鋼の錬金術師パロディ劇場・アルフォンス捜索隊珍道日記 第二十三話「集団・・・?」






 二人は山道を下り、街へと入る。静かだった。
「妙に静かだね。」
は通りを見渡す。
「おい!のん気にしてる場合かよ!」
「はえっ!?な、何が?」
エドに後ろから肩をつかまれ、は驚く。
「・・・人がいねーんだよ。人どころか、犬や猫もいねぇ。」
「あ・・。言われてみれば。静かなハズだわ。」
通りにも、家の中にも人っ子一人いない。人の気配がないのだ。
「女神に見守られてる街だからと思って安心してたけど。もしかして、集団夜逃げとか。」
「いや、生活の臭いがある。ついさっきまでいたんだ。」
エドの表情は険しい。襲われたり、争った形跡もないのに、人が忽然といなくなった。妙すぎる。のトラウマが発動しそうになる。は一人ぼっちがとことん怖い。エドはの右手を左手で握った。手袋を通して、エドの体温がに伝わる。荒くなりそうだったの息づかいが、正常に戻る。落ち着いたらしい。がきゅっと手を握り返してきた。
「よし。本当に人がいないか、確かめるぞ。」
「う、うん。」
二人は手をつないだまま、少し警戒しつつ、街の中を歩き出した。
「ん?」
エドが何かを見つけた。
「おい。これ・・・。」
「何?・・・これ。」
「オレに聞くな。」
二人が目にしたのは、無数の練成陣だった。地面のそこかしこに練成陣が描かれている。大小さまざまだ。
「・・・・・・みんなで練成・・?集団錬金術とか?錬金術組合?」
「だから、オレに聞くな。」
の問いにエドはそうとしか答えられなかった。それほど異様な光景だったのだ。

                         第二十四話に続く






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