「ねえ、ちょっと」


そう呟くのは、背中に抱きつく光だった。
私の背中は、まるで彼の特等席。

そして私も、彼に抱きつかれる事が嫌いではなかった。


「重いよ、光ー」


そんな風に文句を口にしながらも、私は嫌だと思った事がない。
思うはずがない。

だって。


「でも、嬉しいんでしょ?」


「う……」


それは凄く。
図星だった。

小さく声を漏らして、私は顔を赤らめる。
この温もりを離したくないと思ったから。

否。

この温もりに離れてほしくないと思ったから。


「ほんと、素直じゃないな〜」


くすくす。
そんな風に笑う声が、私の耳に掛る。
ふわりとくすぐるような吐息が、私の体温を上昇させていく。



恥ずかしい……



そう思うのに、私はどうしても光の温もりを感じていたかった。

それは愛。
それは執着。
それは。

好き。


「まだまだ僕の方が好きって事じゃん」


小さく呟く光の言葉。
その言葉に、不覚にも私の心臓はとくんと跳ねた。






















.............end






拍手用に書きあげたものです。 その為、文中に主人公の名前がありませんがあしからず^^ いまここに、様でお題をお借りしました。 ありがとうございました。






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