鋼の錬金術師パロディ劇場・アルフォンス捜索隊珍道日記 第二十八話「制止」






 エドは一度、本物の『賢者の石』を見ておくべきかと考えた。すると、そこへその心を見透かしたかのような声が響いた。
「今、その石に近づくことはできないよ、鋼のおチビさん♪」
からかうようなその口調には覚えがある。その部屋の奥―エドとは入ってきた入り口とは逆の方へと、一同は顔を向けた。
「てめっ!エンヴィー!!」
一瞬にして、エドの眉がキリリとつりあがっていた。
「だァれが―――!」
アルとがとっさにエドの口をふさぐ。
「兄さん。いちいち怒ってたら、話進まないから。」
「ページがあと少しなの。」
一同が眉をひそめ、を見つめる。
「ページ・・?」
エンヴィーが珍しく、キョトンとして聞く。はキッとエンヴィーを睨んで、叫ぶように言った。
「今のは空耳よっ!とにかく、どういう事なのか、説明してもらいますからねっ!」
「そう。まず説明してもらおう、兄さん。」
エドはとりあえず怒りを押さえ込んだ。それでもアルはエドの肩をつかんだままだった。エンヴィーが口を開く。
「僕達にとっても、デメリットになるから、止めに来たんだ。ラストが来ても良かったんだけど、お父様から直々に僕に言ってきてくれって。その遺跡にプログラムされてるんだって。」
「何!?」
「錬金術師抹殺プログラム。こっちとしても、鋼のおチビさんには、まだ死んでもらっちゃ困るんだよ。じゃ、確かに止めたよ。」
エンヴィーは姿を消した。
「待てっ!エン・・・・・・ッ!」
エドの声は届かず、制止する事はできなかった。

                         第二十九話に続く






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