デジャヴ…こう言う事を言うんだっけ










Deja Vu










公園で横になって眠ってるヒノエ。
その姿を見て、はあるワンシーンを思い出した。



あれは……



まだクリスマスになる前。
ヒノエ達を連れて、現代へ来てしまった時の事。

以前に一度だけ、こうしてヒノエと公園の芝生の上で寝転がったことがあった。


「姫君?ずっとオレを眺めてどうしたんだい?」


掛けられた声に、ビクリと肩を揺らした。
視線を向ければ、悪戯っ子の笑みを浮かべるヒノエがを見つめていた。


「気付いてたの?」


に気付かないほど、俺は疎くないからね」


そう言いながら、ヒノエはを手招きした。
少しだけ躊躇った後、はヒノエの方へと歩みを向けた。

ストン…


「それじゃぁ、私は一生ヒノエくんを驚かせられないじゃない」


ヒノエの隣に腰を落としながら、少しだけ不服だと表情に出した。
ぷぅっと頬を膨らませ、ヒノエを見つめる。


「姫君、そういう顔も非日常的で可愛らしいよ」


「ヒノエくんっ!?」


ちゅっ

音を立てて頬を膨らませるの唇にキスをした。
そういう行動には未だになれず、顔を真っ赤に染め上げる。

そんな初々しい反応が、ヒノエはたまらなく好きだった。


「少しは慣れたらどうだい?こういう行動にもさ」


「ヒノエくんはいきなり過ぎるんだもん 無理だよ〜」


隣に座りながらも、少しだけ離れる様に後ずさってしまう。
距離を空けても、ヒノエは近づいてくる。

逃れられない。


「オレはそういう生き物だから
 の方が慣れてくれないと、ずーっとこのままだけど?」


「うっ それは……」


少なからず、ヒノエのそういう行動は刺激的で嫌いではなかった。
ただ、恥ずかしさが先立ってしまうだけで。


「………頑張りマス」


「楽しみにしているよ、姫君」


の言葉に、ヒノエはフフッと微笑んだ。


「それで、今日はどうしたんだい?」


「ええと……実は、ヒノエくんにプレゼントがあるんだ」


「オレに?」


もじもじと言い辛そうなに、ヒノエは首を傾げた。
ヒノエからにしたプレゼントは数知れず。
けれど、からのプレゼントに、ヒノエは密かに心躍っていた。


「今日が何の日か…ヒノエくんは知ってる?」


「ああ…確か、バレンタインデーだったっけ?」


の問いかけに、ヒノエは少し考えるように視線をあさっての方向へ向けた。
そして出てきた答えを口にするも、最終的に疑問形になるのは確認のため。

そうだと言いきれないのは、まだ現代に来て間もないから。


「うん それで────」


「チョコレートをオレにくれるのかい?」


ヒノエの言葉に、ゴクンと息を飲んだ。
どうして言いたい事を先に言ってくれるのだろうか、と。


「…うん 手作りじゃないのは申し訳ないんだけど…」


そこは自分の腕を理解している証拠だろうか。
譲でさえも、なるべくには料理の手助けはさせようとしない。


「オレは別に手作りかそうじゃないかは関係ないよ
 からのプレゼントかそうじゃないか それが一番の問題だと思うね」


「ヒノエくん……」


自信満々な笑みを浮かべ、言い切ってくれるヒノエ。
その言葉にがどれだけ救われたことか。

嬉しそうな笑みを浮かべ、離れていた距離をは一気に縮めた。


「ハッピーバレンタインデー
 来年も再来年も…十年先も…ずっとずっと、貰ってね?」


「ああ もちろんだよ、姫君」






........................end




バレンタインのフリー夢です。
ヒノエは神子の何歩先も歩いてくれてるといいな…で、神子はヒノエの発言に照れまくるといいんだ!
そして、ヒノエはそんな神子にキュンキュンしてくれればいい!

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