記憶




「ねぇ・・・ゼロス。」
「何ですか?さん。」
ゼロスの横にちょこんと座り込み、名前を呼ぶ
の声にきちんと反応し、顔を向けるゼロス。
「あの・・さ、あたしたちかなり前に会ったことなかった?」
「はい?」
いきなりのの質問にゼロスは上ずった声で聞き返す。
「いやね・・・なんか見覚えがあるのよ。もう、ゼロスと会った1年前からずっと思ってたの・・・」
の言葉をドキドキしながら聞くゼロス。
「ゼロスが魔族だって聞いてもさほど驚いてなかったでしょ?」
「えぇ・・・確かそうでしたね。」
「なんか・・・前から知ってた気がして・・・驚かなかったのよ。」
こめかみに指を押し当てて考え込む
ゼロスは冷や汗をかきながらの言葉を聞く。
「いつだったかしら・・・・」
ゼロスの事をジッと見つめたまま考え込む
「!?」
そのとき、忘れかけていた昔の映像がの頭の中を横切った。
「・・・想い出しかけた・・・もう少しで思い出せる・・・・」
目を閉じ、流れてきた映像をもう一度意識の中に取り込もうと・・・
「────っ!?」
−あれは・・・・今から10年も・・・・ま・・・え・・・・
ガクンと膝を折り、意識を投げ出しは倒れそうになった。
「あ、危ない!」
ゼロスが間一髪での体を支えた。
ゼロスの腕の中では静かに眠っていた。
・・・さん?」
呼びかけるがは全く答えなかった。

「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!魔族よっ!魔族!!逃げてぇぇぇぇぇぇ!!」
が8歳の頃、故郷のフィルスタウンに魔族が現れた。
村人の一人が腕に傷を負って村の中心に駆け込んできた。
どぉぉぉぉぉんっ!!
「ここにクレアバイブルの写本があるとのことですね。」
「あぁ。らしいな。手分けして探すぞ。」
「そうしますか。今回だけですからね、お手伝いするのは・・・」
「俺も同意見だ。邪魔する者は殺せ。蹴散らせ。良いな?」
「分かってますよ。それでは、無事に合えることを・・・」
そう言うと、現れた魔族2人は手分けして村の中を探し始めた。
どぉぉぉぉぉんっ!!
!!!!」
「待って、ママ。こ、これ。」
の母親、マキシの声に気づいて、急いで駆け出した
持っていた紙をマキシに見せる
「早く。それを持ってここから逃げるわよ。」
家の中でそう言うマキシ。
は小さく頷くと急いで家の外に出ようとした。
その瞬間、家の中が物凄い勢いの炎に飲み込まれた。
「ふふふ・・・俺の炎に飲み込まれれば終わりだな・・・ここにもないか。」
そう言うと、の家の真上に浮いていた魔族の一人は去っていった。
その直後、家の前にもう片方の魔族がやってきた。
家をジッと見つめたまま立ち尽くしていた。
・・・げほっ・・・・・・・逃げ・・・なさい。」
倒れてきた大きな木柱に押しつぶされたマキシ。
は紙を投げ捨てマキシに近づく。
「来ちゃ駄目!!早く・・・早く逃げなさい!!」
「でも、ママ・・・」
「大丈夫。ちゃんと行くから。」
「で・・・でも。」
「ママの言うことを聞いて頂戴、。」
今にも泣きだしそうな顔をしてはマキシの言うことを聞くことにした。
「分かった・・・・分かった・・・ママも・・・ママも早く帰ってきてよ。」
目にうっすらと涙を浮かべては家を飛び出した。
「!?」
家から飛び出したの瞳に一人の魔族の姿が映った。
「貴方が・・・あたしの家を?」
ジリジリと横に移動しながら問いかける
「違う。」
「嘘っ!!貴方があたしの家に火をっ!!」
そう叫んだ瞬間、村中に雨が降り、炎を消火し始めていった。
「!?ママ!!」
家の火が消えたのを確認しては家の中に入っていった。
「ママ!!ママ!!」
柱の下敷きになっているマキシに駆け寄り声をかける
しかしマキシはの声に全く反応しなかった。
「ママ・・・・」
小さく呟いた瞬間、スッと横から手が現れた。
「!?」
その手はマキシの口元、そして首元に当てられた。
「・・・もう、息絶えています。」
「え?」
「この方は死んでいます・・・・」
おかっぱ頭の魔族の言葉に目を丸くさせた。
「ママ・・・・」
小さく呟くと、は近くに落ちていたナイフを持ちおかっぱ頭の魔族から離れた。
「ママを・・・ママを返せぇぇぇぇぇ!!」
ナイフを振り上げ、おかっぱ頭の魔族に切りかかった。
しかし、おかっぱ頭の魔族は紙一重で避けた。
「何で・・・なんでよ・・・・ママに・・・あたし達に・・・何かうらみあるの?どうしてよぉ!!」
泣き叫ぶをジッと見つめたまま、おかっぱ頭の魔族は立ち尽くしていた。
−どうやら・・・写本は燃え尽きたようですね・・・
はキッとおかっぱ頭の魔族を睨みつけ、持っていたナイフを手首に押し当てた。
「なっ何をするつもりですか!?」
「ママの所に行くのよっ!あたしも・・・あたしも死んでやる!!」
そう叫んだ瞬間、おかっぱ頭の魔族の姿がフッと消えた。
それと同時にの腹部に重い衝撃が走った。
「うっ・・・・」
「貴方は死んではいけません。生きないと、駄目です。」
の腹部を思いっきり殴り、意識を失わせたおかっぱ頭の魔族。
村から離れた森の中にを横にし、その場を離れた。

