鋼の錬金術師パロディ劇場・アルフォンス捜索隊珍道日記 第4話「そして二人は出会った」
は中央の駅に降り立った。
「ヒューズさん、元気かなぁ?」
エドを探す前に、はヒューズに会うつもりだった。しかし、何と言う運命の悪戯か、は見つけてしまったのだ。三つ編みにされた金の髪。赤いコート。は声を上げた。
「ああっ。あの後姿はっ。」
後ろから聞こえた声を気にも留めず、赤コートはスタスタ進む。真美は慌てたようにその前に回りこんだ。
「やっぱり、エドワード様っ!お会いしたかったです〜。」
エドはいきなりな出来事に驚き、目を丸くした。
「いや・・・・・・あの・・・。アンタ誰?」
は慌てて挨拶をした。
「あ、申し送れました〜。・です。・・・あの、お願いがあるんですけど。」
「?ふーん・・・。まぁ、よろしく。お願い?・・・まぁ・・・・・・オレに出来る事なら構わないけど、一体何?」
エドは眉をひそめた。
「あ、あたしの事は、、と呼んでください。あのっ。聞けば、何かを探して旅しているとか。何でもお手伝いしますので、連れてってください。体力にも自信あります。外の世界を見て、社会勉強したいんです。」
は頭を下げた。その言葉にエドのこめかみが引きつった。
「・・・何でその事を知ってる?オレの幼馴染みと軍部の奴らしか・・・。ごくわずかの奴らしか、知らないはずなんだけど。・・・つれてけって、そう言われてもなぁ。オレの旅はそう簡単じゃないんだぜ?結構危険な奴らと戦ったりもするし。」
エドは頭をかいた。
「お前を守りながら戦う余裕だってない。・・・それに、社会勉強ならオレについて行かなくても、もっと安全な人について行け。」
そこでエドはフウッと息をついて続けた。
「見ず知らずの人について行くなって、子供の頃に教わらなかったか?」
エドはの額を人差し指で軽く突っついた。は小さく笑う。
「家族はいません。気がついたら、みかんの箱に入れられて、川に流されてました。」
やたら明るくいったの言葉・・・『家族はいない』に、エドは自分を重ねてしまった。
「それを拾ってくれたのが、軍の方で。もう、中尉さんのしつけはコリゴリ・・・じゃなくて!」
エドの手の平に汗がにじむ。きょとんとした表情で一応聞き返した。
「中尉さんって・・・もしかして、ホークアイ中尉??」
はそれに答えず続けた。
「でも、どうしてもエドワードさんについて行きたくて、大佐さんを説得したら、『鋼の旅に花を添えるのも一興』とか言ってましたけど。」
はロイの声をマネた。エドの顔が青ざめる。
「げっ!!大佐に??」
「・・・ダメですか?」
はかすかに涙を浮かべた。エドは戸惑った。
「うっ・・・・・・うーん・・・。」
「足手まといにならないよう気をつけます。もし、なったら、その辺にポイしちゃっていいです。覚悟は出来てます。危険でも、自分に正直に、後悔しないように生きていきたいから。この足で。」
エドはをじっと見つめて問いかけた。
「生半な覚悟じゃないんだな?・・この旅で・・・命を落とすかもしれないんだぞ?」
は即答した。
「・・・命を落とす事は怖くありません。そうでなければ、この歳まで中尉さんのしつけには耐えられませんからね。怖い事と言えば、周りの方々に嫌われる事です。エドワードさんにも!それに、命は落としても、魂(こころ)は絶対に折れません。」
の瞳には強い意志の光があった。
「立ち止まって後悔するくらいなら、あえて危険に飛び込んで、命かける方がいいです。」
はニッコリ笑った。その額をエドはつんっと突っついた。
「そっ・・・・・・か。わかった。の熱意には負けたよ。これからよろしくな、。」
エドは笑みを浮かべ、ポンッとの背中を軽くたたいた。
続く
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