もう、何年も祝ってる
変わらないよ……白龍
あなたがたとえ神様として天に戻ってしまっても
私達の縁は……
私があなたを好きなことは……
ずっと、決して……
Pinus
「白龍ー!聞こえるぅぅぅぅ!?」
はこの時期になると、いつも鎌倉の海辺へとやってくる。
空に向かって大きく叫ぶ。
もう、この大地にはいない白龍のことを。
聞こえない……白龍の声
聞こえるはずがないのは、だっていつも分かっていた。
けれど、この日だけは違うのだ。
新たな年を迎える日だからか、それとも初詣に来る人々の願いを聞くためか──
「……白龍、いるんだよね?」
どこに、とは言えない。
それは分からないから。
分からないけど、感じることが出来た。
白龍の神子として、ずっと繋がってきたからか。
それとも、白龍を好いて、白龍もを好いてくれて、絆が、縁があったからか。
「白龍、生誕……おめでとう」
誕生日なんて知らない。
神様だから誕生日なんてないのかもしれない。
それでも、誕生日を祝いたかった。
神として生まれてきてくれたことを、感謝したかった。
だからは、かつては全員が年が明けてから年を取るという文化に則って白龍をお祝いしようと考えた。
「来年も、再来年も……私の気持ちは、私達の縁は変わらないよ」
呟き、持っていた松を海へと流した。
松は縁起の良い植物であり、そして四季を通して変わらぬ緑を象徴するものだ。
だからこそ、きっと持ってこいのものだと思い、はそれを用意した。
「
神子……ありがとう
」
風に乗って、白龍のそんな声が聞こえた気がした。
ザァァァァァ……
海の音が聞こえる。
サワサワサワサワ……
風の音が聞こえる。
「……白龍、また……来年」
「
……うん
」
空耳のような、けれど確かに頷いたような、声。
それを耳にしながら、は踵を返し海辺を後にした。
「
ありがとう……私の、私だけの……神子……
」
....................end
物語の中でも語っていた通り、白龍の誕生日は不明です。
んでもって、神様に誕生日なんてあるのかね?とも思うわけで……
だったら、昔は年明けに全員年取ってたんだから!ということで、一月一日に白龍生誕をお祝いしようじゃないかと!!(笑)
去年(二〇〇八年)までは生誕夢は全部フリーで配布してたんですが……今年からはそれは廃止しようかなと。
まぁ、あとがきにも書いてあるし、リンク貼ってある場所にフリーアイコンついてないから分かるでしょうが。(笑)
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