いつも私は求められる

野獣のような、あの飢えた紫色の瞳に










pleasure is you










知盛がいつも求めていた戦の世界
そこから知盛を遠ざけたのは、確かに私だった………



「知盛ー…寝てないで、少しは私の相手くらいしてよ」


ぐうたらと部屋でゴロンと横になっている知盛。
は知盛の横に座り、その気だるげな顔を覗き込んだ。


「お前が俺を……退屈させなければな」


「知盛が退屈しないのは戦だけのくせに」


その言葉に、知盛の視線がに絡み付いた。
そして不敵に笑う顔。


「ククッ そうでもないが?」


「そうなの?」


知盛の言葉に、は首を傾げた。
戦の他に、何が知盛を夢中にさせるのか。



私?
なわけないか……



一人でそう考え、その考えに突っ込みを入れた。
肩をすくめ、苦笑を浮かべると。


「何を一人で笑っている お前は……俺を楽しませてくれるんじゃぁなかったのか?」


「…楽しませて欲しいの?」


ゆっくりと身体を起こす知盛に、はやはり首を傾げたまま問い掛けた。
確かに、知盛は以前に向けて『お前は俺を楽しませてくれる…』と言っていた。

しかし、にそんな意思などなかったのだ。


「お前が俺を楽しませてくれないのなら……俺が一人で楽しませてもらうさ クククッ」


そう言うのと行動と、どちらが早かっただろうか。
の視線は、一瞬にして回転し天井が広がっていた。

そこで漸く、知盛に押し倒されていた事が分かった。


「知盛ってほんと、狼だよね」


「男は全て…少なからず狼だ とでも言っておこうか」


「─────っ」


近づく知盛の顔を瞳を見つめ、は言った。
その言葉に知盛は苦笑を浮かべ、その首筋に唇を落とす。

の口から割って出てくるのは、息を呑む声。


「初めてではないんだ 少しは慣れたらどうだ?神子殿?」


「〜〜〜〜〜〜〜っ」


楽しげに揺れる紫の瞳。
その飢えた色が一瞬にして、獣の色へと変化していた事には気付いた。








愛してる……








その事情で感じるのは、そういう思い。
隣に横になる知盛を見つめ、は微笑んだ。


「知盛」


「……」


「ハッピーバレンタインデー 本当は、もっと早くに知盛を楽しい気持ちにさせてあげたかったんだよ?」


布団を身体に巻き付け、肌を隠す
持って来ていた鞄の中から、一つの箱を取り出した。


「お前が…俺を楽しい気持ちに、か?」


「そう これは……ほんのサプライズに、知盛に買ったの」


差し出す箱を迷わず受け取る知盛。
その包装紙をはぎ取り、中から出てきたのは丸い形をしたチョコレート達。


「……チョコレート、か 悪くない」


そう楽しげに笑う知盛を見ると、買って良かったと思えるが居た。


「ねぇ、知盛」


「何だ」


「来年も……また貰ってくれる?」


その言葉に、知盛は一瞬キョトンとした瞳をするも。
すぐに瞳を細め、の上に覆いかぶさる。


「えっ また!?」


知盛がこうする時は、そういう合図。
それが分かってるは顔を赤く染め上げ、声を上げた。


「お前が用意してくれるなら……いつでも貰うぜ ククク…
 だが、今は……このチョコレートと、お前を堪能させてもらおうか……クククッ」


そして、長い長い二人の戦いが幕を上げた。








.........................end




バレンタインフリー夢です。
知盛を描くと、どうしてもエロティックになる事が判明。
でも、やっぱり知盛の発言は聞いててエロいので、知盛はエロくなくちゃいけないと思う。(笑)

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