鋼の錬金術師パロディ劇場・アルフォンス捜索隊珍道日記 第三十一話「新たなる旅立ち」







 「え?別了の意味?」
数日後。東方司令部に向かう途中に寄った食堂で、エドが思い出しように言ったのだ。は目をぱちくりして考え込む。
「フォルティ。何が言いたかったのかな?」
アルも考え込む。が思い当たる。
「確か、遠い国の言葉で、サヨナラ・・だったと思う。二度と会わないって意味の。」
「ビエラってそういう意味なの?」
アルが確認するように言う。
「うん。前に本で読んだ。」
はうなずく。
「フォルティ・・・。永遠に会えなくても、忘れはしない。さて、そろそろ行こう。大佐さんのトコヘ!」
は立ち上がる。

 ロイの所で情報交換した後、の「おとーさん」攻撃にロイは何も言えなかった。普段、強気でエドをからかうロイも、娘には弱かった。の大好きは、無敵だった。に嫌いの二文字は無いのかもしれない。
「ねえ!これからも、連れてってくれるよね?」
「ああ。」
「もちろん!」
道を歩きつつ言うにエドとアルはうなずく。は嬉しそうに、エドとアルの腕に自分の腕を絡ませた。
「マ、?」
「うわっ、何だよ?」
「んふふ。あたしね、大佐さん達に育ててもらってよかったって思う。エドとアルに会えたし。みんな、みんな、だーい好きっ!」
久しぶりに聞いたまみの大好きだった。は無邪気に笑う。エドとアルも嬉しくなり、笑った。去って行く三人の姿をロイが窓から見ていた。
「そろそろ親離れ、子離れの時期かもしれないな。ホークアイ中尉。」
「そうかもしれませんね。・・・それより、大佐。仕事してください。」

                        エピローグに続く






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