鋼の錬金術師パロディ劇場・アルフォンス捜索隊珍道日記 プロローグ







 サウスシティのあるうららかな日。エドワードとアルフォンス、エルリック兄弟は一つの任務を終え、一度中央に戻る途中であった。
「中央に戻ってまた、調べ直しだな。」
「・・・うん。」
エドワード(以後、エド)は弟・アルフォンス(以後、アル)と肩を並べて歩きつつ言った。それに答えたアルは元気がない。声も小さい。エドはあえて気にせず歩き、何人かとすれ違った。
「なぁ、アル。」
返事はなかった。
「アル?・・・アル?!」
エドは振り返り、弟の姿を探した。アルは大きな鎧の姿だ。少し離れていても、見えるはずだ。しかし、アルの姿は影も形もない。その場から忽然と消えていた。
「・・マジかよ。」
エドは呆然とつぶやいた。それでもと思い直す。
「とりあえず、中央に向かうか。アルもそれは分かってるはずだし。途中で合流できるかもな。」
エドは駅へ向かって歩き出した。弟と合流し、目的を果たすため・・・。全てを取り戻すために。しかし、このときエドは、これから起こるであろう出来事を知る由もなかった。一人の少女と出会う事を。

                            続く





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