鋼の錬金術師パロディ劇場・アルフォンス捜索隊珍道日記 第三話「うちのエリシアちゃん」







 時はかなりさかのぼる。一年と少し前の事だ。はその日、ロイと珍しく親子喧嘩(?)をして、司令部を飛び出し、家出しようと、中央まで行った事があった。そこからまた遠くへ行こうとしたが、ロイの友人だというマース・ヒューズ(以後、ヒューズ)に捉まり、家に招かれた。そこでたまたま出会ったのが、ウィンリィ・ロックベル(以後、ウィンリィ)だ。
「へ〜。ウィンリィさんは、エドワードさんの幼馴染みなんだ。」
「うん。エドの事は軍の人から聞いたの?」
「うんっ。弟のアルフォンス君の事も聞いたよ。えと・・。鎧の姿してるんだっけ?何か探してるとか。探しつつ当てのない旅、とか。ロマンチックだよね〜。」
「そーかなぁ?」
小さく首を傾げたウィンリィは続けた。
「エドってね、昔から、アルよりもあたしよりも背は低いし、アルとの喧嘩に負けるし。そうそう。二人が、あたしをお嫁さんにするって喧嘩したときは、あたし、二人とも振ったんだよね。あたしより、背の低い男はイヤって。」
「え〜っ。もったいないよ。モテるのに。今に、おっきくなるんじゃないの?」
「ああ、ムリムリ。」
あっさりと否定したウィンリィはクスリと笑っていった。
「アルがね、言ってたの。いつもお腹出して寝てるんだって、エド。」
「いつか、風邪ひくよ?」
「丈夫だから!」
一言で切り返すウィンリィが、はちょっぴり羨ましかった。
「ウィンリィさんは強いね。そんな二人を待っていられる。あたしは、待つのは性に合わない。待つ事では戦えない。弱っちくて、臆病な人間だから。」
さ・・・・・・。」
二人の会話は、ヒューズの娘の登場によって打ち切られた。ヒューズも加わり、延々とエリシアの話を聞かされた。しかし、それによって気分が晴れ、はロイの元へと帰った。司令部の前では、さすがに心配になったのか、ロイ達がウロウロしていた。は嬉しくなった。そしてますますエドに会いたくなった。会えたときのためにと、ヒューズの奥さんから伝言も預かった。はロイに向かって走り出した。
「ただいまーっ!おとーさーん!」
はロイに飛びついた。

                            続く






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