鋼の錬金術師パロディ劇場・アルフォンス捜索隊珍道日記 第七話「きらい・キライ・嫌い」







 「そ、そうだね。アルフォンス君どこにいるんだろ?」
のドキドキはまだ止まらない。それでも辺りを見回した。
「アルは結構デカイからすぐにわかると思うんだけどなぁ〜・・・・・・。」
エドも辺りを見回す。しかし、アルは見つからない。
「人はまばらにいるけど・・。アルフォンス君らしき人はいないね。えーと、鎧姿だっけ?」
のドキドキは続き、まともにエドの顔を見れなかった。
「あ、あぁ。鎧姿だぜ?だからわかりやすいだろうけど・・。いねぇなぁ〜・・・・・・。」
が自分の顔を見ないことに気づいたエドだが、あえて気に留めなかった、はあさっての方を向いている。
「誰かに聞いてみよーか?それとも街の外れまで行ってみる?」
「あー・・・。街の外れまで行ってみるか。」
エドはうなずいた。
「ったく。兄に迷惑かけるとはいい度胸だぜ。」
と江戸は肩を並べ、街の外れへと歩き出した。
「見つからないね・・。アルフォンス君。」
「あぁ・・・見つからねぇなぁ〜・・・・・・。」
がエドに視線を送ると同時に、エドもを見た。二人の目が合う。
「!!」
の顔がみるみる真っ赤になり、下を向いてしまった。エドは首をかしげる。
「あ、あのっ。ゴメンね。失礼だよね、人様の顔盗み見るようなマネして。顔そむけたりとか。でっでもでも・・・。うまく言えない。あ。ふ深い意味はないの!うん!」
は顔を赤らめたまま苦笑をエドに向ける。
「いや・・・別にオレはかまわないけど。」
エドは何がおかしいのか、の様子に笑みをこぼした。
「さ、さ、さあっ!引き続き、アルフォンス君探そう。」
「あ、ああ。」
そこでは思い出したように言った。
「あ、さっきから言おうと思ってたんだけど、アルフォンス君のこと、アルって言ってもかまわないかな?本人にも、会えたら、確かめようとは思うけど、お兄さんである、エドにも聞いておこうと思って。だめかな?」
はすっかり素に戻っていた。
「ん?あー・・・。アルのことはアルでかまわないよ。アルもokだしてくれるだろうし・・・・・・うん。」
は話を戻す。
「そういえば、どのへんではぐれたの?もしかしたら、アルも合流しようって思って、一番わかりやすい所にいるんじゃない?」
「あー・・・確かにそれはありえるかも。」
エドは納得した表情を浮かべた。
「えーっと・・・オレがアルとはぐれたのは・・・・・・そうそうサウスシティだ。」
サウスシティは中央から南に下りたところにある。
「それとか、大佐さんたちにたすけ求めてるかも。」
の思いつきに、エドはムッとした表情を浮かべ、ブンブン首を左右にふった。
「大佐に??助けを求めてる?・・・ない。絶対ない!あってもない!」
はアルの事を口にする。
「・・・でも、お兄さん思いのいい弟さんだってね。ウィンリィさんに聞いたの。」
「ん?あ、あぁ・・・いい弟だよ、アルは。ま、オレもいい兄だけどなっ♪」
エドは胸を張って、自己主張したが、の次の言葉にピクリと体を揺らした。
「そういえば、いつもお腹出して寝てるって?・・冷えない?寒くない?アルがウィンリィさんに言ってたらしいよ。」
は心配そうにエドの顔を覗き込んだ。
「なななな、何を言っているのだね、君!」
言動が明らかにおかしい。図星だったらしい。
「オレがお腹出して寝るわけないだろっ。それはアルの嘘だ!そう、嘘なんだ!」
「これからは、あたしがアルと二人で、責任持って、お布団かけなおしてあげるからねっ!」
エドはハッとした。
「布団なんてかけなおしてもらわなくても大丈夫!オレは大人だから!」
ふふんとエドは言う。
「だって・・・。大好きなエドに風邪なんてひいてほしくないもん。」
に心配されるほど、俺は落ちぶれてねぇーよ。」
そう言いつつも、エドは嬉しそうに両腕を頭の後ろで組んだ。
「エド・・・。そんなに大佐さん嫌い?あたしに対しては、結構いいお父さん的存在なんだけど。」
「ああ!オレは大佐なんて嫌いだね。あの、人を上から見下ろした態度といい・・・なんかヤだ。いいお父さん的存在・・ねぇ。まぁ、わからなくはないけど。」
しかし、エドはすぐに顔をブンブンふった。

                           続く






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