今がよければそれでいい
だって、この幸せがいつ壊れるかなんて分からないんだから

先のことを考えて、深刻になるなんて……馬鹿げてるじゃない?









Ilex aquifolium









「ア・レ・ン♪」


呟き、後ろから抱きついた。
白髪の目立つ、年下の少年──アレンは驚きの表情を浮かべた。


「わ、ビックリした……、どうしました?」


「……今日が何の日か分からない?」


「今日、ですか?」


の言葉に、アレンは首をかしげた。
考え込む様子を見る限りでは全く予想がつかないようで。


「うぅーん……ちょっと予想つかないですよ」


「……じゃあ、何日?今日は」


「え?……っと……今日、は──」


呟き、日付を思い出そうと頭を回転させ始めた。


「──十二月、二十五日 あ……」


呟き、思い当たることがあったようだ。



やっと分かったんだね……ハァ



大きく溜め息を吐き、アレンを見つめた。


「僕がマナに拾われた日!」



それだけっ!?



アレンの答えに、は内心そう突っ込みを入れていた。


「ああ、そうだね うん、その通りなんだけど……」


呟きながら、はアレンの背中から身体を離した。
小走りでアレンの前に回りこむと、ジッとその瞳を真っ直ぐに見つめる。


「アレンが生まれ変わった日 つまりは……今のアレンが生まれるキッカケになった日でしょ?」


「まあ、そうなりますね」


の言葉に同意するのに、全く意図が分からないままのアレンは首を傾げていた。
どうしてここまでヒントを出しているのに分からないのかと、は溜め息を吐いてしまう。



やっぱり、言葉にしなきゃアレンは分からないかなぁ〜



別に、アレンが生まれ変わった日が大事ってワケじゃない。
今のアレンが生まれるキッカケなんて、関係ない。
それでも、どうでもいいというわけじゃない。

"楽しい今"があるのは、たくさんの過去があったから。
未来に興味はない。
けれど、過去は切り捨てることの出来ない──その人の一部。


「お誕生日おめでとう、アレン」


「……ぇ」


「未来に興味はないよ
 でも、アレンとの楽しい今があるのは、そういうアレンの過去が……私の過去があったから
 だから、今だけは感謝してあげる 生まれてきてくれてありがとう」


呟き、唇のそば──触れるか触れないかの際どい場所に口付けた。
唇を離すと、はいたずらっ子のような笑みを浮かべた。


「〜〜〜っ」


そんなを見つめ、アレンは顔を真っ赤に染め上げたのだった。










...................end





マナに拾われた日が十二月二十五日。
でも、誕生日自体は不明なのでこの日をアレンの誕生日にと……祝ってみましたw
誕生花のホーリーをテーマに、ちょこっと書いてみましたよ♪

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