darkness of holy 第三話





「レンテはあたしの鏡、影・・・・なら・・・・あたしが死ねば、レンテも死ぬっ!」
鏡の中でそう叫ぶと、近くにあったガラスの破片で、は自分の胸を突き刺した。
どくんどくんどくんどくん・・・・
胸の鼓動の早さがどんどん早くなっていった。
痛みもどんどんわからなくなっていく・・・・
「はぁ・・・・はぁ・・・」
息も少しずつ衰えていく
ぱぁぁぁぁぁぁぁぁ!
その瞬間、鏡の中が光り輝いた。

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
いきなりレンテは大きな声を上げて叫び始めた。
「いっいったいなんなんですかっ!?」
アメリアはザッと少し後ずさりをし、レンテを見つめた。
・・・さん?」
首を傾げ、何が起きているのか分からずに、聞き返した。
レンテの叫び声がとまった瞬間、レンテは砂と化して消えていった。
その瞬間、レンテの持っていた鏡が光り輝き始めたのだ。
ぴかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
「!?」
リナ達は何が起きているか分からず、その光を見つめていた。
光が収まった時、目の前に現れたのは胸にガラスの破片を挿して、倒れているの姿だった。
!!」
リナは声を上げ、急いで駆け寄った。
「リナさん落ち着いてください!!」
リナの後を追って駆け寄っていたアメリアがの体を揺らし始めたリナを止めた。
「あ・・・ごめん、アメリア。」
「後は私に任せてください。」
アメリアはリナに向かってにっこりと微笑むと、リナと変わっての横に座り込んだ。
「リザレクション!!」
唱え終わった魔法をに向かってかけた。
白い光がを覆いこみ、周囲に存在する生命から気を少しずつ分けて貰い、それをエネルギー源として怪我を治していった。
の傷は徐々に良くなっていった。
「う・・・・・・」
声を上げて起き上がった
「あ、さんっ!まだ起き上がっちゃだめですっ!」
「もう・・・大丈夫よ・・・・アメリアも気づいていたでしょ?」
はゆっくりと起き上がると、アメリアに向かって問いかけた。
「そ・・・・それは・・・・・」
「アメリアが回復魔法をかけたときには、ほとんど傷は塞がっていた。アメリアが気づかないわけがないでしょ?」
アメリアの代わりに気づいていたリナが答えた。
「リナ・・・やっぱりリナも気づいていたのね。」
はフッと笑みを浮かべると、リナにも答えた。
「えぇ・・・ずっと見ていたから、ね。で・・・どういうこと?回復魔法を使わずにあんな傷がこんな短時間でほとんど回復するなんてありえないわ。」
リナは気づき始めていたことを頭に入れてに質問した。
「確かに、人間ならありえないこと・・・ですね。」
リナの言葉にアメリアも同じ意見だ。といわんばかりの言葉でに話しかけた。
「あたしが誰だろうと関係はないんじゃない?別になんだろうとフームを倒すという心意気だけは変わらないもの。リナたちがそれじゃ一緒に旅をすることはできない。というなら一人でするわ。ただ、それだけよ・・・」
はリナとアメリアをじっと見つめたままそうつぶやいた。
「何を言ってるの?そんなことであたし達が身を引くと?言ったでしょ?あたし達はの手助けをするって。いまさら辞めるつもりもないわ。それに・・・フームたちの特徴もつかめたことだし・・・ね。」
リナはくすくすと笑いをこらえながらに答えた。
「特徴って・・・フームの手下、刺客の額には小さな☆のマークがついているって奴?」
リナの言葉にキョトンとした顔をしたままは答えた。
「あ、知ってたの?」
「えぇ・・・結構早くに気づいていたわ。」
「なぁんだ。知ってたんだ。」
の言葉にちょっと頬を膨らませながら、でも顔は笑ったまま答えるリナ。
「ごめんね、リナ。あたしの正体が何なのか、どうして傷があんなに早く回復してしまうのか・・・まだ言えない・・・いや、言えないかもしれない。」
「どうして?」
の言葉に疑問を持ったリナはじっと見つめたまま聞き返した。
「それは・・・・知らないほうが身のため・・・だから。」
グッと息を呑み、涙をこらえたはそうリナに伝えた。
「そう・・・なの・・・・」
「分かりました。でも、仲間なんですから・・・そのうち教えていただけたらうれしいです。」
ニッコリとにアメリアは微笑みかけた。
アメリアに返すようにも微笑み返した。
「リナーアメリアーー!!」
そんな会話をしているところにガウリイの声がかかった。
「あ、ガウリイたちのことを忘れていたわ。彼たちも仲間なんだから、何かあったら頼るのよ。」
の顔にリナは顔を近づけるとニッコリ微笑んで言った。
「ありがとう。」
そんなリナに対して、もニッコリ微笑み返して言った。
「おい。置いていくぞ。」
痺れを切らしたゼルガディスもガウリイの後ろから、リナ達に声をかけた。
「あ、待ってよ!!」
そう叫ぶと、リナとアメリアはガウリイとゼルガディスに向かって駆け出した。
そんな二人を見ながらは小走りで駆け寄った。
そんなの姿をじっと居空間から見守る姿が一つあった。
その存在にリナだけが気づいていた。

