「大好きだよ」


囁く言葉。


「愛してる」


心をあげる言葉。


「傍に……いるから」


それは、約束。


「私の心はいつだってあなただけのもの」


予言と現実。








想うゆえに我は在り








「環ぃぃぃぃぃ!!」


名前を呼び、長い髪を躍らせた少女──が後ろから勢いよく抱き付いた。
はハルヒと同じ特待生の……いわゆる凡人だ。


「おわっ!?姫か」


いきなりの衝撃に一瞬前のめりになった環だが、すぐに踏んばると微笑みながら視線を向けた。
しっかりと環に抱き付く、可愛らしい姿が目を引く


「どうかしたのか?」


「んーん 今日はただ……離れたくないだけ」


呟くと同時に、の腕に力が籠った。



この日だけは、環を他の人に取られたくないっ



切実に思った願いだった。
だからこそ、余計に腕に力が入って。

ぎゅうううううううう。


「ぐ、ぐるしいぞ、゙姫゙」


「あ、ごめんなさい!」


苦しそうな声でハッとして手を離した。
ちらりと視線を向ければ、の視線に気づいたのか環はクスッと微笑む。

ぼんっ。

その笑みに、の頬は真っ赤に染まりあがった。


「一体どうしたのだ?」


大きな手がの頭を撫でる。
くしゃくしゃと、その髪を乱すように撫でる手は──どこか心地よい。


「……今日は、環を独り占めしたいだけ」


俯き、耳まで真っ赤にさせて言い切った。
その言葉はもう、恥ずかしさを覚えずにはいられないほどのもので。



うああああっ
恥ずかしいっ!恥ずかしすぎるよ!!



穴があったら入りたい心境に、は陥っていた。


「今日は?はて……今日は一体何の日だったかな?」


首を傾げる環に、内心大きく溜め息を吐く。



自分の誕生日くらい覚えとこうよ……



そう思って、すぐに地面を蹴った。
考え込む環に向って、飛び付くように。


「あ!」


思い出したように振り返った環。
それと同時に飛びつく



しまった……



背中に抱き付くつもりだったのに、前から抱き付く形になってしまい真っ赤になる二人。
心臓の音が聞こえてしまうんじゃないかと思うくらいに、早鐘を打ち。


「「〜〜〜〜っ」」


今にも死んでしまいそうだ。


「は……」


「は?」


「ハッピーバースデイ!環!」


言うと同時に、は環の頬に口づけた。
それが今のに出来る精一杯のプレゼントだった。


「!!」


口づけられた頬を掌で抑えながら、環はパクパクと金魚のように口を開閉させていた。
顔を真っ赤に火照らせて、言葉が出ないとはこのことだろうか。


「……ふふふっ」


だから、してやったりとは微笑んでしまった。
微笑むことが出来た。



ねえ、愛してる
好きだよ、環

あなたを思うことが、私の存在意義だから









.............end






四月八日の環の誕生日お祝いに書きあげた夢です♪
短いですが、内容は詰めたのでいいかな?(笑)
短編ですしねw

D.C.様でお題をお借りしました。






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