鋼の錬金術師パロディ劇場・アルフォンス捜索隊珍道日記 第二十七話「フォルティの願い」






「それは、本物なのか!?どこだ!どこにあるんだ!?」
「エド!落ち着いて。」
くってかかるエドにが抱きつくようにして止める。そして、フォルティに顔を向けた。
「話を、聞かせてくれる?その『賢者の石』について。」
「・・・いいだろう。お前達は信用できそうだ。」
そう言ってうなずき、フォルティは語り始めた。
「私の国は、アメストリス人とも、イシュバールの民とも違う神をあがめていた。あれは、丁度、イシュバールの内乱の時。小さな私の国はその内乱に隠されるようにして、崩壊した。小さいために、地図から消され、イシュバール同様、国家錬金術師にやられた。残った王族は私一人だ。」
「国民は?」
が聞く。
「・・・わずかな数。三十人にも満たない。捕まった者はどこかの研究所へ。子供ばかりだった。親・・・大人と老人、たくさん死んだ。」
エドとアルがハッとして顔を見合わせる。中央の第五研究所。罪人達を使って、『賢者の石』を作っていた。
「子供ばかり・・。」
「何て事を・・・!」
エドとアルがつぶやく隣で、が暴走を始めようとしていた。
「許せ〜〜〜んっ!!罪なき子供達を。中央の連中、成敗しちゃるっ!・・・ヒューズさん除くっ。」
今度はエドがをなだめる番だった。
「お、落ち着け!ここで暴走するな。」
エドはをなだめ終えてから、フォルティを見た。フォルティは再び口を開いた。
「私の願いは唯一つ。『賢者の石』になった者達を故郷につれて帰りたい。そして、国の復興の礎とする。その石だけは、ある錬金術師が盗み、山の遺跡に隠した。」
フォルティは淡々と言ったが、『賢者の石』の材料は人の命。フォルティの気持ちもわかる。間違ってるとは言えない。ただ、あまりにも、その石は重すぎるのだった。

                         第二十八話に続く






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