クリスマスの次の日……
ねぇ、みんなは知ってる?
今日がいったい何の日なのか……もともと、どういう風習があったのか
私はね……今でも、ずっとその風習を大切にしてる
Boxing Day
「神田神田ぁ!!」
バタバタと激しい音が廊下に響き渡った。
その声に、足音に神田は少しだけ嫌そうな表情を浮かべ振り返る。
「神田ぁぁぁっ!」
「うわっ」
予想通りの人物の登場。
そして、名前を叫びながら突進して抱きついてくるのもいつもの事。
けれど、やはり慣れないのか驚いてしまう。
「……なんだよ」
「あのねあのね、昨日のクリスマスプレゼントありがとう!!」
ぎゅーっと抱きついて、嬉しそうに神田の胸に擦り寄るのは同じエクソシストの。
「今更それか?」
「今更って……今日プレゼント開けたんだもん、しょうがないじゃん」
「今日?昨日じゃなくて?」
の言葉に神田は不思議そうな表情を浮かべた。
貰ったプレゼントを部屋に戻ったら開ける。
それが普通だと思っていたから、余計に。
「え?だって、今日は『Boxing Day』でしょ?」
「何だ、それ?」
の口から紡がれた単語に覚えがなく、首を傾げる。
からすれば、それを知らないという事が不思議で、神田同様首をかしげた。
「知らない?クリスマスプレゼントの箱を開ける日なんだよ?といっても、今はその風習も廃れちゃってるらしいんだけどね」
答えながら肩をすくめた。
クリスマスに貰ったプレゼントを一日跨いでから開けるなんて、凄くドキドキする風習。
なのに、その風習は廃れてしまい、今はほとんどの人がやっていないんじゃないだろうか。
「初耳だな」
「やっぱり……神田でも知らないかぁ」
「そういう事には全く興味ないからな」
「……だよね」
神田の予想内の返事に苦笑した。
そう、神田が知ってるはずがないのは分かっていた。
ただの期待だ。
「で、プレゼントは気に入ったのか?」
「うん!凄く!」
神田の言葉に、は満面の笑みを浮かべた。
身体を離すと、くるりと背中を向け。
「ね、早速使ってみたんだ!似合ってる?」
神田に貰ったのは、綺麗な色の髪を結ぶ紐。
紐の先にあしらわれた鈴が、歩くたびにチリンチリンと鳴る。
「ああ さっきからかすかに聞こえてた鈴の音はそれか」
「うん」
にっこり、という言葉が似合いそうな笑顔を浮かべながら振り返る。
両手を顔の前で合わせ、柔らかく微笑むと。
「凄い嬉しいよ、神田 大切にするからね、これ」
一生の宝物だよ、とは笑った。
チリンチリンと紐の鈴を鳴らしながら、再度神田に抱きついた。
......................end
結構昔に聞いたことがあった風習を思い出したので、書いてみたかった内容w
けど、クリスマスに貰ったプレゼントを次の日に開けるって……凄くドキドキすると思うんですが。
私には待ち遠しすぎて出来そうにありませんね。(笑)
実は、二十六日のBoxing Dayにはもう一つ風習があったらしいです。
「クリスマスのプレゼントやカードを贈ってくれた郵便配達してくれた人や使用人にプレゼントする日」でもあったらしいですよ。
↑のは調べたんですけどね;
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