誕生日、何をあげようかと悩んだ
こちらの世界へ来て、渡せるものは増えた

でも……

増えた所為で、何を上げようかって悩みまで増えちゃった!!










あなたへの草紙










「読んだことないよね、きっと」


はそう呟きながら、本屋さんで買った本をラッピングして家路を急いでいた。
今日は鷹通を家に読んでいたのだ。



喜んでくれたらいいなぁ……



嬉しそうに微笑みながら、家路を急ぐ足取りは軽くなる。

喜ぶ表情。
受け取る仕草。

それらを想像するだけで、心が温かくなる。









「ただいまー」


「おかえりなさい、 鷹通さん、来てるわよ」


「はーい」


母親にそう言われ、は頷き部屋へと歩みを向けた。
喜んでくれるかなと微笑み、すでに持っていたらどうしようと悩んで、喜んでくれなかったらと落ち込んで。
けれど、きっと鷹通ならそうだとしても顔に出さないはずと喜んで。
そんな百面相を繰り広げながら、は部屋のドアを開けた。


「おかえりなさい、神子殿」


「鷹通さん、もう神子殿じゃないですよ」


「ああ、そうでしたね……殿」


殿はまだ抜けないか、と思いながら苦笑を浮かべ。
鷹通の傍に座り込むと、綺麗にラッピングされた包みを鷹通へと差し出した。


「?」


「お誕生日、おめでとうございます って、ちょっと日にち経っちゃったんですけど……」


分からないと首を傾げる鷹通に、は笑って包みを押し付けた。


「それ、誕生日プレゼントですよ 気に入ってくれるか分からないけど」


その言葉を耳にし、鷹通は包みを開けた。
そこには、鷹通が京で暮らしていた頃の歴史的書物だった。


「これは……」


「も、もしかして持ってるものでしたか?」


「いえ、大丈夫ですよ 殿からこうして贈呈品をもらえるとは思っていなかったので……嬉しくて」


嬉しそうに微笑み、眼鏡を掛けなおした。
その仕草に、つい京時代の服装に身を包んだ鷹通を思い出してしまう。


「あの頃は、渡せるものも限られてましたからね……」


「ええ ですから、こちらは素晴らしい世界ですね」


の言葉に頷き、そして鷹通はの世界への関心を深めた。
嬉しそうに、本の表紙を見つめる。


「大事に読ませていただきます、殿」


「はい 喜んでもらえたなら、プレゼントしてよかったです」


「ありがとうございます」


「私こそ、生まれてくれて……そして、私の傍にいてくれてありがとうございます」


京を捨てて、の世界へと来てくれた鷹通。
そのことに感謝して、微笑んだ。









....................end





十二月二十二日は鷹通の誕生日ということで、フリー夢です!
鷹通には本かなぁ〜と。
で、しかも鷹通が暮らしてた時代位の本だったら関心持ってくれそうだと。(笑)
まぁ、愛しい人からのプレゼントなら、何でも受け取ってくれそうですけどね。(苦笑)

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