鋼の錬金術師パロディ劇場・アルフォンス捜索隊珍道日記 第二十六話「姫たまごフォルティの試練」






 「マスタング大佐の娘さん!?あの歳でっ!?お父さん・・・て。」
もしアルが人間の姿だったら、目を丸くしていただろう。は以前エドにした話をアルにもした。
「うーん。兄さんについていくのは、あまり賛成できないな。」
アルはうなった。エドはくわっとアルに詰め寄った。
「アル!どーゆー意味だ、それはっ!」
「そのまんまだよ。」
「そのまんま?」
エドはギロっとアルを睨む。
「だって兄さんいつも考えなしで危険な目にあってるし。僕がいつもフォローして。今回だって兄さんが・・。」
がそこで言葉をさえぎった。
「いーの。あたしが勝手に付いて行きたくて、大佐さんに許しまでもらって、付いて来たんだから。危険は百も承知。覚悟の上だよ。」
「・・・でも、女の子が。」
「後悔はしたくない。何かあったら、何とかする。なるようになるわっ!」
アルは頭を抱えうずくまった。
「まるで、兄さんが増えたみたいだ・・・。」
がふとフードの人物を見上げた。
「アルのお友達?」
すると、その人物はフードをするりとおろした。かなりの美人だ。その唇から、アルトめいた声がこぼれた。
「私はフォルティ。ある試練をクリアし、ある物を手に入れるためにここまで来た。」
「ある・・・って何?」
「言う必要はない。会ってすぐの者は信用できない。」
はムッとした。はすぐ人を信じるタイプだ。そこでアルが言った。
「フォルティ。兄さんとなら大丈夫だよ。あのね、フォルティは国を復興するために、『賢者の石』を探してるんだ・・・。」
エドとの顔が真剣なものになる。エドの口から呟きが漏れた。
「『賢者の石』だと・・・・・・。」

                          第二十七話に続く






鋼の錬金術師パロディ劇場・アルフォンス捜索隊珍道日記に戻る