「ねぇ、仲良くしてよ!」

いつも仲良しな光と馨が好きだった。
でも、いつの間にか2人は良くケンカをするようになった。

「いやだね。」
「今更仲良くなんて出来ない!」

私の前に居る時だけ、いつも2人はケンカをする。
そんなに私が嫌いなのかと思ってしまうほどに。

「どうして!?前はあんなに仲良しだったのに……っ!!」













“BBSオンリー17万HITプロジェクト!”みっつのハート












「「ーーーーーー??」」
「!」
ちゃん?どうしたの?」
聞き覚えのある重なった2つの声に反応し、はハッとした表情を浮かべた。
彼女のフルネームは、
ただ今話をしている藤岡ハルヒと、追いかけてきているであろう双子──常陸院光と馨と同じ1-A所属である。
「ごめん、ハルヒくん!」
それだけ言うと、教室の前のドアから入ってきた光と馨とは反対にある教室の後ろにあるドアからは飛び出した。
すれ違いで教室を出入りした為、光と馨には教室に居ると思っていたの姿がなくて首を傾げた。
「…あれ?」
「確かに教室に入ったような……」
そう言いながら、唖然と光と馨を見つめるハルヒに気付き2人は近づいてきた。
近づく2人に気付き、ハルヒは“あ”と声を漏らし急いで視線を外した。
しかし、既に遅し。
「「ハールヒー。何か知ってるねェ?」」
ニヤリと笑みを浮かべ、光と馨はハルヒの座る席の机の上に両側から手を乗せて問いかけた。
“知らないよ”と少し焦りながらも、何とか冷静を装いながら返事を返すが。
光と馨には何かを隠しているように感じたようだ。
「隠したって無駄だよ?」
「そーそー。僕等に隠し事なんて…出来ないんだからさぁ。」
その言葉に、ハルヒは“ごめん、ちゃん…”と内心思い大きくため息を吐いた。











「あー…辛い。」
あまり人通りのない廊下。
そこの壁に寄りかかり、大きくため息を吐いたのは先ほど教室から逃げ出しただった。
「あれェー?ちゃん、どーしたのォ?」
壁に寄りかかっていると、聞こえたのはホスト部員の1人───光邦だった。
その横に大きく佇むのは、いつも光邦と共に居た崇だった。
「…あ、ハニー先輩とモリ先輩。」
声の方へ視線を向けると、はやっと光邦と崇の存在に気付いた。
「また逃げてきたのか?」
「う……」
崇の指摘にはベタッと全身を壁に張りつけて顔を少し下へ向けた。
「いつもここに来るからねェ〜v」
コクコクと崇の言葉に同意しながら光邦はニコニコと微笑んでいた。
の右側に光邦、の左側に崇が壁に寄りかかり前を見据えた。
「…ハニー先輩、モリ先輩?」
いきなりの行動に意味が分からず、は首をかしげて交互に2人を見つめた。
ちゃんは、ヒカちゃんとカオちゃんが好きなのにねェーv」
「なっ…何言ってるんですか!」
「誤魔化さなくてもいいよ?ね、崇〜」
「ああ。ちゃんと分かってる…」
光邦の言葉に顔を真っ赤に染め上げ否定の言葉を上げる。
しかし、光邦も崇もの気持ちを見抜いているようだった。
「…私は嫌いです!昔の…仲の良かった頃の2人が……光と馨が1番大好きです。」
ムッとした表情で、は呟いた。
仲の悪い光と馨はらしくなく見えて、はどうしても嫌だった。
「その言葉は直接本人に言わなければ伝わらないぞ?」
「鏡夜先輩!」
「鏡夜の言うとおりだぞ?一緒に居るだけで何でも伝わるわけがないんだ。それが人間と言うものだからな!」
「た、環先輩も!?」
突如現れた鏡夜と環の言葉に、は驚きの声を上げた。
その様子に満足気に鏡夜は笑みを浮かべると、達と向かい合うように壁に寄りかかった。
「それで、お前はどうしたいんだ?」
「え?」
「光と馨に仲直りして欲しいだけなのか?と聞いているんだ。」
問われた言葉には戸惑った。
確かに鏡夜の言うとおり、光と馨には仲直りして欲しいと願っていた。
でも、それだけなのか…と改めて自分に問いかけてみると───答えが出てこない。
「私……は…」
そこまでポツリと呟くと繋げる言葉がなかった。
「「ーーーーーーーーーー!!」」
「!」
聞こえた2つの叫び声にハッと顔を上げて視線を向けた。
そこには必死に、しかし競争をするようにを目指して走ってくる光と馨の姿があった。
「馨邪魔!」
「酷いよ光!邪魔なのはどっちだよ!」
そんな言い合いをしながらも、我先にと必死に走っていた。
「光!馨!いい加減にしなよ。」
そんな2人を必死に後ろから追いかけるのはハルヒだった。
グイッ!!!
「きゃっ…!」
両側に回りこんだ光と馨は、の腕を個々に掴んだ。
つまり、は身動きが出来なくなったという事だった。
「ちょっと離してよね、光!」
「離すのはおまえの方だろ!?馨!」
グイグイと自らの方に引っ張り合う光と馨。
その動きには身を引き裂かれるような痛みを腕に感じた。
「ご、ごめんね…ちゃん。」
「…ハルヒくんは悪くないよ。」
シュンとして謝るハルヒには首を軽く両側に振って答えた。
そんなに、ハルヒは短く“ありがとう”とだけ答えた。
「いい加減にしたらどうだ、光!馨!」
「そうだぞ!俺の娘にそんな仕打ちをするとは───」
「「誰になんと言われようと、やめないよ。」」
鏡夜と環の言葉に、光と馨は同時に嫌だと言い張った。
しかし、揃ってしまった言葉にムッとして2人はバチバチバチと睨み合った。
「い……いい加減にしてよ!!!」
目をギュッと瞑り、腕を掴む2人の手を振り解いた。
「どうして仲良くしてくれないの!?」
「「が好きだから。」」
の言葉に、光も馨も同時に淡々と答えた。
本心なのか、少し頬を染め上げながら…でも恥ずかしがらずに本心を述べた。
「好きだからケンカをするの!?好きだから仲悪くなるの!?」
「…仕方ないじゃん。」
「そうそう。いくら双子だったとしても、光なんかに渡したくないし。」
「それは僕の台詞だぞ、馨。僕だって馨なんかに渡したくない。」
いけしゃあしゃあと言い張りながら、告白しながらも2人はケンカをし続けた。
パン!パシーーン!!!
「「!?」」
いきなり聞こえた痛々しい音は、光と馨の頬を引っ叩いた音だった。
いきなりの平手打ちに、光も馨も驚き目を見開きを見つめた。
「そんな2人なんて……大嫌い!」
そう叫ぶの目には大粒の涙が溜まっていた。
“大嫌い”と言うのと同時に、は今居る場所以上に人の集まらない方向へと駆け出していた。
「「!」」
ハッとして、光も馨も同時に叫び同時に駆け出していた。













