「ゼロス?」


姿を探してあたりを見渡す。
なのに、探し人は見つからない。



どこ……行ったんだろ?



首をかしげ、空を見上げ、溜め息を吐いた。



今日くらいは、一緒に居たかったな











歳月不待











この時がとても大切。
人間と魔族。
いつ、敵対するか分からない現状。
だからこそ、今が凄く大切で、かけがえのないもの。



悔いないためにも……私は毎日、悔いのないように努力する
愛も、恋も、友も、武も、すべて



綺麗な芝生の上。
はゆっくりと腰を下ろした。


「探していましたか?」


「あ、ゼロス」


掛けられた声に、は視線を上げた。
横に佇む探し人の姿に、微笑むと名前を呼び横に座れと地面を叩いた。


「うん、探してた 一緒に居たかったから」


理由なんてにはなかった。
ただ、ふいに一緒に居たくなるのだ。
そして、ゼロスもそのことを良く知っていた。
だからこそ、ゼロスも詳しい事を追求することなく頷き返す。


「でも、珍しいですね」


「何が?」


ゼロスの言葉に、何のことか分からない
首をかしげ、きょとんとした。


「いえ、あなたが大声で僕を呼ばないのは」


「……あ あはははは」


いつもは、ゼロスの姿が見えないと声を大にして名前を呼ぶ。
まるで犬のように『ゼロス〜!?ゼロス〜!?』と何度も何度も。
それこそ、姿を現すまでずっと。


「まぁ、それはそれで嬉しいんでいいんですがねぇ やっぱり、そうじゃないとどうしたのかと気になるものでしたねぇ」


くすくすと微笑み、の髪を一房掴み口付けた。



なななななな!
キス!?口付け!?
ゼロス、キザッ!!



その一連の行動に、は顔を真っ赤にさせた。
慣れていない、と一言で言ってしまえば聞こえはいい。


「今日は……なんだか、呼ばなくても来てくれる気がして」


「僕はいつでも呼ばなくても、求められればさんの下に参りますよ」


また、その言葉には顔を真っ赤にする。
より一層真っ赤になった表情に、ゼロスは柔らかく微笑んだ。


「僕は、あなたが好きですからねぇ 当然の行動だと思うんですが?」


その言葉と同時に、リップ音を鳴らし頬に口付けられた
そこを手で覆うように押さえ、真っ赤な顔でパクパクと口を開閉させた。



や、やられた……



そう思うけれど、やられっぱなしもなんだか嫌な
ゼロスのマントをギュッと掴み、自分の方へと引き寄せると。


「ちゅっ」


音を立てて、はゼロスの頬に口付けた。
けれど、ゼロスの反応を見るほど余裕はなくて視線は俯いたまま。

隣には、真っ赤な顔をさせ。
けれど嬉しそうに微笑むゼロスが、いた。









...................end






二十六万ヒットありがとうございます!!
ということで、感謝の気持ちを込めてフリー夢を書き上げました。
四字熟語でもある「歳月不待」の「今の時を大切にし日々怠けることなく努力せよという戒め」という意味を利用しました。

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