鋼の錬金術師パロディ劇場・アルフォンス捜索隊珍道日記 第二話「可愛い子には旅をさせよ」








 はごそごそと荷物をまとめていた。小さなリュックくらいの大きさの麻の袋に必要最低限のものをつめ、服装も、TシャツにGパンという軽装でかつ、動きやすい、ラフなものにしている。腰まであろうかと言う長い黒髪も襟足のあたりでやんわりと束ねている。
「よし!」
は麻袋を方から斜めにかけ、背負うと、ロイ達がいつも仕事をしている部屋へ向かった。途中で、アレックス・ルイ・アームストロング少佐(以後、アームストロング)に会った。
「おぉ。殿。どちらへ?」
「大佐さんの所。おとーさんとして話聞いてもらうの。」
答えると今度は小走りに向かった。
バン!
「おとーさん!聞いて。」
ロイは驚いた風もなく顔を上げた。
「コラ、。扉は静かに開けないさい。それとここでお父さんとは・・・。」
「おとーさんに話があるのっ!」
はロイの言葉をさえぎった。
「何?」
「あたし、エドワードさんについて行く!今中央にいるらしいの。ヒューズさんにも会いたいし。だから、行く!」
ロイは少し考えてから言った。
「鋼の旅に花を添えるのも一興か。もそこそこ強くなっているし。よし。いいだろう。」
こうしての旅立ちはあっさり決まった。
 「行って来まーす!」
は笑顔で手を振って中央へ向かうべく、駅へと走っていった。
「大佐。寂しいですか?」
「いや。可愛い子には旅をさせろということだな。」
(本当はすごく寂しいんですね。)
ロイの表情を見て、リザは必死にその言葉を飲み込んだ。その表情が全てを物語っていた。

                             続く






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