「将臣くんの馬鹿」


「おい、?」


ぷーっと頬を膨らませ、将臣の言葉を無視した。
ふいっと視線を逸らして、はさくさくと先へ進む。











Let this situation say a sarcasm today?











、待てよ!」


ガシッ

声を上げながら、将臣はの腕を掴んだ。
場所は森の中。

は、ひそかに将臣に打ち明けていたのだ。


私は源氏の神子 将臣くんは平家の────……還内府なんでしょ?


そう言われた瞬間の、将臣の顔は強張っていたけれどが源氏の神子かもしれないという事は覚悟していたようだった。


「なんで将臣くんは還内府なの?」


「……


「どうして……私は源氏の神子なの?」


「…………」


の問い掛けに、将臣は返す言葉もなかった。
ギリ……と静かに奥歯をかみ締めるだけ。


「せっかくの将臣くんの誕生日……祝いたくても、ちゃんと祝えない」


「……そんな事で不機嫌だったのか」


の言葉に将臣はハハハ、と笑った。
その笑い声にの頬は余計に膨れ上がる。


「そんな事じゃないよ!!」


そう大きく叫んでから、小声で「そんな事じゃないもん」とぼやいた。
にとって、大好きな人の生まれた日を祝えないことほど寂しいものはない。
生まれてきてくれてありがとうと、堂々と伝えられないのが苦しいのだ。


「……俺にとっちゃ、こうして誕生日に抜け出して会ってくれるだけでも嬉しいぜ?」


「〜〜〜〜っ」


ちゅっ

リップ音を鳴らし、将臣はの唇を奪った。
顔を染め上げ、将臣の顔をはまっすぐ見つめた。


「……本当に?」


「ああ 本当だ」


くしゃくしゃ……

将臣の、その大きな手での髪をくしゃくしゃにするように撫でる。
長い髪は頭の天辺でくしゃくしゃと形を変える。


「……ごめんね すべてが終わったら……ちゃんとお祝いするから」


「んなのいーって」


の言葉にふき出すように笑ってしまう。
それでも、その言葉が将臣の支えになる。
発した言葉が、の支えになる。

何が何でも、源氏と平家が平和になる、という目的のための。


「将臣くん、誕生日……おめでと」


その言葉と同時に、将臣を包み込む暖かく女性特有の香り。
そして、唇に触れた柔らかい感触。


「……ああ サンキュー」










...............end




Let this situation say a sarcasm today?とは『この立場に、今日ぐらいは嫌味を言わせて?』という意味。

ということで、将臣の誕生日〜〜〜!!
フリー夢ということで、二人の立場の中での誕生日を基盤に書いてみました。

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