「これで少しは…の気持ちが分かっただろうな。」
「…そうだねェ。でも…ちょっとちゃんが可哀想かな…」
「ああ……」
鏡夜の言葉に、光邦は3人が走り出して行った方を見つめて呟いた。
その光邦の言葉を耳にし崇は同意するように頷きながら、ポツリと声を漏らした。
「だけど、これであの3人は決着が付くだろ。」
「そうですね……あのままでは、ちゃんが少し可哀想ですから…」
環の言葉に、ハルヒはフッと笑みを浮かべて同意した。
ハルヒの同意に環は驚きながらも、嬉しそうな表情を浮かべハルヒを見つめた。
その視線を感じると、ツツツツーとハルヒは鏡夜達の方へと移動していた。













「待てよ!」
「嫌!離して!」
「嫌だ!」
パシッとの手を掴んだのは、光だった。
嫌だと主張し、手を振り払おうとしたが懇親の力で掴んでいた所為か解けなかった。
「仲良くしてくれないんじゃ、私も光くんと馨くんとは仲良く出来ない!」
「「!」」
その言葉に光も馨も目を見開き、驚きの声を上げた。
「私は…まだ決められないの…2人が好きなのには変わりないけど……だけど、どっちかを選ぶなんて…私には出来ない。」
震える声では語った。
自分はずっと光と馨が好きだったという事を、2人のうちどちらかを選べないという事を。
「…でも、いつかは決めなきゃいけないって分かってる…分かってる、けど…」
「ごめん……ごめん、。」
「僕等急ぎすぎちゃったね…」
涙をポロリポロリと流し始めるに、光も馨も慌てて呟いた。
それでも涙が止まることはなくて、余計に慌ててしまっていた。
「「僕等仲直りするよ。が決められる時が来るまで…いや、決められても…どちらか片方を選んでも…僕等は仲良くし続けるよ!」」
優しくの頭を撫でながら、光と馨はなだめる様に決心して呟いた。
このままケンカをし続けていても、は笑ってくれないと思ったから。
「…優柔不断で…ごめんね…」
そう呟くの顔には、笑顔が灯っていた。
その姿を見て、光と馨は嬉しそうにパァッと表情を明るくさせた。
「「気にするなって!」」
「…ありがと…光くん、馨くん!」









大好きな事実は変えられない。
大好きな彼女を取られなくない気持ちは変わらない。

だけど、彼女が笑ってくれるのなら仲良くする方を僕等は選ぶ────……







.............The end




はい。
あとがきです、あとがきです。

なんとも微妙な物語に出来上がってしまってごめんなさい。
というか…こんな感じの物語でよかったんでしょうか…(汗
絶対逆ハーになっていない気がしたんですよねぇ…
どーなんだろ?どーなんだろ?
というか、皆との絡みが…上手く行きませんでした。
本当にごめんなさい…ごめんなさい。
なんど言っても言い足りません!!!!!

さて、今回は常陸院光・馨がヒロインにゾッコンというリクだったので…
こんな感じで話を進めてみました!
独占欲強く出ているでしょうか……;;
そして…夢リクして下さった十字架ゆん様のリク通りの話に仕上がっているでしょうか…
それだけが凄く心配です…心配で心配で…ギャースです!煤i ̄□ ̄

えっと…楽しんで頂けたら幸いです。
という事で、“BBSオンリー17万HITプロジェクト”のリクエスト1つ解消という事で!
十字架ゆん様のみお持ち帰りが可能です!






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