「眠れない・・・・」
小さくつぶやくと、リナとアメリアに気づかれないようにゆっくりと部屋の外に出る
「ん〜〜夜空がきれい・・・・」
そんなことをつぶやきながら一人宿屋の外に出て街の中を歩き始めた
「こんな真夜中に一人でお散歩ですか?」
「!?」
いきなりかかった見知らぬ声には驚き、振り返った。
そこには人のよさそうな笑みを浮かべた男が一人たっていた。
黒い法衣を身に纏った、おかっぱ頭の青年。
ニッコリと笑みを浮かべて、片手に杖を持っていた。
「・・・・誰?こんな時間に何のよう?」
バッと後ろに飛び退き、間合いを取った
じっと相手を見つめたまま、問いかけてみた。
「いえ。こんな真夜中に一人で宿を出たのを見かけたので・・・危ない。とお声をかけようかと思ったのですよ、さん。」
「こんな真夜中にそれに気づいたあなたも変よ。外で何をしていたの?・・・・ちょっと待って・・・・あたし、名前あなたに教えてない。何で知っているの?・・・・フームの刺客?」
は自分の名前を知っていた相手に警戒をし、何故自分の名前を知っているのか冠gなえた結果、出てきたのはフームの手下。というものだった。
それと同時に額に小さな☆のマークがないことに戸惑いもあった。
「違いますよ。僕はただの通りすがりの謎の神官ですよ。」
「冗談。普通こんな真夜中に外に出ている人なんて居ないわ。」
「あなただって外に出ているではないですか。」
「あたしはただ、夜風に当たろうと。」
「僕も夜風に当たろうと思って出ていたのかも知れませんよ。」
の言葉にくすくすと笑いながら答える青年。
がさがさ・・・・
そんな会話をしていたとき、不意にと青年の周りに生えていた草木がかさかさと音を鳴らし始めた。
−誰か・・・・いる?
は周りに神経を張り巡らせた。
「いったい何の用ですか?今さんは僕とお話中なのですよ?」
いきなり青年が周りに存在する者達に話しかけた。
ざわざわ・・・・
その瞬間、気配たちがざわめき始めた。
「かえってフームにお話ください。さんに手を出したら僕が、そして僕の上司の方が許さない、と。」
青年にそういわれ、ざわつきは収まり、気配もいつの間にか消えていた。
「どういうこと?あたしに手を出すと、あなたとあなたの上司が許さないって・・・」
ギッと青年をにらみつけたままは聞き返した。
「それは・・・・」
「秘密って言うんでしょ?ゼロス。」
「っ!?リナっ!!」
青年、ゼロスの変わりに言っって現れたのはリナ。
その後ろにはアメリア、ガウリイ、ゼルガディスもいた。
「いきなり部屋を出て行くから何かと思ったわよ、。」
ニッコリ微笑んでを見つめるリナ。
「で、今の言葉はどういう意味なのですか、ゼロスさん。」
「それは秘密ですよ。それに、言われて一番困り、嫌な思いをするのは、さんだと思いますよ?」
アメリアの言葉にくすくすと笑いながら答えるゼロス。
「え?どういうことですかっ!?」
「ですから・・・詳しいことを知りたければさんに直接聞いたほうが良いと思いますよ。と言っても、クセートルさんに教えて貰っていない真実もあるようですが・・・」
アメリアの問いかけに答えるゼロス。
そんな二人の会話を静かに聞く
「ゼロスさん・・・・でしたっけ?後で・・・・話を聞かせてもらっても良いですか?二人っきりで。」