「う・・・・」
「あ、さん。起きましたか?」
「思い出した・・・・」
ゼロスの言葉を無視し、は小さく呟いた。
そして、ハッとした瞬間、持っていたショートソードを抜き放ち、ゼロスとの間合いを取った。
「あんた・・・・10年前にフィルスタウンを襲った魔族でしょう?」
「・・・思い出したのですか・・・・」
ゼロスはの言葉を聞き、ふぅと息を吐き呟いた。
「えぇ、何もかも・・・ね。よくも・・・よくもあたしの母さんを。」
キッと睨みつける
「1年前に初めて会ったときから・・・好きだったのに・・・・どうしてよ!!あたしに近づいたのは10年前の償い!?」
はショートソードを握り締めたままゼロスに冷たい声を浴びせた。
「えぇ・・・初めはそのつもりでした。」
「初めは!?今は違うというの!?」
「はい。」
ゼロスの言葉に怒りを覚えた
ショートソードをゼロスに向けたまま睨みつける。
「嘘。どうせ、負の感情が欲しくてあたしをだましていたのでしょう!?もう・・・もう、貴方を信じない!」
そう叫ぶと、ショートソードを振り上げ、ゼロスに切りかかろうとする。
がしっ!!
ゼロスは無表情のまま切りかかろうとするの腕を突かんだ。
「勝手に思い違いをしないで下さい。僕ではありません、さんの家を炎に包ませたのは。」
「嘘を言わないで!!家を出たところにゼロスしか居なかったわ!」
瞳からボロボロと涙を流しながら泣き叫ぶ
そんなの腕をグイッと引っ張った。
「っ!?なななな、何するのよっ!」
を落ち着かせようと、ゼロスはの頬に軽くキスをした。
「僕ではありません。僕は10年前に始めてあったときからずっとさんの事を気にしていたのです。貴方の家を炎に包み込んだのは、当時の僕の相方でした。」
の事をジッと見つめたまま、ゼロスは呟いた。
「え?」
「本当です。もしも、あの家を僕が燃やしていたのなら・・・貴方を見つけた瞬間殺していましたよ。」
ふぅとため息を吐き捨てニッコリと笑みを浮かべるゼロス。
「だから、僕を信じてください。償いとか、負の感情とか関係はありません。僕は・・・」
ゼロスはそこまで呟くとの目をジッと見つめた。
「僕はさんの事が好きです。」
「ほ・・・本当に?」
「はい。」
ゼロスの真剣な言葉に胸を打たれた
頬を赤らめて聞き返すにゼロスはニッコリと微笑んで肯定した。
「ゼロス・・・・あたしも好き。」
そう言った瞬間、はゆっくりとゼロスの頬に手を添えた。
ふわっ・・・・
触れるか触れないかの短いキス。
さん・・・」
「ゼロス・・・好き。大好き。」

