誕生日…は分らない

そう…分からないからこそ、拾われたあの日くらいは………………




心穏やかに、一日を過ごしてほしい…

貴方が初めて、マナに会った日だから──────────…









A heart calmly









「おかえり、アレン」


「ただいま、


微笑み合いながら顔を合わせるのは、未だ初々しさの残る恋人同士。
任務から戻ってきたアレンを、白衣を着たが出迎えに来たのだ。


「……大丈夫?」


「え?」


少しだけ心配そうに向けるの視線に、アレンは首を傾げた。
の紅の唇は、小さく動く程度。


「だって……今日はアレンが…」



マナに会った日……誕生日の分からない、アレンの誕生日変わりの日…



全ては口にはしなかったが、きっとアレンは分かっていた。
だから微かに眉がハの字に下がった。


「大丈夫ですよ、


「本当?」


ぽん、と肩に手を置くアレンに可愛らしく首を傾げた。
この日は、きっとマナを強く思い出す。

一歩前に歩み寄って、ギュッとは抱きついた。
アレンの温もりを確かめるように。


「………本当です 僕にはが居るんですから」


微笑む顔は満面の笑みなのに、はどうしても悲しげな笑みに見えてしまった。
そんな顔をしてはいないのに、目の錯覚は治ってくれない。


「…… ……………」


「信じて下さい」


抱き付くを抱きしめ返した。
互いの温もりを確かめ合う。


「…アレンの誕生日のお祝いさせて?」


胸に顔を埋めたまま、ポツリ。
胸に掛かる温かい吐息。

アレンは少し頬を染めた。


「いいんですか?」


「うん 今日くらいは…心穏やかに…過ごしてほしい」


「………ありがとうございます」


胸に埋めていた顔を上げ、アレンを見つめる。
少しだけ低い位置にあるの顔を見つめ、アレンは微笑みお礼を口にすると。

チュッ…


「──────っ!!」


触れるか触れないか、そんな微かなアレンからのキス。
初々しさの残る恋人同士のやり取り。

は一気に顔を真っ赤に染め上げた。


「お祝なんていいですよ こうやって…一緒に居てくれるだけで」


「アレン……」


真っ赤な顔で上目使いのままアレンを見上げた。
同じくアレンも己のした行動に、顔を染め上げていた。

だから、はニッコリと微笑みを浮かべアレンを安心させると。


「お誕生日、おめでとう この世に生を受け、この日まで生きていてくれて………ありがとう」


アレンの唇に吸い付く様に、は唇を押し付けた。
そんな熱烈なお出迎えを、教団一同はあちらこちらに姿を隠し見ていたなんて二人は知る由もなかった。









....................end




アレンの誕生日フリー夢小説です。
実際にはアレンの誕生日は不明だったので、マナに拾われたクリスマスを誕生日と過程しました。
きっと…拾われていなかったら、今のアレンは居なかったでしょうから。

お持ち帰りと掲載自由、リンクと報告特に必要なし。
再配布や修正加筆等はしないで下さい。
掲載される際は管理人名の記載をお願いします。
コピペでお持ち帰り下さるのが一番手っ取り早いかと思います。






D.Gray-man夢小説に戻る