけど・・・・・・・・・????」
その声を聞き、ハッとした
本をテーブルの上に重ねて置き、急いで扉を開ける
「ごっめん。本に熱中しちゃったみたいで。」
笑いながら謝るの様子を見て、安堵の溜息を付く二人。
なかなか返事がなかったため、何かあったかと不安に思っていた二人にとって、の言葉は安心する言葉だった。
「それより、今日の日替わりランチは何かしら〜」
「さぁな。」
「そんな簡単に答えないでよー!!」
の言葉を聞き、苦笑しながら短く答えるエドワード。
その短さには文句をつける。
しかし、顔には笑みを浮かべて。
「ほら、席取られちゃうよ。」
「あわぁぁ、それはダメぇ!!」
アルフォンスは一箇所しか空いていないテーブルを指差し呟いた。
それに即座に反応し、駆け出したのはだった。
急いでテーブルに到着し、席に座る。
「そんなに急がなくても大丈夫だよ。」
「席取られるって言ったのはアルでしょ。」
笑いながらに続いて席に座るアルフォンス。
その言葉にはプゥッと頬を膨らませる。
「いらっしゃい。何にする?」
店の奥からやって来たのは、この宿を経営しているおじさんの奥さんだった。
「じゃぁ、あたしはコレで。」
メニューを取り出し指差す
それに続きエドワードとアルフォンスもメニューから食べたい物を選びおばさんに伝える。
「あいよ。じゃ、ちょっと待ってね。込んでるから時間かかるかも知れないけど・・・いいかい?」
おばさんの言葉に三人は顔を合わせ同時にコクリと頷いた。
「この辺じゃ見かけない顔だけど・・・旅行か何かかね?」
おばさんは注文表をおじさんに預けると、達の所にやってきて問いかけた。
その言葉にエドワードは苦笑しながら「旅行っつーか、旅してんだよね、オレ達。」と言った。
「旅ねぇ・・・・行き先とかはあるのかい?」
「いや・・・・なかったんだけど・・・・」
「だけど?」
「ちょっと今、行きたい場所があってね。」
ポリポリと頭をかきながら答えるエドワード。
その言葉を聞き、おばさんは首をかしげた。
「行きたい場所とな?」
「あぁ。」
「おばさん、サトリート砂漠に突如現れた建物・・・知ってる?」
は首を傾げるおばさんにそう問いかけていた。
「サトリート砂漠に?ここから確か・・・・北に行った方向だよねぇ?」
おばさんの言葉にコクリと頷く
ゴクリと息を呑み、おばさんの言葉を待つ。
「さぁ??こっちはクオーフィールの南だからねぇ・・・分からないね。ごめんよ。」
「そうですか・・・・すみません、ありがとうございます。」
「いやいや。」
そう言うと、は頭を下げおばさんにお礼を言った。
その行動に手をパタパタと振りながら良いんだよ。と呟くおばさん。
そのまま、ニッコリ笑みを浮かべると厨房の方へと戻っていった。
「やっぱり知らない・・・か。クオーフィールの北に住む人も知らないんじゃ・・・ここでは情報は得られないかな?」
「かもしんねーな。あーあ・・・残念。」
「そうだねぇ・・・ここで何か情報得られれば少しは前に進めるのに・・・」
三人は大きく溜息を付き天井を見上げた。
昨日と全く変わることのない天井。
そして、いつもと変わらない営業を続ける宿。
「まぁ・・・次の町で何か得られるかもしんねーし・・・・」
「何とかなるよ。」
「そだね。」
自分に言い聞かせるかのように呟くエドワード。
その言葉を聞き、アルフォンスもコクコク頷く。
その二人の様子を見て、少し間を置き頷くだった。
















To be continued...






という事でー・・・・如何でしたかー??
ちょっと今回は長すぎましたかね?(笑)
ちょっとヤバイシーンもありで・・・・(苦笑)
ごめんなさーい!!!許してくださいぃぃーーーー!!!
でも、あの程度ならまだ裏行きじゃないですよね?ね?ね?(汗汗)
今回の話はがやっとこエドの事がスキだって気付いたシーンですねぃ。
どうでした??
恋する乙女の複雑な・・・・複雑な?
まあ、それは良いとして・・・コレからが問題ですね。
どうやって戦闘シーンを入れていくか。
どうやって秘石を完全復活させるか。
父さんはいつ出現するのか。
サトリート砂漠にある建物についての情報。
いろいろと問題が残ってますが・・・
次回へ〜〜〜〜〜続くぅ!!!!
ってぇぇーーー事で、次回をお楽しみにっ!!!






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