きっとあたしはゼロスから離れることが出来ないだろう。
きっとあたしはゼロスを好きで居続けるだろう。
この身が滅びるまで、あたしはずっとゼロスを好きで居続けよう。
この思い、記憶に残しておこう。
あの残酷な記憶の上に重ねる様に・・・・・







..................the end





という事で夢小説、作り終えました♪
如何ですか?
ちょっと残酷な夢小説のような気もしますが・・・・
主人公とゼロスのラブ夢小説です♪
楽しんでいただけたのならそれで嬉しいのですが・・・・
っと、一応相手を誰か呼びますか・・・・

ゼロス(以下ゼ):こんにちは〜v
作者(以下作):うっす。良くぞ来てくれた、ゼロス。
ゼ:・・・何か物凄く偉そうにしてますねぇ〜
作:だって偉いもん。
ゼ:偉い方は自分で偉いなんていいませんよ。
作:・・・そっか。じゃ、言わない。って、話ズレてるって!!(汗)
ゼ:本当ですねぇ〜
作:これじゃゼロスを呼んだ意味がないじゃない。
ゼ:そんな風に言わないで下さいよぉ・・・せっかく来たんですから。ね?
作:まぁ、そうだけど。じゃ、まともに作品について話す気はある?
ゼ:勿論ありますよ。作者さんがそう思われれば、まともにお話いたしますよ?
作:またまたぁ〜。口からでまかせぇ〜
ゼ:信じないなら別に良いのですが・・・
作:こんなこと話しててもラチ明かないわ。さっさと本題入るわよ。
ゼ:エリさんが、話をズラしていたのでは・・・・
エ:あぁぁぁぁ!!あたしの名前ばらしたわねぇ!!
ゼ:あ、つい・・・・
エ:ついじゃない!!あん、もぉ・・・・
ゼ:すみません・・・で、本題は?
エ:そうだった・・・・で、今回ゼロスは10年前に主人公に会ってるのよね。
ゼ:はい。そうでしたね・・・ですが、何故僕がさんのお母さんを殺した犯人だと思われてしまうのですか?
エ:まぁ・・・不可抗力って事でw
ゼ:納得行きません。
エ:納得して。ね?ね?というか、最後はちゃんとHAPPY ENDだったでしょ?
ゼ:確かにそうなんですが・・・・
エ:なら文句を言わない。文句言うんだったら、最後の所の話変えちゃうぞ。
ゼ:どんな風にですか?
エ:BAD ENDに・・・・
ゼ:それだけは却下させてください。
エ:言うと思ったよw大丈夫。今更帰る気はないから・・・たぶんねw(ぼそっ)
ゼ:・・・エリさんが時々信用できなくなります。
エ:信用しない方が良いんじゃない?(くすくす)
ゼ:そんなことを言わないで下さいっ!
エ:何?魔族のあんたが人間ごときを信じると?
ゼ:・・・・・・
エ:はいはい。ごめんよ、ごめん。話を戻そうか・・・・と思ったけど、この辺で終わりにしましょ。
ゼ:あ、もう終わりなんですか?
エ:うん。だって、長くなっちゃうでしょ。あたしたちの対談は・・・
ゼ:そうですね・・・でも、もう少し話していればさんの近くに居られたんですけどねぇ・・・・
エ:え?
ゼ:ほら、ここにさんも居たんですよ?寝てますけど・・・
エ:ははは(汗)って事で、対談はこの辺で終わり・・・ねw

という事で、この辺で失礼します(^^)
────幕────






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