鋼の錬金術師パロディ劇場・アルフォンス捜索隊珍道日記 第三十話「これからの道」







 三人は孤児院の方とは逆の方への道を歩いていた。エドとアルはまたも人の死に直面した。は泣いている。
「もう、泣くな。」
「ダメ。エドもアルも泣けないでしょ。だから、あたしが代わりに涙を流し・・・。」
声が途切れ、涙がとめどなく溢れる。エドはトランクをアルに預けると、を抱き寄せる。
「しばらく胸貸してやるから、思い切り泣け。オレ達の分も、な。」
はエドにすがり付いて泣きじゃくる。エドはを抱くことも、髪をなでることもせず、突っ立っていた。しばしして、のひざががくんと折れた。
「お、おい!」
エドは慌てて抱き止めたが、すぐに呆れたような顔になった。
「寝ちまった・・。」
「きっと、泣き疲れたんだね。三人分だから。」
アルもを覗き込んだ。エドはをよいせっと背負うと歩き出し、アルも続く。
の熱意はハンパじゃねーからな。ちゃんと連れてってやらねーと。そりゃそうとアル。あの時、何で急にいなくなった?」
すると、アルは少しすねたように言った。
「ひどいよ、兄さん。僕が花壇の植え込みに引っかかってる猫を助けてるうちにいなくなるから。中央に行くって言ってたから行ってみたけど、いないし。その後、フォルティに出会って、一応『賢者の石』のこと、知っておこうとしてここまで来たんだ。」
エドは脱力した。
「何だ・・・。また、猫かよ。まさか連れてきたり、してねーだろな?」
「あ、うん。飼い猫だったし、兄さん怒るでしょ。」
久しぶりの二人だけの会話だ。
「それより、兄さん。この後どうする?フォルティの『賢者の石』もなかったし・・。」
「一度、大佐の所に顔出すか。行きたくねーけど、がいれば、あまりイヤミも言われなくてすみそうだしな。でも、今日は宿探すぞ。、寝かさねーと。」
「そうだね。今度は三人で旅か。にぎやかになりそうだね。」
アルは嬉しそうに言った。

                       第三十一話に続く






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