鋼の錬金術師パロディ劇場・アルフォンス捜索隊珍道日記 第二十四話「孤児院」






 「でも、変じゃない?この練成陣。まるで、子供の落書きみたい。」
「あ。・・!・・・ッ。」
エドはうつむいて奥歯を噛みしめた。
「ニーナ・・・。」
その落書きのような練成陣は、昔あのニーナが描いたものによく似ていた。
「あ・・・。えと。」
は声をかけづらくなった。ニーナの事はよく知っている。ロイ達に囲まれて育ったのだ。当然だろう。合成獣の第一人者、ショウ・タッカー。は熟知している。その娘ニーナと、愛犬アレキサンダーの事も、だ。
「ん・・・と。あの、えーと・・?」
はモゴモゴ何か言おうとしたが、ツイと黙り込むと、エドから顔をそむけ、歩き続ける。エドはふと、の様子に気付き、声をかけた。
。悪かった。オレ、また・・・・・・。」
は困ったような笑顔をエドに向ける。
「ううんっ。エドは何も悪くないよ。あたしこそ、無神経で、ゴメ・・・!」
エドは人差し指をに突きつけ、器用に方目をつぶって見せた。
「ストップ。悪い所は、これからお互い治していこうぜ。」
「うんっ。」
はうなずいてから、ウインクを返した。と、は何かに目を止めた。
「・・・セレナー孤児院・・?」
エドはイヤになってきた。
「何でこう次から次へとイヤな事、思い出させるものがあるんだ・・。」
「あ、あはは。セレナーって響きも似てるねぇ・・。」
エドが思い出したのは、看護婦やら、先生やら、シスターやら、色々と姿を変え、盗みをしていた、怪盗セイレーンであった。その孤児院前では、数人の子供が遊んでいた。は声をかける。
「ねー、キミ達。ちょっといい?」
「なぁにー?」
子供の一人が駆寄ってきた。

                          第二十五話に続く






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