「勿論、良いですよ。」
の問いかけに、にっこり人の良い笑顔で答えるゼロス。
っ!そいつと二人っきりは・・・・危ないわよ。」
「大丈夫。ゼロスさんと話をするだけだから。」
リナに視線を移動させ答える
そんなをじっと見つめたゼロスが口を開いた。
さん。僕のことはゼロス、と呼び捨てで良いですよ。敬語を使う必要もありません。」
「分かったわ、ゼロス。で・・・いつなら大丈夫?」
リナたちのことを放って置き話を続ける
リナ達はゼロスが変な行動に出ないよう神経を張り詰めて会話を聞いていた。
「そうですね・・・・それでは、次の満月の日・・・にでもいかがですか?」
「分かったわ。で、ゼロス。あなたはその日までどうするつもりなの?」
「そうですね・・・僕としてはさんの旅に同行したいのですが・・・・」
の質問に同行したいと答えるゼロス。
「リナ・・・ゼロスを旅に同行させても良い?」
は一番にリナに意見を求めた。
「そうね・・・・ゼロス。あんたのさっきの言い方からすると、上司からを守るように言われているのね?」
「さすがリナさん。良くお分かりで。」
リナのすばやい判断の言葉にニコニコ笑みを浮かべたままぱちぱちと拍手をするゼロス。
「それなら・・・同行しても、いいかもしれないわね。おかしな行動に出たときはドラグ・スレイブお見舞いするからね。覚えておきなさいよ。」
そんなリナの言葉に動じず、ニコニコと笑みを浮かべたまま「分かりました。」と、答えるゼロス。
「って事で、ゼロスを旅に同行させることについてはOKよ。」
ゼロスからに視線を戻し、話すリナ。
「ありがとう、リナ。」
話を一部始終聞いていたはニッコリと満足気な笑みを浮かべて、リナにお礼を言った。
「ふわぁぁぁ・・・・眠くなってきたわ・・・・そろそろ寝るわね、リナ。」
重い目を擦りながらリナに言う
「そう。分かったわ。あたしは少し夜風に当たっていくわね。」
宿屋に向かうに言い返すリナ。
の後を追ってアメリアもガウリイもゼルガディスも部屋へと戻っていった。
「で・・・ゼロス。」
「はい、何でしょうか?」
「あんたも獣王ゼラスもフームに関して何か関わっているの?」
「まぁ・・・そうですね。一応獣王様からさんを守るよう命令もされていますし・・・・・ですが、このことについてはリナさんだろうとさん以外の方には言えません。」
「ふ〜ん・・・・あんたが、一人の者に熱心になるなんて・・・・珍しいわね。もしかしてのことが好きだったりして〜」
ちょっとふざけてゼロスにそう言うリナ。
「そ、そんなはずがあるわけないじゃないですか。僕が誰かにほれるだなんて・・・・」
リナの言葉に顔を真っ赤にさせてゼロスは答えた。
「嘘・・・・マジ?」
「違いますって、リナさんっ!!」
驚いた顔をして答えるリナに声を張り上げるゼロス。
「まぁ本当か嘘かはおいといて・・・ゼラスが関わっているとなると・・・普通じゃないわね。一体・・・何者なの?」
リナは空を見上げたまま小さくつぶやいた。





To be continued..................






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